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仮題『かさぶたは次なる怪我の下準備』  作者: 中之島 零築
4章:人間関係は複雑怪奇
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23話:「新国定グループ」

結局、蒲須坂と吉水以外のメンバーも何かと理由を付けて離れていったことで、前国定グループは完全崩壊に至った。その後釜に小金井を中心とした姦し組や猿など表立って嫌われてはいないが、裏では評判の悪い面子が加入したことで、状況は一変。カースト頂点の人員変更は昼休みまでの僅か数時間でクラス全体の雰囲気にまで影響を及ぼした。


立場が人格を変化させるのか、元来の本質がそれなのか定かではないが、新たに結成された新国定グループメンバーは、お飾りのリーダーと化した国定の忠告や制止も一切聞かず、『走れメロス』に登場する邪知暴虐な王も驚くほど悪辣な立ち回りを見せつけて確実に周囲からのヘイトを溜め込んでいる。


「おい、アホ。昨日のあれはどういうことなんだ!」


 とはいえ、明日になればゴールデンウィークがやってくる。クラスメイトは大型連休前のちょっとした嵐だと思って、被害を最小限に抑えようと各自工夫を凝らしていた。


「なあなあ」


 具体的には一部人間の徹底無視。新国定グループが結成されて数時間。この短い間に敵認定されている俺や前国定グループメンバーと話しているだけでいちゃもんを付けられた同級生が現れ始めた。その影響で今朝登校してから数時間しか経っていないにも関わらず、俺たちは孤立状態に追い込まれた。単純な話だ。皆厄介ごとに巻き込まれたくないのだろう。元々内向的な俺には効果のない作戦だったが、蒲須坂や吉水には相当な負荷が掛かっているように見えた。


「聞いてんのか? おい」


 現に今も真横では猿が喚き散らしていることから分かる通り、彼らの目的は気に食わない存在の排斥であった。新グループによる王政を確かなものにしたいのだろう。そのために反乱分子を取り除こうと必死だ。


「ああ、聞こえてるよ。耳障りな音が」


 なるべく大事にならないようにと無視を貫いてきたが、それすら面倒に感じた俺はとうとう言い返す。目には目を、歯には歯を、悪口には悪口をだ。


「調子乗ってんじゃねぇ」


 いきなり蹴りが飛んできて、教室で俺の座っている椅子が僅かに動いた。しかし、体重以上の脚力はなかったためにそれだけで済んだ。


「いい加減にしろ!」


 会話に割り込んできたのは国定であった。すっかりお飾り将軍となった彼は揉めごとを仲裁しようと積極的に行動する。


「俺に言ってんのかよ、国定~」


 しかし、以前にも増して近い距離感の返しをする猿。完全に舐められていた。


「そもそも、お前はムカつかないのか? 昔のお友達がこんな陰キャに奪われたんだぜ」


 猿は下卑た声で笑いながら話す。今の彼にとって国定は同列の存在でしかなかった。


「彼女たちがそうしたいのならばそれでいいんじゃないかな」


 怒りをこらえているのか、国定は眉間にしわを作りながら小声で呟く。その様はさながら噴火一分前の活火山。


「またまた~、本音を言っていいんだよ。国定くーん」


 しょうもない猿の煽りで、遂にその不満が爆発した。国定は猿の胸倉を掴むと、思いっきり投げ飛ばして馬乗りになった。


「いい加減にしろよ」


 理科室での一件以来となる激昂。こうなるのも時間の問題であると思っていたが、それは俺の予想以上に早かった。




閲覧、ブクマ、いいね等毎度ありがとうございます。

やっと4章です!! まだまだ続きますよ~(プロット上では)

この章の中心メンバーは新国定グループ。彼らの暴走と因果応報が主題となっております。

ここで一旦彼らとのやり取りに蹴りを付けます。ここからが本番です!!


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