-第82話-おうち
安芸さんと2人きりで行った勉強会の翌日、今日は安芸さんや姫芽さんがうちに来るということで先に家に帰っていた部屋の片付けをしていた。
別に見られてやましいものがあるわけではないが、よく見られたいわけではないにしても女の子が来るわけなのだから部屋を綺麗にしておくのは礼儀かなと思い散らかったものを次々とクローゼットに放り投げていた。
こんなめんどうなことになるなら最初からうちでやるなんて言い出さなきゃ良かったな......。
「ピンポーン」
片付けがちょうど終わったくらいのタイミングでインターホンが鳴った。
恐らく安芸さんたちが到着したのだろう。
「今行きますよっと」
俺は階段を急いで下り、覗き穴から外を覗いて、目の前に学校で一番可愛いと評価できる顔があったことを確認すると、鍵を開けた。
「山口くん、私たちまた待たせちゃってた?」
もうこれが毎日の決まり文句になっているように感じる。
「いや、全然そんなことないぞ。さすがに片付けとかしたかったしな」
「あれ、もしかして山口くん、えっちなの隠した?」
俺の言葉に姫芽さんが過剰に反応してくる。
「そんなわけないだろ、ほら入ってよ」
「お邪魔します」
安芸さんたちはやはり教育が良くされていて全員口々にそう呟いていた。
「あら、しんちゃんお友達?」
玄関からガサゴソと音がしたことにに驚いたのか、お母さんがリビングから出てきた。
「ああ、そうだけど」
「え、え、女の子?」
お母さんはさっきまでの驚きをゆうに越して、一歩二歩と後ずさりを始めている。
「ああ、そうだけど」
「宗教勧誘は入れちゃダメって言ってるだろ」
「おいおい、お母さん、それは失礼じゃない?」
「たしかにそうだったわね。ごめんなさい。じゃあまさかとは思うけど彼女?」
お母さんは安芸さんたちにぺこりと頭を下げてそう続けた。
「なわけないだろ。なんで赤の他人か彼女かの二択なんだよ......。普通に知り合いだよ」
俺は安芸さんたちのこと友達と言えばめんどくさくなくて良かったなと後悔しながらも、お願いを叶える立場としている立場、勉強を教えてもらう立場と教える立場という友達とは少し違う関係なことを思い出し、知り合いと言った。
「そっか。しんちゃんにも知り合いくらい......そんなに可愛い女の子3人も連れて?」
「可愛いだって」
「えへへ」
お母さんの言葉に対して俺の後ろで姫芽さんと安芸さんが照れている。
全く二人とも言われ慣れてるだろうに。
「そうだよ、前言ったろ?出かけてきたときとか」
「あ、もしかして、結奈と遊んでくれた子たち?」
「そうですよ。結奈ちゃんとは仲良くさせていただきました」
「そうなのね、あんたもやるじゃん」
急にお母さんは俺の肩を引っ張り耳打ちしてきた。
「どういうことだ」
「結奈は可愛いからあの子を絡めれば可愛い女の子たちとも友達になれるって算段なのよね?」
全然違いますけど。
なんなら俺からというより安芸さんの方から接近してきている。
ただ、お母さんはめんどくさいので適当に流しておこう。
「まあ、そんなところだな」
「じゃあ、みんなごゆっくりしていってね」
お母さんは俺の言葉を聞いて満足したのか、またリビングへと戻って行った。
今日短編投稿しました!良ければ読んでいってください!
七夕の日に遠くに行ってしまった幼なじみと1年に1度だけ会えるという話です。
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