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-第39話-打ち解け


「あ、お兄ちゃんおかえり」


「山口くん。わざわざありがとうございます」


部屋に戻ると先に帰っていた姫芽さんと代わって俺がお礼を言われていた。


俺は結奈の前にカルピスを、飲み物が置かれていなかった安芸さんの前にジンジャーエールを置いた。


「お兄ちゃんありがとう」


「山口くんありがとね」


置いた時に何も違和感を感じなかったが、よく見ると2人とも隣合って座っている。


俺が出る前の配置から考えるに結奈が安芸さんの隣まで移動したのだろう。


2人ともぴったりとくっついていてまるで梨花さんがハブられているみたいだ。


「あれ?結奈そこにいたっけ?」


「うんうん、私が安芸先輩の方に移動したの」


やっぱりそうだった。だが結奈は安芸さんのことを苦手そうにしていたが、本当に大丈夫なんだろうか。


「結奈ちゃんほんとに可愛いね」


「えへへ、そうですか」


安芸さんが頭を結奈の撫でていて、結奈もそれを嬉しそうに受け取っている。


なんか俺たちがいなかった3分ほどの間に仲良くなっていたようだ。


「結奈ちょっといいか」


俺は結奈を手招きして耳を貸すように言ってみた。


「お兄ちゃんどうしたの?」


結奈は嫌がる素振りを見せずに、俺の隣に歩いてきて、俺の言う通りに耳を俺に預けてきた。


「安芸さんとなんかあったのか?急に仲良くなってないか」


「うん!安芸先輩ほんとに天使様って感じだね。私別に元々安芸先輩のこと嫌いなわけじゃなかったしね」


結奈は俺と同じようにこしょこしょと耳打ちしてくる。


元々安芸さんのことは嫌いではなかった......か。


結奈が安芸さんのことを話すと嫌そうな顔をしていたのはなんでだったのだろう。


昨日、辛そうにしていたから俺は咄嗟に嘘をついたのだ。


でも結奈が安芸さんのことを嫌いじゃないとしたら?


俺はただの嘘つきになってしまう。


「そうなのか......じゃあ」


いや、これは聞かない方がいいよな。


やっぱり表情が暗かったのは事実なわけだし。


「でもね、好き嫌いとか、いい人か悪い人かに関係無くって時もあるんだよ」


結奈は今までより一層小さく俺の耳元で呟いてきた。


まるで俺がこれから言うことを読んでいたかのようなタイミングだった。


安芸さんのことは好きだしいい人だと思ってるけど俺と安芸さんが一緒にいると困るってことか?


益々意味がわからなくなってきた。


「結奈ちゃん、いつまで山口くんとイチャイチャしてるの」


「ごめんなさい、安芸先輩。今そっち行きますね」


結奈はすっかり安芸さんに気に入られているようで、呼び出しに応じてすぐに元の安芸さんの隣の席へと戻って行った。


これで安芸さんの隣に姫芽さんと結奈、外にぽつんと梨花さんと俺という配置になってしまっている。


「お兄ちゃんも帰ってきたことだし歌いますか!」


結奈は掛け声ともに機械で歌う曲を探し始めた。

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