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-第80話-告白

「山口くん、ただいま。見て見て向こうのお店で可愛かったから買っちゃった」


しばらくして安芸さんが帰ってきた。


どうやら安芸さんは向こうに隠れに行ってた間に気に入ったものがあり買ってしまったようだ。


「なんだ?それ」


「えへへ、山口くんもこの可愛さに気づいちゃったか。これはね」


そう言って を自慢気に見せてきた。


ポテまるの時もそうだったがもしかして安芸さんは可愛くないものが可愛いと感じるブサカワっていう属性を持っているのだろうか。


「あ、そういえばあの子たちどうなったの?」


あの子たちというのは安芸さんのことを見つけて話しかけてこようとした同校の生徒たちのことだ。


「見てなかったのか?」


「え、何を?私ここのお店見てたから」


そう言ってキーホルダーを俺に見せびらかすように揺らしてくる。


しかし俺は全く可愛いとも思っていないのでどこもなびかない。


「そっか。いや、なんでもない」


別にわざわざ姫芽さんたちはコソコソとやってくれていたのに、ここで安芸さんに話すのは彼女たちに角が立たなくなってしまうので言うのをやめておいた。


「そういえば、さっきのえっちなことじゃないけどひとついいか」


再びシャーペンを握り、ノートに問題文を書き写していた俺は思い出したように隣に座る安芸さんにそう尋ねた。


「え、えっちなこと聞ける権利使っちゃうの?」


「なんでちょっと残念そうなんだよ。聞いて欲しいのか?」


「うんうん、全然そういうわけじゃないけど......スリーサイズくらいなら教えてあげても良かったけど」


社長令嬢のスリーサイズとか文春に売ったらお金になりそうだけど、依頼人と請負人としての関係上その行為に踏み出す勇気は俺にはない。


実際俺は安芸さんのスリーサイズなんてどうでもいいから、少し迷ったけれど断っておこう。


「いや、それで大丈夫だ」


「えー、しょうがないな。じゃあ発表します。上から8じゅ......」


やはり安芸さんの胸はスラッと伸びた足や長身にしては全くないとはいえないけれど控えめなのだろう。


「いやいや、聞いてないから。さっきの俺の一つ質問ってやつで大丈夫って意味だ。」


「あー、もう、言いかけちゃったじゃん。ドンと来いだよ」


安芸さんは俺をべしべしと叩きながら言ってくる。


「ああ、じゃあありがたく......率直に聞くけどなんで俺にお願いなんてしたんだ?」


「だから、前にも言ったじゃん。山口くんがボランティアとかしてて......」


「いや、そうじゃない。なんで俺を選んだかじゃなくて、そもそも「幸せにして」なんていうお願いをしたかを聞いてるんだ」


「えー、それ聞いちゃう?」


安芸さんは不服なのか頬をふくらませた。


「なんだよ......」


「いきなり聞いちゃうかなって。まあいいけど」


「私ね......小さい頃から......」


安芸さんは何か言いたげに声のトーンを落として話し始めた。


「いや、なんでもないや。山口くんも変わろうとしてるみたいに、私も変わろうかなって」


なにか隠してるみたいだっただけど安芸さんの言っていることは本質をついていそうだった。

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