勝負
剣を振るっていると「剣聖」に声をかけられるアグレス、、
「剣聖」の授業を受けていると勝負を持ちかけられる、、
だが、「剣聖」とアグレスの差は、、
そうして、アグレスの中に、、
アグレスは「剣聖」の授業を受けていた、、
「さて、今回の授業は素振り百回、鎧切りをする。いいか?何度も言うが、剣とは人を殺せる道具だ。決して、ふざけて相手に向けないこと。いいな?」
「剣聖」のその言葉に受けていた全員が元気よく返事をした、、
そうして、全員が素振りを始める、、
だが、剣の振るう速度は皆遅い。それは、剣の振るう姿勢と剣の重心を理解するため、、
しかし、アグレスの素振りは誰よりも早かった、、
「、、随分と速いな?アグレス。だが、剣の重心はぶれていないし、姿勢も正しい。いったいどこでそんな技術を覚えたのだ?」
「これは私に元々備わっていたものです。忌々しいほどに剣の振るい方がわかる、、あの者と同じ血がこれを可能としていると考えると、、怒りも湧きますがね。」
「そうか、、なら、わしと勝負するか?」
「え?け、、「剣聖」様とですが?」
「あぁ、わしも久々に剣を振るいたいのだよ。せっかく振るうのなら、剣の扱いをわかっている者とやり合いたいというものだ。」
「そ、、それは、、私でいいのですか?この授業には、私より優れた剣士が多くおりますが?」
「あぁ、お主がいいのだ。お主の剣を見て、久々に血が滾ったのだ。だから、お主がいいのだ。」
「剣聖」はアグレスと勝負する理由を話した、、
しかし、その顔には薄ら笑みが張り付いていた。
そうして、アグレスはその勝負に乗った。
その話は瞬く間に学園中に広がった、、
「さて、アグレス君。君は真剣を使いなさい。私は木剣でいいからな。」
「それでは、戦いにはなりません。鉄と木では簡単に切ってしまう。ですので、「剣聖」様も真剣を使ってください。」
「、、っ!?アグレス君が木剣にするのではなく。わしが真剣を使うのか!?」
「えぇ、勝負とはいえ、折角、世界の最高峰の剣士と戦えるのです。ならば、その剣術と殺傷性を知っておきたいのです。」
「なるほど、、アグレス君も相当の戦闘狂だな。いいぞ。ならば、真剣で勝負をしよう。ただし、怪我防止のため防護魔術を互いに纏うことが絶対条件だ。」
「ありがとうございます!!」
アグレスと「剣聖」は防護魔術を纏い。
互いが、真剣を構える。
「さぁ、アグレス君。かかってきなさい。」
「、、、、すごいな、、構えているだけなのに、こんなに離れているのに、、ずっと剣が首に当たっている感覚がする、、これが、、最上の剣士!!」
アグレスは言葉とは裏腹に口角を上げ、攻め方を考えていた、、
しかし、相手は「剣聖」、、アグレスの頭の中では、もう何十回も負けたいた、、、
その焦りが、現実のアグレスの額に汗をかかせた、、
「どうした?アグレス君。動いてもないのに汗をかいて?」
「ふぅ、、ははは、、ここまで差があると、楽しくなってきますね、、でも、そろそろ動かないといけないですよね!!」
アグレスが先手で動く。
しかし、「剣聖」は冷静にアグレスの動きを追い、剣をアグレスに向けていた、、
「ここまで動いても、軸はぶれないで私に剣が向いている、、全く強いですね!!「剣聖」様!!」
アグレスが「剣聖」に踏み込み向かって行く、、
その踏み込みは地面にアグレスの足跡を残すほどに強く踏み込んでいた。
「早いな、、アグレス君。じゃあ!!真正面から剣をぶつけようか!!」
「剣聖」とアグレスの剣が激しい音を立てぶつかり合う、、
その衝撃は、周囲で見ていたものたちの耳を揺らした、、
「あはは!!素晴らしいな!!わしと競り合うか!!アグレス君!!」
「、、っ!!こんなに踏み込んで!!目一杯力を入れてるのに!!どうして押し切れないんでしょうね!!「剣聖」様!!」
二人の剣は拮抗していたように見えたが、、
「剣聖」が剣を少しづつではあるが押し込み始める、、
「、、っ!!」
「どうした!?アグレス君!!このままでは君の保護魔術にわしの剣が当たるぞ!!さぁ!!押し返してみよ!!」
「、、っ!!あぁ!!私は、、私は!!」
「剣聖」の問いにアグレスが答えようとする、、
しかし、アグレスの中から誰かからの声が聞こえる、、
「おいおい!!負けんのかよ!!「剣聖」如きに負けてたら、「無情」になんて到底勝てないぜ!?」
「、、誰だよ、、お前、、何がわかるんだよ。」
「さぁな、、お前が俺のことを受け入れるなら、、教えてやるよ。まぁ、俺を受け入れるってことは、「剣聖」に勝つことを意味するけどな。」
「、、、いいだろう、、お前を受け入れてやる。今、、「剣聖」様に勝とうと、学園で浮こうと、、あいつを殺せるなら私は何でもやろう。」
「お前のその眼、、好きだぜ?じゃあ、、これからよろしくね?アグレス・ガスレット。」
「あぁ、、だが、その前にお前の名前だ。お前は誰なんだ?」
「そうだな、、今は「黒鯨」とでも名乗っておこうか。」
「そうか、、」
アグレスの中で二人の会話が終わる同時に。
「剣聖」を空中に吹き飛ばした、、
「、、っ!?わしが吹き飛ばされた!?」
「あはは!!軽いな!!「剣聖」様よぉ!!」
「、、いきなり変わったな、、君は誰かな?アグレス君ではないよね?」
「あはは!!俺はアグレス・ガスレットだよ!さっきまで剣を交わしていただろう!!なのになんでわからないんだよ!!「剣聖」様!!」
「はぁ、、君、、面倒くさそうやね。」
「剣聖」がそう言った瞬間、、
「剣聖」の雰囲気ががらりと変わる、、
その雰囲気を「黒鯨」が感じ取る、、
「まじかよ、、さっきまでとはまるで別人だな、、来いよ!!」
「黒鯨」が「剣聖」に向かって言う、、
しかし、「剣聖」はすでに「黒鯨」の後ろにいた、、
だが、「黒鯨」はその攻撃に反応して見せた、、
「ほぉ、、これに反応するのか、、」
「あっぶねぇ!!早すぎんだろう!?」
「君は確かに強い。でもね。わしと君とでは明確な差がある。それは「経験」と「技術」だ。その差はどれだけ「才能」があろうと埋められない。明確な差だよ。」
「そうかよ!!なら!!あんたとの戦いで学ばせてくれよ!!」
「十分学べただろう?ここまでだ。」
「剣聖」が宣言をした瞬間、、
「黒鯨」の体が前のめりに倒れていく、、
「、、君たち。アグレス君を救護室に。」
アグレスは「剣聖」の授業を受けていた生徒たちによって救護室に連れていかれた、、
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