出会い
温かい目でご覧ください。
つたない文章ですが。お恥ずかしながら、連載します。
俺は見てしまった。まだ幼い2人の少女が売り出されてるのを。それを買い取ったメタボな貴族を。
それが昔の自分と重なり合って、俺は居てもたっても居られなくなった。
「すみません。その2人を買い取りたいんですが…」
「……寄るな、穢らわしい。薄汚い冒険者如きが…、欲しければ相場の二倍。金貨1200枚で売ってやるよ…フヒヒ!」
因みに、金貨10~20枚がこの街の平均月収である。そんな大金は貴族位しか持ってないのである。
しかし
「分かりました。ではここに丁度金貨1200枚が有ります。」 「…は?」
「では約束道理この2人は私が引き取りますね。」
「…あ……あぁ…」 開いた口が塞がらない野次馬と貴族を華麗に無視して俺は2人に言った。
「初めまして。俺はグリーフ、君達の名前を教えてくれるかい?」俺は精一杯の笑顔を作って、聞いた。
「……ひぅ…ぅう…、ぐす」
大人しそうな方の女の子がもう1人の女の子の後ろに隠れてしまった。ちょっぴり傷ついた。しくしく。
「グリーフ(嘆き)?」
「そう。グリーフだ。恐がらせたなら謝るよ。ごめんね。」 「…別に、大丈夫。…私はアイギス。この子はアイリス。双子だけどどっちが上かは判らない。」
「うん、アイリスとアイギスだね。宜しく。とりあえず2人とも服を買おう。」 「…そんな、御主人様に買ってもらう訳には。」
慌てて断ろうとするアイギスとコクコクと頷くアイリス。
「良いから良いから。」
「でも…」
「話は宿でね。今は服を買う。」半分説得に無理を感じた2人は今度は素直に付いて来た。
――――★――――
服を買い宿に戻ってから2人に話し掛けてみた。
「質問は有るか?」 「お願いがあります!」
「言ってみなさい」 「私なら掃除、洗濯、料理。夜の御奉仕も好きなように使われても構いません。どうか、どうか、アイリスだけは見逃してくれませんか?お願いします!!」
「やだ」
「っ!!」
「と言ってもそんな扱いもしないから安心して。掃除、洗濯位ならお願いするけど、料理は趣味だから自分でやるし、肉体関係もそっちからしてこないかぎりは要求しない。衣食住は保証する。安心しなさい。と言っても俺は一介の冒険者にすぎない。定住はしないつもりだからその覚悟はしてね?」 「分かりました。これから宜しくお願いします。」
「…お願い……し、しま…します。」
「あー、なんだ、その、あのな…、俺のことはリーフと呼んでくれな。それで、敬語は無しだ。一緒に旅をする以上仲間として接してもらう。良いか?」
「…う、うん。分かった。」
「…はい。」
「宜しい。」
「あの…リーフさんって本名なんていうの?私、何か引っかかってて…」
「…わ、私もなのです」
ありがとう御座いました。