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オタク同士なら、仲がいいと思ったか!?  作者: 岩戸 勇太
戻れなくなってしまった二人
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昨日の疲れが……

 俺は、放課後になると机に突っ伏した。

 昨日、坂上さん……もういいや、坂上で……

 坂上のBL妄想を聞かされ頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。

 そこに、鳥が俺の机の近くにやってくる。俺は一度鳥の事を見上げるが、すぐに目を伏せた。

 今はこいつに付き合うような気分じゃない。

「おい」

 そう言い、鳥は俺の机の足を蹴りつけた。

 ガタン! っていう音がする。その音に反応して、俺は鳥の事を、もう一度見上げた。

「なんだ?」

 俺が力の抜けた声でそう言うと、鳥は俺の髪を引っ張って俺の顔を上げさせた。

「髪を引っ張るなよ……」

「あんた、あれから何があったのよ! 完全に電池が切れちゃってるじゃない!」

「昨日の恐怖体験で、俺は今思いっきり衰弱をしているんだ……」

「何をワケのわかんない弱音を吐いてんのよ?」

 俺は昨日起こった事を鳥に話そうとしたが、話の最中に鳥が俺に聞いてきた。

「そのBL妄想ってのは何なの?」

 こいつは、BL妄想ってもんを知らんのか……ならワザワザ教えるのもいかんかな……

「知らないなら、知らないままでいてくれ」

 俺は、無難にこう言った。

「何よそれ? 私の事を馬鹿にしてるの?」

「そう言うな。お前のためだって」

 そう言うと、鳥は、俺の顔を両手で掴んできて、グリグリと顔をコネ回し始めた。

「なんであんたが、私の心配なんかしてんのよ……」

「やめんかー……」

 力なく言う俺に、鳥は俺の顔から手を離す。

「どこまで電池が切れてるの?」

 諦めた鳥は、五十屋の方を見た。

「最近、人が少なくなったね」

 俺も五十屋の方を見る。

「そういえば、なんか、バスケ部の奴らが減った感じか……?」

 そう言われると、五十屋の周りの人の数が減っている気がする。女子バスケ部の面々が、五十家の前から消えているような印象がある。

 だが、それでもまあまあ人がいるので、あの中に入っていくのは難しいだろう。

「昨日は、俺が五十屋のところに行ったんだ。次は鳥が志士屋さんのところに行ってくれ」

「分かったわよ。今日のあんたは使い物にならなそうだし、順番的に考えても私の番だからね」

 その時、俺は坂上が言っていた言葉を思い出した。

 坂上も、五十屋の事を狙っているのだという。こうしているうちにも、坂上は五十屋に向けて何かしらのアプローチを考えているのだろう。

 ここで、こんな事をしていると、鳥が遅れをとる事になるな……

「おい……私が咲に言ってくるから、顔でも洗ってアホ面をなんとかしておきなさい」

 鳥は、俺に向けて暴言をはいた。相変わらずの鳥の口の悪さはなんとかならんもんか……

 やっぱりいいや……坂上には勝手にやらせておこう。いくらでも遅れを取らせればいい。

「咲の姿が無い……たぶん、すでに部室に行ったんだと思う」

 部室か……やっかいな場所に行ってしまったな。

 あれだけの大演説をしてしまった後だ。もう、二度とA部の部室には行けなくなってしまった。

 五十家だって、席を立つ。おそらく、A部の方に行ったのだろう。あいつは、最近A部に入り浸っているらしい。

 バスケ部はどうしているのだろうか? もしかして辞める気か?

 あいつを囲う人の輪が、少なくなっているのも、それが原因なのではないだろうか?

「俺らって、結構人の幸せ奪ってないか? 五十家は友人が減ったようだし……」

「『俺ら』ってのは何なのよ? 私はまったく身に覚えがないわよ」

 鳥が、俺の耳を引っ張りながら言う。

「やめんかー」

 俺が、また力なく言うと、鳥はチッ……と舌打ちをして手を離した。

「明日までに、あんたは充電をしておきなさい! 今度こそ五十家君をB部に誘うのよ!」

 それから少しして、俺はB部にマンガを読みに行った。

 今日の作戦は一時休戦である。

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