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第27話 俺の事、好きですか?

「すごい! ポケモンみたいですね!」

「……」


 信じたよ……信じちゃったよ。

 なぜか種族まで、吸血鬼から天使に変わってるけど。

 いいのか、お前それで。

 俺はお前の事が心配になってきた。


「じゃあ……」

「うん?」


 俺の唇に、文都の唇が触れた。


「1分じゃなくてもいいんですね?」


 顔、熱い……。


「お前……バイト中なのに……んっ」


 メガネと帽子を外されて、何度も唇を押し当てられる。


「かわいい恋人が変装してまで会いに来てくれてるのに、放っておけないです」

「んっ………んうっ」


 首にキスされるの、くすぐったい……。


「文都……何で分かったの? 俺だって」

「先輩の靴が、テーブルの下に見えて」


 凡ミス!


「じゃあ、俺が文都の指を舐めたのも……その……」


 恥ずかしさでじっとしていられなくて、顔を手で隠す。


「かわいい……俺の天使……」


 文都が俺の手首を掴んで、首筋にキスをした。


「んっ」


 うれしい……もっと……。


「あ」


 何かに気付いた文都が、ピタッと動きを止める。その顔が、みるみる赤く染まっていく。


「何? どうしたの?」


 もうしないの? いっぱいしたいのに。


 背伸びをして文都の唇に、自分の唇をすり寄せる。


「いや、あの……」

「何?」

「痕が残ってしまって……」

「え!?」


 そ、それってつまり……キスマーク!?


「な、何で……。すみません! 先輩、再生能力が優れてるので、痕が残ると思わなくて……。油断してました。肌が白いから、余計に目立つ……」


 慌てた様子で、首筋をやさしくさする文都。


「冷やした方がいいですよね。俺、氷持って……」

「やだ! 消したくない! どこ? 見えない。見たい!」

「え……」


 文都の困ったような顔が、徐々に俯いていく。


「先輩……そういう所、本当……」

「?」


 文都が、俺の手首の内側に唇を当てた。

 一瞬、強く吸われる感覚がして、肌に赤く痕が残る。


「これでいいですか?」

「……」


 文都が俺の事、好きって印みたい……。


「うれしい……」


 手首の内側を頬に当てて、キスマークに頬ずりをする。


「ずっと消えなければいいのに」


 えへへ。今日は嬉しい事ばっかり。

 音春のおかげだな。

 後でいっぱい可愛がってやらないと……。


 文都の真剣な眼差しが、俺の瞳を捉えた。

 心臓が強く鼓動を打って、胸がギュウッと締め付けられる。


「先輩……俺の事、好きですか?」

「え?」


 それを聞く事に、深い意味があるように、文都は言った。


 何で、そんな当たり前の事聞くんだ?

 そんなの、分かりきって……。


 俺と文都の、幸せな時間の終了を告げるようにスマホが兄からの着信を告げる。


「チッ。空気読めない奴……。どこかで監視してるのか?」

「希惟さんですか?」


 文都の問いかけに険しい顔で頷いて、電話に出る。


「はい。どうしました?」

「亜蘭? 今日は予定より早く仕事が片付いたんだ。今から迎えに行くから、食事に行こう」


 俺の兄、日ノ岡希惟ひのおかけいは、 ホテルやレストランを経営する会社の代表取締役社長で、多忙の毎日を送っている。

 なのに、こうしてわずかな暇を見つけては、俺に構ってくる。


「いや、俺は今……」

「希惟さん? 俺です、文都です! 今、先輩が俺のバイト先に来てるんですが、迎えに来れますか?」


 え!?


 俺の通話を奪って、文都が兄と話を付ける。


「おい! 文都!?」

「よかった……。はい、ではよろしくお願いします」


 話ついてるし!


「な、なんで!? 俺、文都がバイト終わるまで、待ってられるし……」

「さっきの怪しい人が、先輩にまた近付いたら困るので」

「俺は……」


 俺は強いから大丈夫と言おうとして、言葉を飲み込む。

 残念ながら、薬の効果が切れるまでは敵う自信がない。


「ぐぬぬ……」

「いい子だから、俺の言う事聞けますよね?」


 頭を撫でて、俺を宥める文都。

 帽子を被せ、メガネまで俺に付けて、帰る準備を整える。


 確かに、待ってても文都のバイトの邪魔になっちゃうし……。


「分かった……」

「ご褒美、何がいいですか?」

「え?」


 俯いた顔を、パッと上げる。

 子供みたいにご機嫌を取られてしまっても、文都なら悪い気はしない。


「先輩が欲しいもの、何でもいいので言ってください」

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