表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/50

第30話 お日様大好き

 新学期が始まった。

 俺は3年生に、文都と理人は2年生になり、音春も入学式を終えて、俺と同じ学校に通い始めた。

 音春の薬のおかげで、俺は快適な毎日を送れている。

 これで、文都と普通の恋愛ができる。

 はずなんだけど。


「先輩、暑くないですか?」

「うん。お日様大好き」

「お返事がかわいい! 百点満点あげたい!」


 学校の屋上で、文都と二人きりのお昼休みを過ごす。


 日差しを気にせず、文都と過ごせるの最高!


「あの、ところで先輩……」

「何?」

「前よりも、スキンシップが過剰になっているような……」


 座っている文都の上に乗って、首に腕を回す。

 猫が甘えるように、文都の顔に頬を擦り寄せる。


 ん〜いい匂いがする。前みたいな甘ったるいのじゃなくて、ちゃんと文都の匂い。


「一回離れませんか? 誰か来たら気まずくないですか?」

「ヤダ。俺、別に見られてもいいし」

「ああ〜ヤダって言う先輩がかわいい! じゃなくて、俺もちょっと我慢するのが、あの……」


 文都の耳、赤くなってる。

 かわいい。


 かぷっ。


「!? 先輩!?」


 こうやって文都の耳を甘噛みしても、俺はもう血を吸ったりしないぞ?

 はあ……最高の気分……。


「先輩!」


 文都が俺の両手首を掴んで、俺を引き剥がす。唇が耳から離れる瞬間、艶っぽい音が鳴った。


「めっ!」

「……」


 俺はペットか。


「ここは学校です。学校で恋人を興奮させちゃいけません」


 興奮? 


「二人きりなんだからいいだろ。俺の好きにさせろ」

「はむはむするの禁止です!」


 はむはむ?


「大丈夫だって、俺もう文都の血を吸ったりしないから……」

「悪い子にはキスしますよ!?」

「……!」

「先輩、天使になった途端、大胆過ぎです。こんな所で先輩を襲うわけにはいかないのに、自制心が……」

「悪い子にはキスするの?」

「……」

「じゃあ俺、いい子やめる」

「先輩!? 希惟さんが聞いたら泣いちゃいますよ!?」


 あいつが泣いた所で、何も問題はないな。


「文都、俺キスマーク消えちゃった。文都が俺の事を好きって印、無くなっちゃった」


 文都の耳元で、甘えるような声で言う。


「文都は先輩が好きですよ。キスマークが無くても、文都は先輩が好きです」

「目を逸らすな。俺を見ろ」

「クゥッ! 俺の自制心が試されている……!!」

「文都、俺いい事思いついたんだ」

「へ? な、何ですか?」


 シャツを捲り上げて、お腹を晒す。


「服で隠れる所にすればいいと思う」

「ああああああ」

「消えたら悲しいから、毎日してもらう」

「うううううう」

「ああとか、ううとかうるさいぞ。早くしろ」

「先輩、あの、俺もう……」


 頭を打たないように、やさしく後頭部に手を添えて、文都が俺を押し倒した。

 覆い被さるようになった文都が、日差しを遮って、俺の上に影ができる。


「先輩〜!」

「亜蘭く〜ん!」


 派手にドアが開く音がして、俺のお楽しみタイムの終了を知らせた。

 屋上に足を踏み入れた理人と音春が、俺と文都を見た途端、フリーズする。


「……甲斐くん?」

「あああのこれは違、俺は自制心を極限まで、先輩が天使でキスマークが……」

「くぁwせdrftgyふじこlp」


 耳にした事のない悲鳴と共に、音春が文都にドロップキックする。


「グフッ」


 高い跳躍力と、空中で止まって見える美しいフォーム。まるで地対空ミサイル。やるな。じゃなくて。


「おい! 俺の文都に手を出すな!」

「足です!」

「屁理屈はやめろ!」

「はい!」


 文都を抱き起こして、制服の汚れを叩く。


「文都、大丈夫?」

「はい、文都は先輩が好きです」


 本当に大丈夫か?


「何でやり返してほしい? ローリングソバット? シャイニング・ウィザード?」

「文都は先輩が好きです」

「おい! お前のせいで文都が壊れただろ!」

「先輩、甲斐くんはいつも通りだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ