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グルノールの転生少女 ~ないない尽くしの異世界転生~  作者: ありの みえ
最終章 黎明に響く聖鐘

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エピローグ

本日2話更新です。

こちらは2話目になります。

 ……あ。


 クリスティーナとの間に生まれた次男を抱き上げると、不意にクリスティーナが八歳だった頃の姿が思いだされた。

 なぜ今になって、とは思ったが、答えにはすぐに思い当たる。

 俺は『テオ』として十七歳まで時を戻した時に、三十歳まで生きた記憶を失くした。

 それと逆のことが起こったのだろう。

 クリスティーナと出会った時の年齢になったため、当時の『ティナ』のことを思いだしたのだ。


 ……誰の仕込みだ?


 つくづく、上手く仕込んでくれたと思う。

 八歳のクリスティーナの姿を思いだすと、すべてではないが当時の記憶や考えが思いだせた。

 ここから察せられることは、そのまま大人になっても、俺はクリスティーナを嫁にはできなかっただろう、ということだ。

 ティナはレオナルドの妹である、と名付け親であるサロモンから託されている。

 『レオナルド』のままでは、クリスティーナは妹としか思えなかっただろう。


 ……まあ、今さら妹とは思えないけどな。


 『レオナルド』としては『ティナ』を妹としか思えなかったが、今の俺は『テオ』であったし、クリスティーナは『クリスティーナ』だ。

 『クリスティーナ』はテオの妹ではないので、今さら『ティナ』と兄妹として過ごした記憶が戻ろうとも、俺たちに変化はない。

 俺は『テオ』で、クリスティーナは『俺のお嫁さん』だ。

 二人の間に二人も子どもが生まれているというのに、今さら兄も妹もないだろう。


「とーさん、今日はごちそうだよ」


 次男をあやしていると、長男が扉を開けて子ども部屋へと入ってくる。

 黒髪は俺とクリスティーナと同じ色だが、青い目をしているため顔つきは心なしかクリスティーナの方に似ている気がした。

 ベルトランが付けた本名は少し長いのだが、クリスティーナは彼を『タロー』と呼んでいる。

 日本式の名付けで、太郎、二郎、三郎と生まれた子の順番が判るらしい。

 つまり、クリスティーナはまだまだ家族を増やしてくれるつもりのようだ。


「とうさんはお野菜たっぷりゴロゴロスープを作る役だって!」


「そうか。クリスティーナは……またプリンか?」


「かあさんはプリン作ってる。あと玉子サンドと、たつたあげと……」


「……ご馳走のメニューを選んだのはタローか?」


「そだよ。玉子サンドだいすき」


 一年前に嫁いだミルシェが、今日は赤ん坊を連れて遊びに来ることになっていた。

 そのご馳走として、クリスティーナは台所で張り切っているらしい。

 メニューを聞く限りは、サリーサは乾燥葡萄ヌゼール入りのチーズケーキを作っているのだろう。

 チーズケーキはまだまだ他人ひと様に出せるものではない、とクリスティーナは自分では作らない。


「プリンと、玉子サンドと、たつたあげと、シチューと、とうさんのお野菜たっぷりゴロゴロスープと、ヌゼール入りのチーズケーキがあったらぼくは幸せ」


 ご馳走だよ、と無邪気にタローが笑う。

 普段は澄ました、おとなしい子どもなのだが、ことご馳走メニューについてはうるさい。

 うるさいといっても、毎回同じ物を指定してくるだけだ。

 タローが言うわがままらしい唯一のわがままなので、俺もクリスティーナも毎回受け入れている。

 どれもクリスティーナの好物でもあるので、反対する必要もない。


「タローは果物を採ってくる係か?」


「そうだよ。かごを持って、庭に出るだけ」


 そうしたら土の精霊が籠へと果物を入れてくれる、といってタローは笑う。

 生まれつき精霊に好かれる性質をしているらしいタローは、家の外に出れば精霊に群がられる。

 そのタローが果物を求めて籠を掲げれば、精霊は進んで果物を運んでくることだろう。

 少し精霊に好かれすぎるところが心配だが、時折顔を見せてくれるレミヒオがタローに精霊との付き合い方を教えてくれているようなので、それほど心配はしていない。


 なんとなく自立が早そうだとは思うが、それぐらいだ。

誤字脱字はまた後日。

グルノールの転生少女、これにて完結です。


そのうち活動報告にでもあとがき的なものを書くかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読むのを止めるのがとても難しくて一気に完結まで読んでしまいました すてきな物語をありがとうございました
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