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-第78話-いいよ

「うん! いいよ。でも勉強しながらにしようか。山口くんは勉強したくないのかもしれないけど、私はそんな生ぬるい考えは許さないよ」


安芸さんは俺を詰めるように顔を近づけてくる。これだけ安芸さんの顔が近くに来ていると、女子に免疫がない俺はすぐに沸騰してしまいそうだったので、少し椅子の上で腰を浮かせ距離をとった。


「なんで離れるのさ……。ほんとに勉強嫌いなの?昨日とかさっきの頑張りはなんだったのかな。まあいいや、山口くんが問題解いている間ならなんでも話してあげるし、答えてあげるそれでいいかな?」


安芸さんはほんとに人のモチベーションの管理がうまいな。こんな好条件を彼女から設定してくれたのならそれに乗らないという手ははないだろう。


俺はすぐさま横に転がしてあったシャーペンを手に取ってノートに視線を合わせた。


「すごい食いつきっぷりじゃん。いいね、山口くんがやる気出してくれて私は嬉しいよ」


安芸さんも喜んでくれたみたいだと思った、その刹那彼女は恥ずかしそうに手を振り始めた。


「え、もしかして……山口くん!えっちなのはダメだからね?」


「え?なんのことだ?」


「だから、私がなんでも答えるってやつ」


一瞬なんのことかわからなかったが、どうやら俺があまりにも急にやる気を出すから、俺が安芸さんにエロい質問や話をしようとしていたと思われたっぽい。


思春期男子の原動力が女子のことや安芸さんの言う「えっち」なことであるのは完全な誤解だ。


ソースは俺。他にソースと言えるほど深く関わった人がいないからな……。


俺はその事実に気づき少し悲しくなっていた。


「え?山口くんなんでそんなに泣きそうになってるの?そんなに私にえっちなこと聞きたかったの……?」


完全な誤解だが今更何を言っても遅いだろう。


そう思って彼女の暴走が収まるのをしばらく待っていた。


すると安芸さんは唾をゴクッと飲んで口を開いた。


「もうしょうがないな……。一回だけならいいい

よ……」

俺は全く望んでいなかったし、許可が出ても聞くつもりはないが、学校中の男子が羨ましがりそうな安芸さんからえっちなことを聞ける権をゲットした。


そう言った安芸さんは耳まで真っ赤に染めている。そんなに恥ずかしいなら言わなければいいのに……。


こんなバカみたいな会話も姫芽さんや真面目な梨花さんがいたらできなかっただろうな。


まさか安芸さんとこういう話をする日が来るとは思っていなかったので、少し彼女との距離が縮まった気がして嬉しくなった。


「もう、山口くんにやけないでよ……。怖いよ……。でも勉強しないことには私答えないからね!?ほら、早くやって」


「ああ、わかったよ」


否定する気も起きなかった俺はシャーペンを立て問題を解き始めた。


俺が「次どこか行きたいところあるか?」と聞いたら「あれ、最初からぶっ込んでくるかと思ったけど、普通の話なんだね」とか言ってたけど俺はもう無視することにした。


安芸さんのキャラが90度くらい今日で変わりそうだ。


解いている間他にも色んな話をした。好きな食べ物のようなオーソドックスなことから、この間言ったスイーツバイキングの感想まで。


前行った場所の思い出を語り合うなんてこの前駅のホームで見かけて俺が浮かれてると感じたカップルみたいだなと思ったけれど、きっと感じたけどすぐに気恥ずかしくなり首を横に振って考えを飛ばした。

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