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プロローグ

 地鳴りをさせて、岩山の一角が崩れ落ちた。

 もくもくと立ち上がる砂煙のなかから、一人の少女が飛び出した。


「ったく!手間かけさせないでよね!!!」


 年頃は14~16歳くらい。セミロングの赤毛に黒の衣をまとった少女の両手には、奇妙な形状をした銃が1丁ずつ持たれていた。


 その少女を追って、土煙の中から巨大な影が現れた。


「オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」


 森の木々よりも背の高い猪のような怪物だった。我々の知っているイノシシと違う点があるとすれば、まずはその大きさと、目が6つあること、背中のタテガミが炎で形成されていることだ。

 そのド級のイノシシが、地面をえぐりながら少女に向かって猪突猛進していく。

 少女は常人の倍以上のスピードで駆けているが、それでも背後から迫るイノシシのほうが速い。


「んもおっ!!めんどくさい!!」


 少女は突然くるっと方向転換し、イノシシめがけて逆走し始めた。


「ブオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


 イノシシはさらにスピードを上げて突っ込んでくる。両者の距離はあっという間に無くなり、少女はその巨体に飲み込まれそうになる。


「はっ!」


 衝突する寸前、少女はイノシシの体の下めがけてスライディングをした。

 地面をえぐる蹄の間をくぐり、山と見まごう巨体を潜り抜け、少女は一瞬でイノシシの背後をとった。


 イノシシは自慢の猪突猛進を思いもよらない方法でかわされて、あわててブレーキをかけるが、その巨体がそのスピードで簡単に止まれるはずもなく、もんどうりうって転がった。


 その隙に、少女は銃の側面のカバーをスライドさせる。すると、中から何かの差込口のようなものがせり出してきた。彼女は左の太ももにつけていたホルダーから、カードのようなものを2枚取り出した。2枚のカードはそれぞれ違う模様が描かれており、1枚を先ほどの差込口に挿入し、カバーを元にスライドさせる。


『Water』

 

 独特の電子音声が流れ、カバーの表面についている水晶の画面に水の模様が浮かび上がる。

 そして、もう一枚のカードも同じように反対の銃へ挿入する。


『Ice』

 

 電子音声が流れ、カバー側面の水晶画面に氷の模様が浮かび上がる。

 少女はその銃を、体勢を立て直している最中のイノシシへ構える。


「あいつの属性は火と土。炎を消し、大地を凍てつかせるなら……この二つよね♪」


 ずいぶんと余裕綽々な様子で、少女はイノシシに照準を合わせる。

 イノシシは体勢を立て直し、片方の前足で地面を蹴って気合をためている。


「さあ、とっとと来なさい」


 少女の口元には余裕の笑みが浮かんでいた。


「ブルルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


 イノシシが咆哮すると共に炎のタテガミが燃え盛り、6つの目をギラギラと光らせ、大地を震わせながら一気に少女へ向かって突進していく。


「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


 少女は実に楽しそうな笑みを浮かべながら、両手の銃の引き金を引いた。


 ズドンッ!!!

 と音を立て、それぞれの銃から極限まで収束された水の弾と、周囲の空気中の水分まで凍らせる氷の弾が発射された。


 弾はイノシシの脳天に命中し、イノシシはその巨体にして弾き返された。さらに、水が炎のタテガミを完全に消火し、その水ごと氷の弾がイノシシを丸ごと凍らせる。


「オオ……オ……オ……」


 巨大なイノシシはなすすべも無く完全に凍りつき、氷の造形のようになる。

 そして、その巨体が傾くときに発生した、ほんのわずかな振動で、イノシシはバラバラに砕け散った。


 少女は、くるくるくるっと銃を回し、そのまま左右の腰のホルダーへ差し込んだ。


「まったく。無駄に抵抗しないでさっさとやられてくれれば楽なのに。まあそれじゃ張り合いが無いから逆につまらないけど」

  


 そんなことをぼやきつつ、少女はセミロングの赤毛を手で払った。



 

  

 今回が初投稿です。

 初なだけに、まだ要領とかぜんぜん掴んでいませんが、ぼちぼち書いていけたらいいナ~と思ってます。

 んでもって、ほんの数人の方にでも楽しんでいただければ幸いです。


今話はプロローグなので、あえてキャラに深く触れていないのでご了承してくださいでござる


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