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仮題『かさぶたは次なる怪我の下準備』  作者: 中之島 零築
4章:人間関係は複雑怪奇
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32話:「朝礼と正式発表」

中間試験二日目、そろそろ点数にも格差が見え始める頃合いだ。赤点回避組にとっては今日が正念場。一時間目にそびえ立つ数Ⅱは、多くの人を奈落の底へ突き落とすべく準備運動を行っている。誰もが朝から補修を恐れて勉強していた。猿とてそれは変わらない。


そこに二年二組の担任を受け持っている若手教師の宇都宮が神妙な面持ちでやってきた。彼は教壇に荷物を置くと、真剣な声でこちらに注目するよう促す。


「テスト期間中ですが、大切な話があります」


 朝礼にはまだ少し早い時間。皆は問題集をめくる手を緩めることなく、教師の戯言など聞き流す構えを見せていた。しかし、その状況は直ぐに一変する。


「みなさんのクラスメイトである小金井さんが、本日退学届けを提出致しました」


 途端ざわつく教室。昨日までの経緯から、これは誰もが最悪の事態として想定していたことではあるだろう。それが実体験となるとこうも現実味はなかった。


「先生、理由は何ですか~」


 もはや、サイコパスかと疑いたくなるほど空気の読めない猿が笑いながら質問をする。


「ご家庭の事情です」


「〇交でもしていたんじゃないですか~」


 みんなもそう思うだろうと、猿は周囲に同調を求める。配下の奴らがそれに答えて盛り上がっていたら、宇都宮に名指しで忠告された。


「隠さなくてもいいじゃないですか~、みんなも知りたいでしょう?」


持ち上げられてすっかり調子に乗った猿は、無視して再び周囲の意見を拾おうとする。しかし先程注意されていた手前、猿に絡む奴はいなかった。


「唐突なことなので皆さんも動揺を隠しきれないと思います。先生もそれは同じです。けれども、今は目の前に迫った中間テストに集中して下さい」


 宇都宮は猿の方を向くこともなく、簡単な忠告だけしてさっさと教室を去る。残されたクラスメイトたちは、二人を除いてそれぞれテスト勉強に戻っていた。


遅くなって申し訳ございません。ギリギリセーフ! まだ今日です……


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