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-第17話-これから

「え?」


俺は思わず固まってしまった。すると安芸さんは俺の態度があまりにも意外だったのか、さぞ自分が当たり前のことを言ったかのように俺の目を見ながら付け足した。


「だって、幸せって続かなきゃ意味が無いでしょ?山口くんは私を幸せにしてくれるって言ってくれたから、また今日みたいに遊びたいんだけどダメかな?」


安芸さんが上目遣いをしながらもおねだりしてくる。


いつものクールな感じの顔でも、ニコニコとした天使様としての顔でもなく一人の少女としての無邪気さが溢れ出ているそんな顔だ。


確かに幸せの要求水準は日々更新される度に上がっていく。


彼女の言っていることは正しいのだが、1回限りだと思って依頼を受けた俺はどう返答したらいいのだろう。


俺としてはこの2日間楽しかった。


それに彼女も今日は楽しんでくれた。


これらは紛れもない事実だが、これからも彼女を満足に楽しませられるかは分からない。


優しい安芸さんのことだから、俺といてつまらなくなっても自分から断ることはせず付き合ってくれるだろう。


でも彼女の時間を奪ってしまうことになったら俺は間違いなく後悔に襲われる。


やっぱり俺と学校一の天使様は住んでる世界が違うんだ。


きっぱりと断ってもう彼女との関係は断ち切ろう。


「俺は......」


「山口くん、姫芽からもお願いなの。お嬢様、いや美玲ちゃんは本当に今日楽しそうだった。だからこれからも一緒にいて欲しいな。お願い。このとおり」


俺が断ろうと言いかけたところに姫芽さんも重ねて頼まれてしまった。


姫芽さんは歩みを止め、俺に向かって深々と頭を下げた。


彼女の主人をそして友人を思う気持ちが本当なのはひしひしと伝わってくる。


でもやっぱりと自分の中でしり込みしてしまう。俺なんかでいいのだろうか。


なんでこれまで人と関わってすら来なかった俺が学校一の当たり株である彼女に誘われてるのだろうか。そんなんで周りの男子は許してくれるだろうか。絶対に妬み辛みを飛ばしてくるに違いない。


どんどん色んな不安要素が湧きあげてくる。でも、彼女は今にも泣き出しそうな顔をして上目遣いを続けている。


俺はここで決断しなかったら、いつ誘ってくれる人が表れるか分からない。


俺は絶対に自分からは関わらないから、俺のことを気にとめてくれてる人は大切にしていかなければならない気がする。


野生の勘がそう主張している。人生は1度きりだ。


空虚な人生でいいわけない。


真っ白な人生にペンキを塗るにはどうしたらいいか。


そんなの決まっているな。


「こんなこというのはダサいかもしれないけど、俺といて楽しくなくなったらすぐに言って。俺は安芸さんの大事な時間を自分が奪ってしまうのには耐えられないから」


「でも、安芸さんが俺といて楽しいと思ってくれてる間は、俺のくだらない計画に付き合って欲しいな」


真っ直ぐに本心をぶつけてしまった。


これはさすがに引かれただろうか。


心配になった俺は安芸さんの方を覗き込むと、彼女はくすくすと笑っていた。


「ふふ、山口くんも熱くなるんですね。」


「いや、そのごめん。なんか空気読めてなかったな」


安芸さんは可笑しそうにまだ笑っている。


やっぱり引かれてしまっただろうか。


「その逆だよ。私は嬉しいよ。そんな私は全然山口くんが今日連れてってくれたお店もこれから出かける場所も全然くだらないと思わないから。」


「だから、だから、これからも私を幸せにするのを手伝ってくれるかな?」


安芸さんはニコッと笑ってそう言ってくれた。


俺としては俺がさっき魂を込めて言った言い訳よりも恥ずかしい。


でも彼女からそう直々にお願いされてしまったら頑張るしかない。


「うん。じゃあ帰ったらRINEするね」


「はい!待ってるね」


もう随分と話していたから俺たちは駅へと着いていた。


同じ学校の生徒は部活帰りであろう学校指定のカバンの他に荷物を背負った生徒が数人見られるくらい。


そんな誰も見ていないところで俺と安芸さんは秘密の約束の期限を伸ばした。


「じゃあね、山口くん今日は本当に楽しかったよ。じゃあ連絡待ってるね」


「ありがとうございました」


安芸さんと姫芽さんはそう告げて駅から離れていく。


きっと車で迎えでも来ているんだろう。


さあ、明日からも忙しくなるな。俺はしばらくこの任務を全力で取り組んでみようと思い、力を込めて足でホーム踏み切り電車に乗った。

区切りがいいのでここまでで1章としたいと思います


第1章をお読みいただき、ありがとうございました!


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[一言] このページの安芸さんのセリフっすね
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