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-第71話-成績

「あ、もう1時間くらい経っちゃってる。山口くんあと1時間くらいしか出来ないけど、頑張ろっか」


学校が終わるのが3時、帰宅して6時から7時の間にはご飯を食べると考えると勉強時間は2時間ほどしか取れないっぽい。


今日から5日間の計10時間で数学と英語両方中学から一通りやって終わるわけないと、実際にやり直す立場の俺でさえ分かるが安芸さんはやり遂げるつもりらしい。


案外あの安芸さんならできるような気もするが、実際に勉強するのは凡人の俺なのだから無理だろう。


「じゃあ中学生のところからやってこうと思うけどどこからやってないの?」


「ああ、2学期になってからかな」


「分かった。私も中学の時の教科書は今持ってないからネットで調べた問題を解いてもらうって感じになるけど大丈夫?」


「俺は教えてもらう立場だからな。安芸さんに全ておまかせするよ」


「はーい。私はその方が困るけどね」


安芸さんがくすりと笑いながら言ってきた。


俺は彼女のスマートフォンを覗き込みながら問題を解いていく。


その間安芸さんは姫芽さんたちと一緒に自分の試験勉強をしていた。


このウェブサイトは解き方の下に問題が書いてあるため、その式に数字を当てはめていくだけなので、下地のない俺にもわかりやすい構造となっていて、俺も何とか最初の方は理解することが出来ていた。


これからもっと難しくなるのだろうし今日は中学2年の分まで終わらせないと問題の数式をノートに書きながら考えていた。


「あ、山口くん、そこ数式間違ってるよ」


「え、あ、ほんとだ」


姫芽さんから突然声をかけられた。


だいぶ内容も分かってきて解き方が雑になってたのに加え、考えごともしていたのでミスをしてしまったのだろう。


そこに俺の正面で社会系の科目のノートを見返していた姫芽さんがすかさず指摘してくれた。


「姫芽さんって成績いいのか?」


「うーん、どうなんだろう。姫芽はあんまりかな。梨花とかお嬢様は凄いよ」


「ああ、らしいな。安芸さんは学年1位って聞いたし」


「そうそう、梨花も学年1桁には必ず入るしね」


「......え?そうなのか梨花さん」


梨花さんこの前学校であった時に授業中爆睡してたって報告してきたよな......俺と同じ状況じゃん。


なんでそれで学年1桁取れるんだよ。おかしいだろ。


「一応ですけどね。毎回夜一夜漬けになっちゃってるので、本当に身になってるかは分からないですけど」


「いや、それでもすごいぞ」


「そうですか......ありがとうございます」


「まあ、そうは言っても姫芽も時々1桁入るしね。相当優秀な方だと思うよ」


安芸さんが隣から付け加えてくる。


どうやらここにいる中で勉強が出来ないのは俺だけのようだ。


なんなら俺対3人でちょうど成績の平均が釣り合ってるような感じっぽい。


「2人とも安芸さんのところで働きながらなのにすごいな」


「いえ、私たちはそこまで忙しいことしていないので」


「うん、姫芽たちはお嬢様の身の回りの世話中心だからお料理とかお掃除とかしないもんね」


「だから家に帰ってからはすることも無いですし、勉強してるんです。たまにお嬢様に付き合って夜遅くなると学校で寝ちゃいますけどね......」


「こら、梨花余計なこと言わないの」


「すみません、お嬢様」


どうやら梨花さんは俺とレベルが同じと思っていたが、2桁くらいは違うっぽい。


やることがなくて勉強する梨花さんや姫芽さん。


対してやることも仕事もないのにただボーッと時間が過ぎるのを待っている俺。


どちらが優秀かどうかなんて比べるまでもない話で......。


「よし、じゃあ今日はここら辺でお開きにしよっか」


俺が更に30分ほど数学を進めていたところ安芸さんから声がかかった。


時刻は17時前。時間的には辞めるのにちょうどいい時間だろうを


「ああ、今日はありがとな。安芸さん、そして2人も」


「いえ、私たちは何もしてないので」


「山口くん、1回も私に聞いてこなかったから私も何もしてないよ。もしかして私要らなかった?」


「全然、まだ簡単な分野なだけだから」


「そっか、わからないところあったらすぐにRINEしてね」


「ああ、その時は頼む」


「じゃあ、お疲れ様」


駅のホームへ向かう俺に対し、安芸さんたち3人は駅ビルからそそくさと出ていった。

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