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転生者シリーズ

前世俺の私な転生者

作者: 猶路 豊

どうしてもしっくりこなかったので、5/7に大幅に改稿しました。


転生者の母親が語る


 5歳をさかいに私の娘は変わったの。前世で16年生きてても幼い娘には辛いことだったのね。前世の彼消えちゃったのかしら?私の娘はどこにお嫁に出しても大丈夫な程の淑女になりましてよ。



転生者の父親が語る


 5歳から俺を見る娘の目は冷たい。外と妻の居る前では『お父様』と呼んでくれるが、それ以外は『親父』としてしか呼んでくれない。何度お願いしてもだ・・・。今年は大学に入るから離れるというのに、変なのに捕まらないか心配だ。娘は妻に似て美人なんだ!!!しかも、あの王子が目を付けているとか・・・いまのうちに殺るか(あぶない目でぶつぶついっている)



転生者ヴィクトリアは語る


 私は5歳の時に事実を知って、自らの存在意義を見失った。なぜ前世を覚えたままで生まれたのか、何をなすべきなのか・・・父はどう乗り越えたのかは知らないが、私は思った。


『自分の理想の女性になろう』


 自分を磨きあげ、立ち振る舞いから淑女のマナー、はては料理まで完璧に出来るよう努力した。今思うと斜め上に走った気がする。

 おかげで家に縁談の申し込みがひっきりなしに来るらしい。父がにぎりつぶしているから直接は知らないが、侍女が教えてくれた。


 前世の記憶と今の私、どちらも大事な私の一部だけど、こと恋愛に関しては臆病になりすぎて初恋もまだだったりする。

 父の友人にも相談したが、彼女は悩みに悩んで、今は愛する人と出会えてよかったと思えると言っていた。特に子供を産んだ事は前世で経験出来得なかった事なので恐ろしかったが、女性は痛みや恐ろしさよりも子供に出会える嬉しさの方が勝つんだって解ったよと、3人目の子供を腕に抱いて愛おしそうにしていた。

 たった一人の人に会えたら私もそう思えるのだろうか。今はまだ、記憶の僕と今の私の間で揺れている。

 

 そんな今なのに、近頃は同級生の王子が色目を使ってくるのがうっとおしい。大学に入れば学部も違うし今ほど会う事はないだろう。まだ私は男性と恋愛できるほど思い切れてない。



転生者クラブにて


 大学の敷地に建てられている館、一軒丸々が転生者クラブのクラブハウスである。転生者クラブは一種の社交場になっている、ここで転生者達は人脈を広げ卒業後の糧にするのだ。

 転生者であるヴィクトリアは館に足を踏み入れた。今日は新入生が転生クラブに入会する日である。そこで、彼女は運命のいたずらに出会うのだ。


 「王子なんでここに。こんな所までいらっしゃるなんて・・・」


 ヴィクトリアは、あからさまに憂鬱な顔をする。あからさまに態度に出せるのは、見かけや制度が中世でも、この国が恋愛は自由で政略結婚が存在しないからである。王子でも意中の相手を落とす為には権力ではなく愛情を持ってなのである。


 「君が欲しいのは本当だけど、今回は私が転生者だから以外にはないだろうね。結構有名な話なんだけど、ヴィクトリアは本当に私に興味がないんだね。私の前世は○○○だよ。」


 王子の告げた名前は、ヴィクトリアが前世で大好きで、何度も彼の伝記や彼を主人公にした小説を読みあさった記憶のある武将の名前だった。


(王子の前世が、自分の好きだった武将だったなんて・・・)


 現金なことだが、ヴィクトリアの心が高鳴っている。それほどまでに会えるならば会ってみたい人でもあった。なぜ彼女が知らなかったかというと、父親が彼女の耳に入らない様に屋敷の者や彼女の友人に箝口令をひいたり強引に頼んだりしたからである。


 そして、ヴィクトリアが王子の思いに絆されるかどうかは、ほんの先の未来だけが知っている。母が喜び、父が泣くかどうかは別のお話。


○○○は好きな名前をどうぞ。私は、結論が分かる方が好きなんですが、この話はぼかす方がいい気がして。みなさまの妄想におまかせしようかと思います。読んでいただきありがとうございました。


5/4 点の位置がおかしかったので修正

5/7 文章を大幅に改稿

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