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生きる理由は人それぞれ

作者: 雨織

ここまでなんねーだろとか言う人いそうだけど人生かけてたこと上手く行かなかったらこうなるんじゃないかなーと

「………」


見つめる先には想い人。

そして私ではないもう一人。

何故私は見てるんだろう。見て何かが変わるわけでもないのに。


「…………」


努力してきた。

貴方に釣り合うようにと、貴方を困らせないようにと。

勉強も、運動も、オシャレだって1から始めて。

【学校で3本の指に入る美少女】

なんて今では言われてる。

彼には釣り合わない、なんて言葉をすべて自分の力で跳ね返してきた。


だけど、彼は私を選ばなかった。と言うよりも


''視界にすら入っていなかった''


彼はずっとあの娘を見ていた。

私より勉強も運動も出来ない、可愛らしいけれど普通よりは少し、くらいの女の子。

だけど私よりも彼の事を知っている人。

彼の為に寄り添う事ができる人。


「敵う訳、ないや」


ポツリとこぼした言葉は自分で発したとは思えない程自身を傷つける。


「でも、おめでとう……」


流れる涙を拭うこともせずに私は続ける。


「ずっと幸せにね。きっと私なんかが言わなくても知ってるだろうけど。出来るだろうけど」


そのまま私は踵を返した。



「ただいま」


まぁ、今は誰も居ないけど。

だけど今はそれが嬉しい。こんなグシャグシャな顔は誰にも見せたくなかったから。


靴を脱ぎ、部屋へと戻る。

制服を脱ぐのも億劫でそのままベッドに体を投げ出す。


「はぁ……」


思い出すとまた涙が溢れてくる。


「……でも、本当にお似合いだもんね。仕方ないよ」


そう言って身体を起こし、側の抱き枕を思い切り抱き締める。


「今だけ。今だけは泣いて明日からは頑張ろう……」


強く抱き枕を抱き締めながら、目を閉じてもう一度体をベッドに投げ出す。


そしてそのまま目を閉じ、意識を手放した。




「……きて」


「……ん」


「起きて!」


「!!」


ガバっと身体を起こし、慌てて返事をする。


「な、何?」


「制服のままで寝ない!あと夕飯の時間!」


「え、ああ、ごめん……」


「……とりあえず顔洗って。歯も磨いて来なさい。待ってるから」


何故か私の顔を見た母は少しだけ何か考えるようなふりをしてそう続けた。


(……?)


何か腑に落ちないけれどとりあえず言われた通り顔を洗いに行く。


洗面台に立って鏡を見た私は思わずあぁ、と呟いて母の仕草の意味を悟った。


「こんなに真っ赤な目でグシャグシャになった化粧を見たらそれはあんな顔になるよね……」



とにかく顔を洗い、歯を磨き、リビングへ向かう。


夕食の時は何かあったのか、と聞いてくる母に何でもないよ、と返し、振られたの?とデリカシーのない質問をしてくる弟の頭を叩き、辛い事があるならいつでも話しなさい、という父にありがとうと言って。


お風呂に入り、ベッドに入って。

明日になって。


何もわからなくなった。


「あ……れ……?」


着替えってどこにあったっけ?


化粧ってどうやってやるんだっけ?


そもそも朝起きた後って何をするんだっけ?


どうやって生きてたんだっけ?


わからない。


彼に出会う前どうやって生きていたのかわからない。


「嫌……」


わからない。何もわからない。わからない。わからない。


誰か。


「助けて」



ちょっと練り不足なので書き直すかもです

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