ハムスターはネズミですよね?
※注意!! ハムスターが好きな方は読まないでください※
むかし、むかし。
まだ世の中がSTAP細胞で盛り上がっていた頃の話である。
某交流サイトで、ハム子(仮名)が、自分の飼育しているハムスターの写真をUPして「可愛いでしょ」的な投稿をしてきた。
みんな、こぞって「かわいい」というような賛辞なコメントを書き込んでた。
ハムスターは私の心にはさほどヒットしないのだが、確かに小動物というのはかわいいと思えるなにかを持っているとは思ったし、ハム子のハムスターをかわいくないとは思わなかった。
だから「可愛いネズミですね」とコメントをした。
すぐにハム子からの返信コメントが投稿された。
「ハムちゃんはネズミじゃありません」
私はハム子のコメントが理解できなかった。
私の記憶違いでなければ、ハムスターはネズミのはずだ。
というより、どこからどう見てもネズミにしかみえない。
モニター(?)越しではあったが、ハム子のレス速さやコメントの言葉づかいから、なんとなく深く触れたらいけないような気がしたので、
「失礼いたしました。かわいいハムスターですね」
と訂正のコメントをしてはみたが、その後、ハム子からの返信は無かった。
その後もハム子は他の人達には返信をしまくっていたので、どうやら私はひどく嫌われたらしい。
いいや。めんどくさそうな女だし。
そうは思ってみたものの、やはり「ハムスターはネズミではない」という言葉が妙に引っかかっていた。
翌日、会社でちょいとお姉さんな相棒・森山さんに「ハムスターってネズミですよね?」ときいてみた。
「果絵さん、またそういう妙な……、どこからきた質問なんです?」
森山さんは腕を組みながら首をひねる。
「ハムスターの写真に『かわいいネズミですね』ってコメしたら「ハムスターはネズミじゃない」って嫌われました」
「あーー。どうして『ネズミ』って書いちゃった?」
「『ハムスター』って打つのがメンドクサイから」
森山さんは手を叩いて笑い出した。
「ネットで良かった。それ、相手が知ったらもっと怒るよ、きっと」
「そこがネットの良いところなのですよ~」
「ハムスターかぁ……。ごめん、実験動物とどう違うのか分からない」
森山さんは口に手をあて「イヒヒ」としながらいった。
「ですよねー。実験動物にしか見えないですよねー」
私は嬉々として同意する。
「そそ。マウスやラットの仲間としか……。こんなこといったらハムスター飼ってる人に怒られちゃう」
森山さんは「ムフフ」と笑って続ける。
「ハムスターは知らないけど、あいつら、共食いするんだよね。『げーー』って言ったら先輩が『慣れるから大丈夫』って言ってたけど、慣れたくなかった」
「それで?」
私はすかさず間の手を入れる。
「慣れちゃった。これだからリケジョはやーねー。流行言葉を使ってみました」
森山さんはそういうとニヤリと笑った。
その後、お客さんが来るまで、実習の思い出話に花が咲きましたとさ。