-第31話-通学路
早速安芸さんにRINEで報告しておこう。
もちろん彼女から何か案が出てきたら結奈には申し訳ないが、そちらに合わせようと思う。
『安芸さん。今日の場所どこか考えてくれた?』
『うん。一応ね。ちょっとだけ昨日の夜調べてたから眠いなぁ』
やはり朝は安芸さんからの返信が早い。
今まで趣味も何もないと言っていた彼女がどこか行きたいと思っていたとは努努思っていなかったから、この返信はハッキリと言って意外だった。
しかも睡眠時間を削ってくれていたなんて......と急に申し訳なくなってきたが、そんな調べといてくれるなんて安芸さんも今日結奈と会うのが楽しみなのかなとも感じられ、少し嬉しかった。
その分結奈が安芸さんと会いたくなさそうにしていたのが不安になってくるが......。
『それはありがとね。それでどこがいいと思うの?』
『駅前のコーヒーチェーンなんてどうかなって』
『それってあの駅ビルの1階にあるお店?』
『うん。そのつもりだけど』
まさかの結奈の意見と被っていた。
ひょっとして女子の考えることはみんな同じなのだろうか。
まあどちらにせよ今日行くところは某コーヒー店ということで決まりとみていいだろう。
『了解。ちょうど俺もそこがいいんじゃないかと思ってた』
「お兄ちゃん何してるの?」
安芸さんに返信のRINEを送ったところで結奈がスマホの画面を覗き込むようにしてきた。
まだ結奈に相手が安芸さんであると知られてはいけない気がしたので、咄嗟に俺はスマートフォンの画面を隠した。
すると結奈は隠さたことが癪に触ったのかあからさまに不機嫌そうな表情を浮かべた。
「なんで隠すの」
「いや、それはな......」
ジト目の結奈が今までにないくらいに強い口調で詰め寄ってくる。
俺は結菜に見られないように必死に画面の角度を調整し、なんとかスマートフォンの電源を切ることに成功した。
まるでドラマで見るような浮気の証拠を突きつけられた修羅場みたいだなと当事者ながら縁起でもないことを思っていた。
「今日会う人とここのお店にしようって話をしてたんだよ。そしたら相手も結奈と同じお店がいいって言ってたんだよ」
「なんだ。そんなことなのか。心配して損したよ」
結奈は俺の言葉を聞くとすぐにいつもの可愛い顔へと戻っていった。
相変わらず感情の起伏が激しい子だ。
ただ、結奈も相手と自分の好みが被って嬉しいのか少し歩く速さをはやめたような気がした。
確かにポテまるも含めて結奈と安芸さんは好みが似ているのかもしれないな。
まあ安芸さんはポテまるに最終的に惚れ惚れしているといたわけだが。
「逆になんだと思ってたんだ?」
「私という女がありながらも浮気かな......とか」
結奈は嘘だよっと冗談めかして舌をぺろっと出し、俺をからかうようにしてくる。
俺が結奈とは普通に関係を保っているのもこうやって気兼ねなく接しられる結奈の性格が起因しているんだろう。
「お兄ちゃん、そう言えばテスト近いね」
「ああ、結奈はもう勉強してるのか?」
「流石にまだかなー。そろそろしないといけないなとは思ってるんだけどね」
「俺もそろそろやらないとな」
「そう言ってお兄ちゃん試験勉強始めるの前日じゃん」
結奈は笑いながら痛いところをついてくる。
もうテスト1週間前が近いのか。安芸さんはテスト勉強しているのだろうか。
彼女は授業中にRINEで返信をしてきたわけだし、そんなに勉強をしているイメージが俺の中ではない。
何となくありあまる才能で何とかしているような風に思っている。
俺らはそんな他愛とない会話をしながら久しぶりの兄妹揃っての登校というイベントを完了したのであった。
俺が安芸さんからの『仲良くなれそうだなぁ』という返信に気がついたのは1限開始のチャイムがなった頃だった。
結奈は安芸さんのことを良く思っていないみたいなので、彼女の魅力でなんとか仲良くして欲しいものだ。
ウイニングポスト買ったので執筆活動疎かになるかもしれないですm
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