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恋は盲目 REMAKE  作者: 夕凛
六塚 碧 編
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プロローグ 〜六塚碧〜

 俺は、恋が出来ない。正確には、してはいけないんだ。小4の時に思い知らされた。それはもう、どうしようもないことだった。


 小4の夏、俺は初めて、女の子を好きになった。胸がドキドキする。早く会いたいなぁ。明日告白しようかなぁ。そんな思いをつのらせて、翌日学校に行った。俺は、学校に着くなり、すぐにその子に告白した。

 そして、恥ずかしさからその場を走り去った。しかし、その後教室でその子と目を合わせた瞬間.........その子は灰となってその場から消えていった。いや、その場というより、この世から消えていった。死んでしまったのだ。

 俺は好きな子が消えた悲しみで、目の前で人が灰となった恐怖で、その場から動けなかった。何が起こったのか分からない。何だ?何でいきなり人が灰に、塵になって消えたんだ?俺の理解が追いつかなかった。


 俺はその後、自分の目の前で起きた事を正直に先生達に話した。しかし、当然信じてもらえる訳もなく、相手の親にも、自分の親にも、とんでもなく怒られた。俺は、何も悪くないのに。


 その後、俺が恋をしたのは、中一の時だった。小4の時のことが脳裏をよぎってはいたが、どうしても自分のせいだったとは思いたくなくて、頭の中からその仮説を取り除いていた。

 しかし、結果は同じだった。告白した後、相手に少し考えさせてと言われて、その場を去り、次にその子を目にした途端、その子は灰となり、塵となり消えていく……

 この時、俺は思い知らされた。俺に恋は出来ない。女の子を好きになってはいけないんだと。普通の人は何度見たところでなんてことない。自分が、好きだと思っている人だけだ。



 両親は流石に異変に気付いたようで、俺に事情を話させた。そして、両親だけと一人の親友だけが、俺の救いとなった。他の友達も、先生も、誰も信じてくれなくて、人殺しとか悪霊だとか言われ続けた俺は、僅かながら、救われた。



 しかし俺は、高二の時、またしても恋に落ちてしまった。目から涙が溢れて、止まらなかった。可愛いと思ってしまった。好きだと思ってしまった。こんな人生、生きていて楽しいのか?いっそ死んだ方が楽なんじゃないだろうか。そんな気さえした。



 でも、救われたんだ。彼女に出会ってから─────────。


 その子は高校のクラスメートで、俺の一生の想い人。彼女はと過ごした時間は、俺の一生の宝となった。




 これは、そんな俺の、最後の恋の物語。



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