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-第64話-自撮り

撮る場所も決まった俺らは目的地まで雑談を混じえながら、姫芽さんのアイドルトークを聞いていた。


他にはどんなグループが好きという話であったり、この子のここが好きであったりと、彼女の主観的なものだったが聞いている分には十分面白かった。


「ふー、やっと着いたね」


「ああ、暑かったな」


車内はあのライブ帰りの人々で満杯で大いに熱気が溢れていて、話す余裕もないすし詰め状態であった。


登校する時はもう座れはしないもののもう少し空間に余裕があるため、あれを初めてを体験した俺は日々これを経験しながら通勤している父親に感謝を忘れてはいけないなと深くその思いを噛み締めた。


俺たちは一斉に改札を抜けて行く。


俺はこのままこの電車に乗っておけば最寄り駅に着くのに、写真を撮るためにわざわざ駅を降りるなんて......と思ったが俺の無駄遣いを無駄で終わらせないようにしようとする安芸さんの優しさと、ここから先は登校でも利用する定期圏内なのでどこで降りようと値段が変わらないことに気づいたことで乗り気へと変わった。


「この時間だし誰もいないね」


「確かにそうだな」


いつも学校へと向かう出慣れた改札ではないまた別の改札の目の前にある、芸術は爆発だと物語っているような何を表しているのか分からない像の前に俺たちは立っていた。


「まあでもいつまでもここの前を占領していてもなんだし、パパっと撮っちゃおうか」


「そうですね。ほら山口くんスマートフォンを貸して」


姫芽さんから伸ばされた腕に俺はポケットにしまってあった自分の携帯を手渡す。


「あ、お嬢様が目立った方がいいですよね......。お嬢様持ってください」


「え、私こういうの撮ったことないんだけど」


どうやら主人を立てたい使用人と勝手がわかっていない主人とで揉めているようだ。


「手を伸ばしてシャッター押すだけですよ」


「う、うん、分かった。はいじゃあ山口くんも入って入って」


俺は誰かに撮ってもらう前提で彼女たちから1歩、2歩ほど離れたところに立って準備していたのだが、誰も撮ってくれる人なんていないことに安芸さんに気付かされた。


つまりこの写真に入るといいことは姫芽さんの方へ寄ることとなる。


それもこの小さな画角に収まるためには本当に顔と顔がぶつかりそうなくらいまで近づけるべきで......。


「ひ、姫芽さん、ごめんね。寄るよ」


「ん?なに?山口くん、早くしないとお嬢様が辛そうだよ」


安芸さんの白く長く太陽に向かって伸びた腕が俺が早く写真が撮れる範囲内に入らないせいでプルプルと震えている。


「あ、安芸さんもごめん」


俺はそう安芸さんに謝ってから、気持ちに区切りが着いたため深呼吸してから姫芽さんの方へずっと寄る。


なんかいい匂いするんだけど......。


今まで何回か一緒に遊んできたけど高嶺の花である安芸さんはおろか姫芽さんにもここまで近づいたこと無かったもんな......。


香水なのか女の子という生物の香りなのか分からないけれどずっと嗅いでいたくなるような鼻腔を刺激する匂いがしてくる。


「ほら、山口くん笑って笑って」


俺が真剣にさっき深呼吸で吐き出した分とか思って深く姫芽さんの匂いを吸い込み、堪能していると、いい加減写真を撮らせてくれというように安芸さんから言われてしまった。


俺はにっこりと笑い、安芸さんはシャッターチャンスとばかりにボタンを押す。


「うん、私にしてはよく撮れたと思う。姫芽、大丈夫だよね?」


「はい、よく撮れていると思いますよ」


「じゃあ山口くん、悪いけどこの写真、私と姫芽に送っといて貰っていい?」


「ああ、大丈夫だ」


姫芽さんのRINEというと勝手に追加されていた理由と原因を突き詰めようと思っていたが、今はそんな雰囲気でも気分でもなかったから控えた。


「じゃ、山口くん今日はありがとね。楽しかったよ。あ、これは先に脱いでおかないとね」


安芸さんは俺に今日のお礼を言った後、上から重ね着ていたメイさんのイメージTシャツを丁寧に脱いだ。


これ着て車に乗ったらバレてしまうもんな。


「まあ、俺は何もしてないけどな。こちらこそ楽しかったよ。ありがとな姫芽さん、安芸さん」


「いえいえ。また付き合ってね山口くん」


姫芽さんはそんな小悪魔のようなセリフを残して、安芸さんと2人で車が止まっているのであろう場所に向かって走り始めていた。

初めてラブコメっぽいシーン書けて嬉しいです!これから頑張って増やしていきますm


また今話でライブ編は終わりです。最後まで読んでくださりありがとうございました!


「面白かった」「好き!続き読みたい!ねっ、いいでしょ」という方がいらっしゃいましたら、是非ブックマーク登録をお願いします!


また、少しでも面白いと思ってくれた方は少ししたのところにある『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にしてください!創作活動の原動力になります。


お前の作品まだまだだなと言う方も『★☆☆☆☆』としていただいても構わないので、是非評価お願いします!!


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