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-第58話-

電車に乗ること30分ほど俺たちは目的地であるライブ会場のある駅へと到着した。


俺らは電車に乗ってからは隣に座り話すことが出来た。


この路線は俺が登校にいつも使い乗っているものなのだが、反対方面へと向かっていく電車だ。


こちら側は使ってる生徒が少ないので、見つかる可能性が低いと思ったため、周りをよく見渡してから隣同士に座り、雑談をしていたという算段だ。


「うわ......人が多いね」


俺たち3人が降りた駅は目的地であるドームがあること以外は特に特徴の無い郊外にあるとある駅。


大型ショッピングモールが隣の駅に位置しているということも相まって、いつもは人通りの少ない駅のはずなのだが今日は違っていた。


大きなリュックを背負って俺が言えたことではないが、お世辞にもお洒落とは言えない外見に無頓着そうなチェックシャツをインしていたり、プリントTシャツを着ているいかにもオタクと言った風貌の男の人や、大してお洒落に気を使ってませんよという雰囲気を醸し出しながらも周りをチラチラと時折確認しながら自分の服装を確かめるような人。


他にも姫芽さんのように服装も容姿も綺麗に整っているのにも関わらず何故かここにいる女性たちがちらほらと見受けらるなど、実に色々な人が同じ目的のためにとある駅に集まっているようだ。


「あとどれくらいで始まるんだっけ?」


「2時からだからあと1時間弱だね」


土曜日の学校は4限目間であるため学校を出た時点で12時ちょうど、そして駅まで向かって少し待って電車で30分ほど揺られていたわけだから今は1時過ぎといったところだ。


ライブなんだからちょうどに入らないにしろ少し時間より前に来すぎた気がする。


「そこまでどうするんだ?」


「私はグッズでも見てみようと思ってるよ。2人が嫌なら辞めるけど」


「俺はいいけど」


こういうのはアイドルオタクとしての先輩に合わせておくのが筋だろうと思い俺は同調すると共に、安芸さんに視線を合わせた。


「うん。私もそれでいいかな」


安芸さんも俺に顔を合わせてにっこりとしてきた。


「じゃあ姫芽よろしくね」


「はい。任せてください」


そう言って姫芽さんは胸を張って歩いていく訳だが、俺たちはただこの姫芽さんの同胞について行くだけだ。


「うわ、お昼なのにこんなにいるんだ......」


10分ほど駅から歩くと大きなドームのようなものが見えてきた。実際駅前にいたうちの学校の登校している時の人の群れと同じくらいの人々よりも、遥かに多いファンたちがグッズを求めてなのか、俺たちと同じようにライブが始まるよりも30分以上前なのにうごめいていた。


「ほら、2人ともなにボケっとしてるのさ。早く並ぶよ」


「え、私たちも並ぶの.......」


安芸さんはこの行列に並ぶのが嫌なようで、いかにも嫌ですよというオーラを発しながら顔をしかめている。


「そうですよ、お嬢様。グッズを買わないでライブに来たなんていくらお嬢様にも言わせませんよ」


姫芽さんの変なスイッチにすっかり入ってしまったようだ。


「ほら、安芸さん。どうせここに着いちゃったからには待たなくちゃ行けないわけだし、なんでもいいんじゃない?」


「う、うん。山口くんがそういうなら私は別にいいけど」


天使様と呼ばれる安芸さんがここまで拒絶を示すことは珍しいと思ったし、さっきは良いと言っていたのになと思ったが、きっと今までのお嬢様としての生活の中でこんな沢山の人の後ろに並んで待つということをしてこなかったからなのだろう。

お昼は忙しくて更新できませんでした。すみません

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