おじいちゃん初襲撃
暖炉の前にある椅子に座る2人。先程の楽しい余韻は残さず話を始める。
「イチさん、まず最初にあの村を何とかしましょう。彼らは同種である人を食べ味を覚えてしまった。このままだとまた転生民が…」
ディアーノが危惧していることも分かるそのために刀を用意してもらいディアーノの同行も約束した。
「今夜、村へ向かいましょう。2人で事足りることじゃ。」
「今夜、何の準備もしてませんが大丈夫なのでしょうか?」
ディアーノは2人対村人50数名が相手なのが心配なのだろう。さっきの手合わせでわかったが実践は1回か2回といったところだった。
「大丈夫じゃ。任せておきなさい。」
「はい…」
そして春さんが眠りに着いたことを確認する。
「春さん、行って来るからのう。春さんを泣かせたヤツらは成敗せねばな。行っています。」
「イチもう出ましょう。」
「わかったわい。」
刀と松明を持ち、大樹の家を出て森へ入る。村までの行き方はディアーノが覚えている為、後を着いていく。
「無我夢中で走っておったからこんな獣道になっていたとは思わなかったわい。木の実とかもなっているのう。」
「それほとんど毒ですよ。」
「えぇっ!??」
「ここら辺の木の実は魔物だけが食べられます。人が食べたら一溜りもありません。ですので気をつけて下さいよ。」
「わかったわい。春さんにも言って置かないとな。」
獣道を抜けるとハジ村に到着した。少し騒がしい。
「イチ、私は少し様子を見てきます。そこの茂みに隠れて待っていてください。」
「わかった。何かあったら合図をくれないか?!」
「合図ですか?」
「そうじゃ。口笛を3回吹きなさい。すぐに駆けつける。」
「分かりました。イチ、もう一度聞きますが村の壊滅でいいんですね?」
「命を軽んじる奴らは成敗じゃからな。村長はわしが殺る。」
「分かりました。」
ディアーノが駈けた瞬間村から大きな火の手が上がる。まるで修学旅行のキャンプファイヤーのような。
「イチ!」
壱も駆け出し村の広場に出ると1人の少女が木に括り付けられ火に近づけられようとしていた。
「これより転生民及び魔物を火炙りに処す。後に肉を喰らい精をつけようぞ!」
村長の掛け声に村人が歓声を上げる。
どうも気分が悪いと思い村長の首をたたっ斬るためディアーノとともに広場へ駆け出す。
村人が築き声が上がる。
「魔物と転生民が侵入を確認。」
武器を持った村人、警備をしていたのだろうかロングソードを持って囲まれる。
「イチ、早速囲まれましたね。ざっと10人といった所でしょうか。」
「ディアーノ、2秒後に上に飛びたまえ、魔物のあんたなら範囲外の3mまで飛べるはずじゃ。」
「何をするんでs…」
「1、2、飛べ!!」
イチは居合抜刀し3人並んだ首を一太刀で落とし血ぶりついでに後ろへ向きを変える。そのまま鞘へ収めず片手八相の構えを取り右から横水平で首を落とす。
残るは5人。再び血ぶりし納刀、2人の村人を目掛け1人の村人を蹴ると瞬時に間合いに入れ首を一太刀で落とす。それを見ていた村人が2人がかりで襲って来るのを正面から横水平に刀を入れる。ポトッ…ポトッ…
ディアーノは上に飛び上がり下を見下ろした。そして驚愕する。剣抜いて居なかったイチが村人9名の首を空中に上がるまでに切り落としていた。最後の人は目の前で村人の首が落ちるのを認識出来ていたのかも分からないだろう。そう思う間に首は落ちていった。
「付与魔法も加護もないし…」
トタッ…着地しイチの顔を見る。表情はあまり変わっていないが目の中に剣が宿っている気がした…
「ディアーノのこのまま殲滅するぞ。」
村人が皆、武器を手に取り広間に集結しつつあった。
ガダルが皆を鼓舞する。
「村を守り肉を得るぞ!!」
村人の活気が更にました。
「春さんを泣かせたやつは皆殺しだ」
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