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22(布石)

 民の前に立ったクリスの背後には、薄く金色に輝く朝日が差していた。彼は高台から静かに手を掲げ、集まった信者たちを見下ろす。


「時は満ちました」

 ざわり、と空気が揺れた。


「まもなくこの地に、神官たちが訪れるでしょう。彼らは我らを“異端”と呼び、導こうとするかもしれません」


 沈黙。民衆の眼は不安と疑念を孕みながら、彼を見つめていた。


「だが、――それは違う。イシュメルの神殿は、もはや欲と虚栄にまみれ、神の言葉を見失っている。

我らこそが、真の光を携えし者なのです」


 彼の声が、朝陽を受けて地に響き渡る。


「これは預言です。

『かつての光の番人が来たりて裁きを試みるが、真の光は民の中にある』と――。

すべては、ルクスの意志のままに」


 信者たちの眼に、恐れはなくなっていた。

 希望と、熱狂があった。

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