序章
この物語は板橋区立向原中学校様とは何の関係もありません。
「あぁ~頭痛いしおまけに気持ち悪い…」
謎の偏頭痛に悩まされている昼下がり、2-1教室にてなぜかこちらを見てくる女にも悩まされるという、正にいろんな意味での頭が痛い状況に耐えながら小野田野洲は昼休みを過ごしていた。
この俺、小野田野洲は小竹向原中学校2-1所属の生徒だ。
今は5月。GWも終わって五月病患者も増える(と思っている。少なくとも俺のクラスでは増えた。)時期だが、前日普通に寝たにも関わらず、こうやって今偏頭痛に悩まされている。
この偏頭痛はいったいどこから来るのだろう。頭が痛いながらもそんな気難しいことを考えていた。
ちなみにこのさっきから見てくる奴は、三宮由宇。同じ2-1だが、去年度の3月からよく見てくるようになった。何でかは知らない。なぜかって?知らないよ!
この今俺を見ている三宮が数か月後、俺にとって個人的に思わぬ事態を引き起こすとは、この時、誰も知る由もなかった。
数か月後…三宮に「中学校の校舎の裏で待つように」と呼び出された俺は中学校の校舎の裏にいた。
季節は夏。もうかれこれ10分も待っているのに来ない。熱いことこの上なし。殺す気か!
そう思いながらさらに3分くらい待っていると、あいつが来た。やっとかよ。
「で、何?」
「わ、私と付き合ってください!」
「?」
頭の中は一瞬でクエスチョンマークの海と化した。
そして理解した。
俺、もしかして、いやもしかしなくても、
告られたの?