格の違い
なんか微妙になりました
学園には巨大な闘技場がいくつか有る。その家の一つ、第2闘技場。
「早くやろうぜ。平民。うっかり事故で死んでも知らねーよ。」
「良い度胸だ。だかな、まず俺と戦うには、アイリスとアイギスを倒してみてからだ。」
「女如きに負けるかよ。かかって来な。」
まずはアイギス
「初め」
グリーフの合図で試合が始まる。
開始の合図と同時にアイギスが飛び出した。右手で15センチ程のナイフをどこからともなく取り出し、同時に左手は掌底がジェンスの額に繰り出される、突然の出来事にまだ立ったままだったジェンスは頭を仰け反らせる。更に追い討ちを掛けるように足を刈られ、倒れた所に膝で腕を押さえられ、喉元にナイフが突きつけられる。「そこまで」
あっけなく終わった試合に呆然とするジェンスに取り巻きの中、下級貴族は青ざめている。
「お、お前…俺に手を上げるなんて許されないぞ!父上にいえばお前なんて死刑だ!」
「知ってるかガキ、上級貴族は王族に逆らえないんだぜ」
「は?王族?バカなこと言ってんじゃねぇ!」
「知らんのか?こいつ等半分王族だぞ。半分は給仕奴隷だけど」
「なんだと…」
「お前、放課後補習な。」死刑宣告のような重々しい口調でそう言い渡すと、ようやく授業を開始した。
「今日より諸君には、真一刀流の基礎の基礎を修得してもらう。」
「まずは基礎の基礎のさらに基本を見て貰う。皆はこの半分を修得してもらう。よく見ておけ。アイギス、アイリス頼む。」
「…了解」
「うん!」
真一刀流の基礎の基礎は武器一つで戦うもの。しかも真一刀流ならば当たり前の技術だ。
アイギスはナイフを2つ、アイリスは細い刀を構える。
「始め」
試合の合図があった。しかし2人は動かない。静かに睨み合いながらじわじわと相手を威圧する。
それから二分程していきなり2人が動いた。
一瞬霞むような動きの後、アイギスは刃が外を向いた鋏のようにナイフを交差させアイリスが横凪に振るった刀を受け止めた。
しかしアイリスは刀の後ろから蹴りを放ち、左足を軸にT字のような体制で追撃を放つ。二度目にきた衝撃にバランスを崩したアイギスに更にもう一度低く刈り取るような回し蹴りを出し転倒させる。
刈ってきた足に自らの 足が掬い上げられ、バランスを崩すと、ナイフを持った拳のままバック転のように体制を立て直し、腕を交差させながら左右から首を掻き切ろうとナイフを繰り出す。
空間すら切り裂くような鋭利な双撃に素早く半身になるアイリス。左足を真後ろに引き完全に横向になると、一瞬全身縮めたあと鋭いと言うには鋭すぎ衝撃すら起きそうな突きを繰り出す。
「止め!!」
グリーフの制止と同時に時が止まるようにピタリと止まる2人。
アイギスの喉元には刀の切っ先、アイリスの目のすぐ前には日本指に挟まれたナイフ。
引き分けである。