第十四話 ミド・スパイド戦(前半)
久々の投稿です。年末年始でバタバタしていたので書けなかった訳ではないです。ないったらない。
第十四話 ミド・スパイド戦(前半)
無理無理無理無理‼︎怖ってか気持ち悪いし気持ち悪過ぎて目の前がグルグル回って見えるからフラフラしてる感じで走っても中々進まないしそもそもどっちに向かってるんだっけ、どうしよう俺死ぬのかあんな化け物に食われて?冗談じゃない逃げるんだ!逃げるんだ‼︎逃げれてるよね?大丈夫だよね?皆んな戦ってるんだし振り返るの怖え!
と思いつつ走りながら振り返ると丁度蜘蛛の化け物が飛びかかってくるところだった。
反射的に剣を横凪に振ると運良く蜘蛛の腹のど真ん中に当たり切り裂いた。
黄色い体液が派手に飛び散り、強烈な青臭さを周囲にばら撒いて蜘蛛は絶命した。
手を見るとガタガタと震えている。気持ち悪い気持ち悪いふざけるな「ぅううぉええぇぇぇ‼︎」
その場でえずく。だめだ吐いてる場合じゃない死ぬぞ!顔を上げるともう手が届きそうな距離に蜘蛛の顔が。
「うぉあぁ!」必死で剣を突き出すと蜘蛛の顔面に剣先が沈む。その蜘蛛の体を乗り越えて新手の蜘蛛が来る。俺は蜘蛛に刺さった剣を強引に上へ切り上げる。剣は蜘蛛の体を切り裂くが2匹目までは抜けられず途中で刃が止まる。蜘蛛の重さに剣を持っていかれそうになり、そのまま倒れ込む。さらに3匹の蜘蛛が迫ってきた。
慌てて剣を引き抜くが起き上がる時間などない。必死で地面を転がり1匹を避けながら無茶苦茶に剣を振るう。運良く1匹を切るが出来た。起き上がり様に飛び掛かってきた蜘蛛を剣で止めるがそのまま倒れ、足で蜘蛛の腹を蹴り飛ばす。さらに横から襲ってきた蜘蛛の顔を切りつつ必死で立ち上がりそのまま剣を突き刺す。
背中にひどい衝撃を受けた。蜘蛛に体当たりされたのだろう。またしても地面に転がる。転がった先は4匹の蜘蛛の真ん中だった。2匹が飛びかかってくる。
無意識に顔を守ろうと腕を前に出すが、来るはずの痛みは無かった。
横から飛んできた人の頭程の土の塊が2匹を弾き飛ばす。いや残りの2匹もあっという間に岩に頭を潰された。
土の塊の飛んできた方に目をやると、そこにはナタリアさんが立っていた。
『なんとか無事のようね』
「ナ、ナタリ、アさ、ん」
『どうしてここに居るのか、経緯は後で聞くわ。今は戦闘に集中しましょう。少し待って』
そう言って地面に手を当て、何事か呟く。見る見る地面が、盛り上がり、先ほどの土の塊が5個、いや10個ほどまで作られて、彼女の周囲に浮き上がる。
『そのまま伏せていて』
俺は地面に倒れたまま彼女を見上げていた。
ナタリアさんが腕を一振りすると、土の塊が放たれる。周囲の蜘蛛達をあっという間に薙ぎ倒した。周りを見渡して近くに蜘蛛がいない事を確認すると、彼女は俺のところへ屈み、剣に手を添えた。
『付与を掛けるわ。時間がないから効果時間は1マーニ(約15分)よ。付与切れは、見てすぐに判るから気を付けて。あなたの力とこの剣なら、ミド・スパイド程度は相手にならない筈よ。思い切り戦ってみて』
ナタリアさんは早口で説明する。
「あ、あの、でも…」
『でも?』
ナタリアさんは首を傾げる。
「お、俺、蜘蛛が」
『蜘蛛が?』
「蜘蛛が苦手なんだっ!!」
『…また苦手なのね…それは命と引き換えにするようなものなの?』
「…いや、そうじゃないけど…」
『どちらにしても、この状況では逃げられないわ。もう囲まれてるもの』
「え…」
言われて辺りを見渡すと、俺とナタリアさんの周囲には大量の蜘蛛が集まってきていた。
『魔法は撃つのに溜めが必要だから、その時間を稼いで欲しいの。具体的には私に攻撃してくる蜘蛛を迎え撃って』
「あの…でも…」
俺がモゴモゴと発言しようとするが、ナタリアさんは
『よろしくね』
と言って剣に手を当て呪文のようなものを呟くと、紅い刀身と魔石が光を帯びた。
『来るわよ』
有無を言わさない状態だ。俺は込み上げてくる吐き気に耐えながら立ち上がり、剣を構える。やるしかないのだ。
迫り来る蜘蛛を見ながら、俺の頭の中に昔の映像が浮かび上がる。
子供の頃、母さんの実家に行った時の事だ。
天井にやたらと大きな蜘蛛がいた。
アシダカグモという種類で、小さい虫などを食べてくれるという。
祖母が「大事にせにゃいかんよ」と教えてくれた。
感心して眺めていると、その蜘蛛が俺の顔面に落ちてきた。俺は驚いて手で払う。蜘蛛はすぐに床へ落ちたが、とても怖かったし、俺よりも蜘蛛の心配をしている様子の祖母にショックを受けた。それ以来蜘蛛は苦手なのだ。あの頃から変わっていないな…
俺はゆっくりと足を踏み出す。景色も蜘蛛も、徐々に動きが遅くなるように感じる。スローモーションで襲ってくる蜘蛛に不快感を覚えながら、俺は剣を振り出した。
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読むのが好きで、それを拗らせて書き始めました。
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