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オタク同士なら、仲がいいと思ったか!?  作者: 岩戸 勇太
サブカルチャー部にいらっしゃいませ
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部室に入って

 部長と一緒にA部の部室に入った五十家と咲。

 部長が、二人の名前が書かれた入部届けをヒラヒラとさせているのを見た二人は、二人して暗い顔をして目を見合わせた。

「どうしよう……」

「どうしようかな……」

 二人が、そろってそう言い出す。

 周囲に立つ、美少女フィギュアにガンダムプラモを見回した咲と五十家は、所在なさげにして椅子に座っていた。

「君らは、サブカルチャー部の新入部員として、やっておかなくてはならない事がある」

 部長の言葉を聞いたあと、二人は壁に貼り付けてある写真を見る。

 それは、ここの部員が、コスプレをした姿を写した写真だ。

「仲間の証として、コスプレ写真を部室に飾ってあるんだぁ。衣装は部室にあるし、好きなのを着るといいよぉ」

 部長が、部屋の隅にあるロッカーを開けると、ロッカーの中にはコスプレ衣装がビッチリと詰め込まれているのが見えた。

「五十家くんに咲たん。服のサイズを教えてくれたまえ」

 部長が、咲のことを『咲たん』と呼ぶのに、咲は鳥肌が立っているようで、身を抱きながら腕をさすった。

 だが、咲のその行動は小さなもので、咲がその言葉に嫌悪感を感じている事は、部長には伝わっていなかった。

 その後、五十家と咲が自分の服のサイズを教えると、部長はいくつものコスプレ衣装を取り出してきた。

「好きなものを選んでくれたまえ」

 部長がそう言うと、咲はさらに腕をさすった。

 五十家が咲の事を横目で見る。そのサインは五十家には伝わっていたそうだ。

「二人は、コスプレ初心者だしぃ、軽いものから着てみたらどうだぁ?」

 それは、黒い着物だった。

「これなら……」

 咲は部長から渡された着物を見た。

「ダンボールで作った剣もあるよぉ。好きなのを持ってかまえてくれ」

 黒い着物に独特な形の剣。有名な作品のコスプレであれば、五十家も咲も、『これくらいはいいか……』と思ってしまう。

「写真はここに飾るだけだよぉ。外に流れる事は絶対にない事は、保証するよぉ」

 部長は言う。

「こんな事をやっているところを、誰かに見られたら恥ずかしいだろうからねぇ」

 部長はこう続ける。

「それならいいかもね……」

 五十家が言う。

 上着を脱ぎ出す五十家を見て、咲も服のボタンを外した。

「ああちょっとぉ……ここで着替えられたら困るよぉ」

 体を反転させて後ろを向いた部長は、部室の隅を指差した。そこにはカーテンで仕切られた一角があり、着替えくらいならできそうなくらいのスペースが確保をされている。

「ジャケットを脱ぐだけ……」

 咲が言った。下に着たシャツまでは脱ぐ気はないそういう意味で言った咲。

「いーや! それは許さないよ! 着物を切るんだから下にシャツが見えるのはおかしいだろ!」

「面倒……」

 いらない事をこだわる部長を、じっ……と見た咲。

「そんな目をしたってダメだよぉ。着替えるんだったら、きがえるんだぁ!」

 語気を荒くして言う部長に押され、渋々といった感じで着替えをはじめた咲。

「それじゃあ、ぼくはデジカメをとってくるよぉ」

 そう言い、部長は部室から出ていった。

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