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-第44話-

自分を助けてくれた人がどこかに行ってしまったこと、自分に大切なのはその人なんだということ自覚する。


曲の歌詞にあーだこーだ言うのは厳禁だと思うがこの曲はバッドエンドだ。


歌詞の意味を考えれば考えるほど切なくなる。


アウトロも終わり結奈がそっとマイクを置いた。


でもどうして結奈はこの曲を最後に選んだのだろうか。


とても歌ってて楽しい曲ではない。単に俺と共通で知っている曲と言っても他にも色々とあるからこれにこだわる必要は無い。


「ちょっと早いけど帰ろっか」


俺が色々と考えていたら安芸さんが帰宅を提案してきた。


時間的にはあと1曲歌えるはずなのだが安芸さんたちのグループは歌う気は無いのだろうか。


しかし梨花さんも姫芽さんも辺りの荷物をまとめ始めていたので、俺の考えは発せられることなかった。


「じゃあ結奈行くか」


俺は結奈にそう呼びかけると、結奈は無言で安芸さんたちと同じように学校用の鞄に出していたカーディガンなどをしまった。


「お会計は私がやっとくから4人は外出といてね」


結奈の準備が終わったのを見計らった安芸さんがいつものように言った。


今日は結奈の都合で呼び出してしまっているわけだから今回は黙って払おうと思っていたのだが、安芸さんから提案されてしまってはもう拒否権はないと言えるだろう。


「安芸先輩ありがとうございます」


俺が悩んでいる中結奈は隣でニコニコと安芸さんに感謝を述べている。


なんか先輩の扱いに慣れてるなこいつ......。


好意を素直に受け取れるのは結奈のいい所なのかもな。

安芸さんが会計しに受付へ、俺らはカラオケ店から外へ出ようと歩いているところでふと時計を見ると5時前を指していた。


学生として遊ぶ時間としてはすこし解散が早いと思う。


思えばいつもこのくらいの時間に解散しているな。


安芸さんはやっぱりこの後習い事のお稽古とかが入っているのだろうか。


前にいつもなにしてるのと聞いた時にそのような事を言っていたような気もする。


「支払い終わったよ」


俺がそう考えている間に周り一同は店の外に出ていて、安芸さんも合流してきた。


「んじゃあまた今度ね」


安芸さんたちはまた車で迎えに来ているのだろう駅とは違う方向へと歩いていった。


「今日は楽しかったね」


「そうだな」


結奈は今日のことを思い出すように空を見上げながら俺に言ってきた。


「お前、当初の目的覚えてるか?」


「別にそんなこと関係ないよー。安芸先輩いい人だったし」


「まあ、結奈が満足してるならいいんだけどな」


結奈の中の認識はただだだ天使様な先輩とカラオケで遊んだことになっているっぽい。


まあ結奈も安芸さんも楽しんでくれたみたいだから良かったのだが。


「まーそうだね。お兄ちゃんが安芸先輩と関わるのは全然いいかな」


結奈はやっと目的を思い出したのか親指を立てながら言った。


今度は結奈の顔は昨日のようなものではなく明るいものだったので安心した。


これで安芸さんを幸せにするというお願いを叶えることの障害が無くなったな。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


今話でカラオケ編は終わりです


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