いろいろな理由、そして人生。
一人。
一人は、人間の本能のまま、人を手にかける。
それが誰だろうとかまわない。
彼は思う。
人の血の赤ほどきれいな色はない、と。
また、こうも思う。
善人も、罪人も。死ぬときは皆、美しい。愛おしくも感じる。
だから今日もまた、明日もまた、殺し続けるのだ____
平凡な、実に平凡な男子高校生。
そんなものは、どこにも存在しない!
_だって、だって。ライトノベルや漫画の中の、実に平凡な男子高校生は、みな、モテモテじゃないか!ハーレムすぎる!_
俺は嘆く。
そうだ、俺はぼっちだ。
確かに、俺は彼女いない歴=年齢だし、アニメが大好きだし、友人だって少ない。
だが。
だが。
いくらなんでも、これはないだろう。
今読んでいる小説。
タイトルが「○は友達が少ない」なのに、ハーレムじゃん!
みんなから好意もたれてんじゃん!
それにっ
なにこれ!かわいい妹・・・って・・・
俺には兄ちゃんしかいねえよ!
それが普通だっ
・・・ってはぁ…。
こんなこと思ったって、もう、どうにもならない。
そんなことは、わかってる。
・・・。
だって、俺の未来はもう、真っ暗だから。
俺がまだ12のガキのころ。小学校6年生の夏。
親父とおふくろが、離婚をした。
まあ、それは、ごく普通だと思う。
そして、5つ上の兄貴とも、離れ離れになった。
まあ、これも普通。
そこから、親父に引き取られた俺は相当な苦労をした。
親父は安月給のなか、サービス残業をし、それこそ死に物狂いで働いていた。
当然俺が起きている時間に帰ってくるはずもなく、朝は俺が起きる前に出社していくのでひどいときは三か月間一度も顔を合せなかった。
俺は家業の一切をし、料理の腕もそれなりに上達した。
だが、どこぞの主人公のようにプロ並みに~なんてならなかった。
だが、ならなくていいところだけは主人公のようになる。
いじめだ。
母親がいない。それは、授業参観日に親が来ないことを示していた。
_ねえ、お母さん。なんで侑くんのお母さんは来てな・・_
その言葉を遮り、その、春ちゃんとかいう女子のお母さんは小声で、しかし、よく通る声で、言う。
_だめよ、春。侑くんのお母さんはね、その・・・その、いないのよ?_
本人の前では離婚、という言葉は言えなかったのか。その「いないのよ」という言葉は、まだ未熟な7歳の子供たちにあらぬ誤解をまねき、翌日___
もう、いじめは始まっていた。
教科書はズタズタ、教師も見て見ぬふり。
だが、中学になってから、少し、その「いじめ」のやり方が変わった。
陰湿な嫌がらせ、なんてものはなかった。
なかった。だが。
あれだ、存在そのものを無視するという、あれだ。
俺が死んでしまっても誰も気づかないんじゃないかとも思った。
中学校の頃の担任もくそだった。
相変わらず、父は仕事。
一人、取り残されていた。
そんな中、忘れたころに、いや、実際に忘れていた。
だが、俺にとって、とても大きな存在の、その人が。
その人が、俺の、目の前に。
現れたのだ。
まあ、現れたのは、兄貴とおふくろだけどな。
こんなかんじでラノベっぽーくしたとこで、俺の今までの人生なんて、「The 平凡」なのなw
まあ、とにかく。
俺は二次ヲタコミュ障なわけで。
特別な能力もなく。
運動も勉強も、常に中の下で。
そのとき、俺は知る由もない。
まあ、知らないのが普通なのだが。
こんな俺に残された時間はあと30日。
30日の間に、俺はどれだけ人生を楽しめるのであろうか。