第7節 戦闘訓練
「さて…魔雲を取り込むことで身体能力が向上できたのであれば、武器を手に取って戦うこともまた容易であることはわかると思うが…どれにするか決めるが良い」
雲斎に促され、クレイディアスが武器を一つずつ軽い説明を交えながら置いていく。
素早い攻撃ができそうな片手で扱えそうな剣、破壊力は抜群なのは明確だが両手で持たなければいけないであろう大きな剣、身の丈を越えそうな長さだが伸縮できる槍、一見するとただのブーメランだが魔雲を駆使することである程度軌道を操作できるブーメラン、日本刀と対をなしてると言えるであろう切れ味鋭い薙刀、ワイヤーが繋がっており振り回すことで広範囲を攻撃できるであろうワイヤートマホーク…。
だが俺は最後に置かれた武器にしか興味は無かった。
「その銃は…」
「あなたが持っていた物でございます」
ここに来る前、あの島で使っていた銃。
先には銃剣が取り付けられている。
長く長く使っていたわけではないが、一番手に馴染んでいると言っても過言ではない。
「これを使う。弾は」
「弾…ですか…?」
クレイディアスはよくわからないような感じだった。
あぁ、この世界には銃というものが存在しないのだろう、とすぐ思った。
まぁ弾が無くても銃剣がある。
「ふむ…魔雲を使うことで銃弾の代わりにすることができるかもしれぬな」
そう言ったのは雲斎だ。
雲斎は銃がわかるようだ。
やはり雲斎もこの世界の人間ではないのか…?
「クレイディアス、ワシが言うようにこの銃をいじってみてくれぬか」
「わかりました」
クレイディアスが俺から銃を受け取り、雲斎の言う通りにし始めた。
銃が魔雲と光に包まれていく。
見た目は変わらないが、先程までとは何かが違う感じをすぐに感じた。
「これで魔雲を撃ち出すことができるようになったはずじゃ」
「試してみたい。的の用意はできるか」
「無論じゃ」
雲斎が手を翳すと魔雲でできているであろう人形が現れた。
ある程度距離を取り、雲斎に言われた通りにしてみる。
キシュン…!
銃から放たれたとは思えない音だが、狙っていた人形の胸部分には拳大くらいの穴が空いていた。
続けて他の部位を撃つ。
キシュン…!
キシュン…!
キシュン…!
キシュン…!
両腕、両脚を撃ち抜く。
魔雲を再度込め、頭部を撃つ。
キシュン…!
顔の真ん中が穴に変わる。
「大したものじゃ」
雲斎が手を翳し人形が消える。
と同時に狼のようなものが3体現れた。
「こやつらは動き回る上、隙を見てお主を攻撃してくるぞ」
「雲斎殿、始めたばかりでこやつらはやりすぎでは…」
「大丈夫じゃろう。それに…あやつが望んだことじゃ」
俺の意図を汲んでくれているようで助かる。
狼のようなやつらはなかなかのすばしっこさで駆け回り、今にも俺に襲い掛かってきそうな雰囲気を醸し出している。
だが…。
キシュンキシュンキシュンキシュンキシュン…!
連発。
瞬く間に2体が動かなくなる。
残った1体にも1発当たってはいたのだが、最後の抵抗とばかりに俺に飛び掛かってきた。
「無駄だ」
ザシュ…。
銃剣がそいつを凪払った。
こうなることが予測できていたからだ。
「これは…本当に大した逸材じゃな…」
「この者なら…うまくやってくれるでしょうね…」