もう本音を言おう
もう、本音を言わせてもらう。こんな事で、五十家にの怨みを買った状態のままで、いいわけがない。
「なら、B部に入ってこいよ! 俺だって、元々B部に誘ったつもりだった! いつでもこっちに入ってくればいいだろう!」
俺が大声になって言い出したのに、A部の面々はひるんだようで、驚いた顔をしていた。
「俺はA部には入らんぞ! どうしてもダメなんだよ、この部屋が!」
この埃っぽい臭いがまずイヤだ。飾り棚には当然のようにフィギュアが乗っているし、棚にはホコリが積もってる。そのくせフィギュアだけは丁寧に磨いているようで、綺麗になっており、丸い跡が残っている。
丸い跡は、フィギュアの台である。最初はそこにフィギュアが置いてあったが、磨くためにフィギュアを手に取り、磨き終わったフィギュアを置き直す。
それにより、埃の積もっていない場所が丸い形になって浮き上がってくるのだ。
「まだまだあるぞ!」
そう続け、俺は思いのたけをぶちまけた。
この部室にあるマンガは趣味が偏りすぎている上に、数が、B部と比べて少ない。
A部よりも、B部の方がいい。そう訴え続ける俺。
全部をぶちまけたとき、俺の事を見る周りの視線は、完全に変わっていた。
周囲から手を叩くパチパチという音が聞こえだした……。
「え? 何これ……」
今度は俺がキョトンとする番であった。俺が周りを見回すのに、A部の部長が言う。
「彼に拍手だ……」
そういうとA部の面々は、一斉に俺に向けて拍手をしだした。
「大したこだわりだ」
「そこまで言うなら仕方ない」
「君の本気を見た」
などと、意味不明の事を言いだした。
「そこまでの信念があるなら、君をこちらに誘えはしないな」
五十家まで言い出した。
「岩城君! 助けに来たぞ!」
そう言い、B部の部長がここに入ってきた。鳥が部長に話したのだろう部長の後ろに、鳥の姿も見えた。
鳥は、部室の外から、事の顛末を伺っていた。
「騒がせてしまってすまないな、B部部長。彼をA部に引き入れるのは諦めた」
俺は、肩を押され、B部の部長の前まで歩かされる。




