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-第37話-呼び出し

結奈からの申し出からすぐに俺ら5人はカフェを出発し、駅ビルから少し離れた粛然たるオシャレな飲食店が並ぶ通りにただ1つ立派な赤く高いビル総べているカラオケ店に俺らは入ろうとしていた。


「ねえ、山口くん。私カラオケなんて初めてです」


梨花さんが俺だけに聞こえるようにこっそりと囁いてくる。


しかし結奈も合わせてみんなで行動することで多少なりとも梨花さんの経験値に繋がると思う。


「ああ、でもどういう場所かは知ってるんだろ?」


「もちろんです。歌うだけですよね」


「そういうことだ。ほら、なんか緊張する要素あるか?」


俺は梨花さんを安心させるために少し強めの口調で言う。


「ない、ですね。楽しみです」


梨花さんは目を輝かせながら、前方でお姉さんと話している結奈たちの背を目線で追っている。


何もそんなカラオケが楽しい場所ということではないと思うんだがな。


「お兄ちゃん! 4階のボタン押してもらってもいい?」


先にエレベーターに乗り込んでいた俺に、結奈が部屋の階に止めるよう頼んでくる。


梨花さんと少し話してる間に結奈たちは受付を済ませてきたようだ。


「部屋はみんな同じで良かった?2人3人とかにも分けられたぽかったけど」


俺がちょうどボタンを押したタイミングで結奈は話を続ける。


「いや、誰と誰が2人の方に行くんだよ」


「うーん、私とお兄ちゃん?」


「そしたら安芸さんたちと来た意味ないだろ」


「えー、お兄ちゃんは安芸先輩と2人部屋が良かったの?」


結奈はジト目で俺を見つめてくる。


「何もそう言ってないだろ」


そもそも俺は5人で良いと最初から思ってるからな......。


「ふふ、2人とも喧嘩はやめてよ! もう着いちゃったよ」


安芸さんが微笑みながら4階に着いたことを報せてくれる。


ここから密室に入るわけだが、結奈が何かやらかさないか不安すぎる......。


「わー、広いね」


403と書かれた扉を結奈が勢いよく開けると、中は10人は入れそうな大広間だった。


ソファーがコの字にズラっと並んでいて、真ん中には大きいテーブル、そして入口横には大きなモニターが設置されている。


いかにも小規模な集まりで使いそうな会場だが、5人という人数の都合上4人用の部屋には案内できないからその次のグレードのここに案内されたのだろう。


5人で来といて良かったな。


「こんな広いとどこに座るか迷っちゃうね」


安芸さんはとても楽しそうに部屋の中を見渡している。


確かここまで広いとどこに座るか迷ってしまう。


全員一直線に並ぶのも何か違うし、かと言って別の並び方にしたら誰が隣に来るのかという問題になってしまう。

「私はお兄ちゃんの隣ね」


結奈はそう言ってちょうど座ったぴたりと俺の隣にくっついて座ってきた。


問題は解決されたわけだが、結奈と隣はいつも通りすぎてなにか違和感を感じてしまう。


結局俺と結奈が入口から入ってすぐのソファーの真ん中辺りに、安芸さんと姫芽さんがその対面にそして梨花さんが2人から少し離れたところに座った。


さあ誰が最初に歌うのかと少しの間沈黙が訪れたが、意外な言葉が聞こえてきた。


「山口くん、ドリンクバー行かない?」


今までずっと安芸さんと話していた姫芽さんが突然俺に話しかけてきたのだ。


しかし俺が行ってしまうと残るのが安芸さんと結奈と梨花さんとなってしまう。


なんか空気が重くなりそうだが大丈夫だろうか。


「お兄ちゃん、せっかくの女の子からの誘いなんだし行ってきたら?」


結奈は茶化しながら俺の肩を叩いてくる。


でもな......と俺が気後れしていると姫芽さんから強引に腕を引っ張られた。


「ほら、早く行かないとみんな喉乾いちゃうよ」


何か姫芽さんにも意図があるのではないかとそう思ってしまった。

昨日投稿お休みさせて頂きました。また今日から1日2話投稿頑張ります

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