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僕らが生きる時代、生きる同級生たち

作者: やっち

 将来に迷う男1人。

 大学3年の夏、僕はこれからの人生について悩んでいた。学生生活も残り1年と半年となったものの、特に将来やりたいということがない。どういうことをしたいのかもわからない。そういう状況を打開しなければいけないと思っているが、なかなか思うように行動できない。

 そんななか、たまたま学校の課題を市立図書館でしていた時に「同級生」という本を見つける。なかなか本は読まない人間だったが、なぜか読んでみたいと思った。読んでみると、主人公が同じ年齢の同級生に会いに行き、どう生きているのか、なにを考えているのか、といったことを、見聞きして自分を見つめ直したという内容だった。

 僕はこれだ、と思った。・・・とまではいかなかったが、なんか自分が主人公と重なるように感じた。というのも、僕は「同級生」というものに非常に敏感だ。たぶん多くの人も同じだと思う。テレビで華やかに映っている同級生もいれば、フリーターや引きこもり、サラリーマン、OL、ホストという同級生もいる。時に劣等感を感じ、優越感も感じる。同級生だから応援したくもなれば、なにやってんだって思うこともある。やっぱ同級生は特別だ。なんか親近感を勝手に湧き立てている。

 そこで僕は、友人の信太にこのことを話し、一緒に同じようなことやらないかと相談したが、信太は行かないと言った。友人が多い方ではなかったし、信太と同じくらい仲のいい友人もいない僕は、他に誘える友人がいなかった。

 そのから2日後の夜、北海道にいる高校時代の友達から連絡があった。大学に入って「絶対遊び行く」と言っていたにも関わらず、北海道まで遊びに行ったことがない。最後のチャンスだぞっと言われた。

 もうすぐ夏休み。予定はない。そして、グッドタイミング。

 僕は決めた。九州を出発し北海道に着くまでに、いろんな同級生に会ってみようと。そしたらなんかわかるかもしれない。核心的ななにかを見つけたいということではない。そのなにかは、会えばわかるんじゃないかと思っていた。

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