1.命運
ドォン! ドォン!
その日、世界各地に巨大な杭が打ち込まれ
日常は変貌する。
世界に放たれた巨大杭は研究の結果、宇宙人の住居である可能性が高いという結論に至った。
巨大杭への侵入を試みると意外とあっさり侵入することに成功した。
これを好機と友好的にコミュニケーションを図ろうとするが高度文明であるはずの宇宙人と友好的に接することが出来なかったのだ。
あまつさえ、使節団が攻撃を受けたと報告受けた。
報告によるとそれらは動物や妖怪のような外見で意思疎通が出来ずに攻撃を受けてしまった。ということだった。
伝えられた見た目や挙動からモンスターと総称されたそれは人々に恐れられることなる。
モンスターを内包する巨大杭はダンジョンと命名され、軍隊が重火器を用いてこれを制圧しようと試みた。
残念ながら重火器の効力が薄く撤退することになった軍に更なる悲報が襲う。
ダンジョンからモンスターが溢れ出たと知らせを受けたのだ。
幸いとは言えないが、他国で起こった現象に早急な対策を迫られる政府の元にひとりの青年が尋ねて来る。
「私なら宇宙人を滅ぼすことが出来るかも知れません。」
通常なら追い返すか逮捕されたであろう青年であったが、対策を迫られている状況と何よりも携えた奇っ怪な武器に興味を持たれたのだろう。
政府は軍隊指導のもとという条件で内密に青年をダンジョンに侵入させることにした。
ギギッ
奥に見える小人のような緑色の生き物はヨーロッパの伝承に合わせてるとゴブリンのようだった。
人のような形をしているが、言語は通じず手に持った棍棒で威嚇攻撃をしてくると説明を受けた。
このゴブリンを含めて、巨大杭の中に生息する生物はピストルを射っても殺害することは難しいそうだ。
援護は最初から期待していないー。
青年はまるで騎士のように顔の前に剣を掲げる。
視線が青年に集まる。
掲げられた剣がまるで、発火したかのように炎上する。
説明を受けているだろう軍人は固唾を飲んで状況を見守っていた。
「はぁ! 」
掛け声と共に振り抜いた剣から炎が放たれる。
ボフゥ!
炎が通過した床には揺らぐ炎が残っていた。
パチパチ
黒く変容したモンスター。
パラパラッと粉のように崩れる肉体を見守るとまるで最初からそこには何もなかったかのように消滅した。
「対象の消滅を確認、繰り返すー」
指令部は歓喜した。
モンスターに対抗する希望が見え始めたのだ。
青年の戦闘データを持ち帰り研究した結果、宇宙人は微弱なバリアに包まれているだろうことが分かった。
そして現状、それを貫くことが出来る特殊武器は青年の所持する武器のみと考えられた。
現代科学では再現出来ないオーパーツのようなそれは当然、入手方法を問いただす必要がある。
研究員はまくし立て問いただすが、青年は隠さず答え、その場の一同は思わず驚愕の表情を浮かべた。
他に該当する武器がないか徹底的に調べ尽くされたが、全て【うりきれ】であり、頭を抱えるのだった。
パシャ、パシャ!
記者会見場でフラッシュが光る。
本来はダンジョンについての発表をする場であったが、記者会見場では政府の役員ではなく、ひとりの青年に注目が集まっていた。
会見が始まる。
冒頭の挨拶の後、モンスター討伐の報告があがった。
ワァと沸き上がる記者団。
興奮もさることながら、特殊武器が必要なこと、現在政府が所持しているそれは元々青年の持ち物だと発表された。
一通りの説明が終わり、質疑応答の時間となる。
すると待ちきれないのか、記者が一斉に喋り出した。
「その剣はどうしたのですか? 」
「譲って頂けないでしょうか。」
「どうすれば手に入りますか? 」
静まりください! と注意喚起が入り、青年が口を開いた。
「Awazonで購入しました。」
静寂が空気を支配する。
「は? 」
何処からともなくあっけにとられる声がした。
その日、世界は震撼しAwazonの鯖は落ちた。




