20話:「役者が揃って会議は再開される」
蒲須坂が戻ってきて改めて本題に立ち返る。色々話していたせいで忘れがちだったが、元々は今後の対策が主目的だ。
「で、さくらはどうするの?」
吉水がまた同じようなやり取りを始める。だが今回は少し中身が変わっていた。
「とりあえず明日からは普通に行くよ」
「……そう」
彼女好みの簡潔なレスポンス。ここから話はどんどん進んでいった。
「となると、直近の問題は国定君ね」
「彼よりも小金井さんが鬱陶しい」
「さくらはそう思う?」
「うん」
ふたりのハイテンポな会話に俺が口を挟む必要はない。だが、そうは問屋が卸さなかった。彼女たちはアイデアに煮詰まってきたのか、とうとう俺にも何かないか求めてくる。肝心の話は小金井をどうするかで止まっていた。
「無視でいいんじゃないか」
「は?」
せっかくの案も吉水の一言でかき消される。蒲須坂もあの日の放課後を想起させる、こちらを見下すような目をしていた。
「大平下君は何も分かっていないようね。君だけが色々と考えている訳ではないと前にも話したんだけど、もう忘れたのかしら」
生徒会室で話されたことなんて当然覚えている。けれども、俺はどうしてそこに繋がるのか理解できなかった。キョロキョロと周囲見回すと、蒲須坂が呆れ顔をしながらも強引に割り込んで的確な説明をしてくれる。
「単純なこと。立ち位置が違うだけ」
ここでようやく理解が追い付く。要するに、今の方法では彼女たちの立ち位置が抜けているらしい。
「確かに、俺はともかくお前らが無視をしても上手くいかないな」
蒲須坂は何も言わなかった。吉水は分かればよろしいというしたり顔をしている。
「結局ふりだしに戻っちゃったね」
意見がなくなって無音の時間が続いた後、蒲須坂がポツリと呟く。しかし、そうは言っても革新的な答えなんて早々降りてこない。気づけば時計は午後五時を示していた。
「とりあえず、カーテン閉めないか」
俺は立ち上がって動き出す。ふたりも慌てて立ち上がった。
閉ざされた部屋に一筋の光が照らされる。人工の灯りも決して悪いものではなかった。
祝:20話!! ここまで閲覧、いいね、ブクマ等ありがとうございました。
なんとか1月中に辿り着けて良かったです。
さあ、ここからどうしようか……。結末は決めていますが中を全然考えていなかったので、
何も思いついておりません(苦笑)




