第一章あらすじ
王都で薬師として慎ましく生きていた青年・レオンは、陰謀によって冤罪を着せられ、牢に囚われる。
絶望の淵で彼の前に現れたのは、予言を告げる不思議な石――“ラウルの心核”だった。
持ち前の観察眼と行動力で脱獄を果たした彼は、心核の力を活かし、失明した女性の治療や疫病の鎮静など、人々を癒す“奇跡”をもたらしていく。
脱獄者ゆえ、その過程で“クリス”と名を変え、新興宗教〈ルクス教〉を立ち上げた彼は、王権と対立する存在となる。
クラウスの提案により新たな経済圏を生み出し、民衆の支持を集める。国家反逆の象徴となっていくレオン。だが、愛する女性ネミナが人質に取られ、記憶障害が露顕すると、周囲には不穏な違和感が広がっていく。
そんな中、信頼していた宰相と密偵が粛清され、内戦状態へと突入。
クラウスやダグラス、傭兵部隊の協力を得たレオンは、心核の“啓示”の導きとともに政変を目指す。
だが、百戦錬磨のアルデマン卿との戦いは苛烈を極め、仲間を失うこととなった。
結果的に王位の簒奪に成功したレオン達だが、王子と王妃は姿を潜めていた。一方で、狂信的な信仰を抱くミリアは王城の地下で“契約の書”を発見し、悪魔ゼレファスの傀儡へと変貌。
彼女の裏で暗躍していたのは、ラウルの心核に宿る悪魔・バルナザールだった。
魔を祓う者ヴァレンティウスは己の命を賭し、バルナザールを祓う事に成功する。心核は砕け、レオンは意識を失った。その深淵で、彼は失っていたネミナへの記憶を取り戻し、再び立ち上がる――