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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

未書籍化・異世界系

女神様に十年願い続けて貰ったスキル【十年早い】で俺は無限の力を手に入れました

別の作品を書いている合間に少しずつ書いていた作品です。

物語の始まりから終わりまで書き切ったつもりですので、是非最後まで読んで評価を頂けますと幸いです。

「は? 分け前をよこせだって?」


 冒険者が集まる酒場の片隅で、冒険者パーティ『ファング』のリーダーである格闘家のダリオが、俺の顔を馬鹿にしたような目で見ながら言った。


「はい。依頼報酬の一部は俺の取り分だってギルドで聞いて来たんですよ」


 一年前。

 冒険者になるためにこの町にやって来た俺は、ギルドの規則に則って一年間だけ研修期間として、先輩冒険者パーティに冒険者見習いとして従事することになった。

 これは、初心者冒険者がなんの経験もないまま冒険者になって依頼をこなすのは危険だということで作られた規則だ。

 一年後、先輩冒険者から冒険のイロハを教わって初めて冒険者ギルドの正規会員になれる。

 それまでは仮会員なので、簡単な危険の無い仕事を除けば、勝手に依頼を受けることは出来ない。


「おい聞いたかジャコモ。こいつ俺たちに散々世話になっておいて、金よこせだとよ」

「ぎゃははははは。こいつぁ大笑いっすね」

「いったい何様のつもりなんだい、この子は」

「厚顔無恥にもほどがありますね」


 ダリオの言葉にファングのメンバーであるジャコモとジーニ、そしてガレリオが俺に侮蔑の視線を投げかける。

 一年間、ともに死線をくぐり抜けた『仲間』に向けるようなものには到底思えなかった。

 今までも彼らの態度が悪いと思ったことは何度もあった。

 無理難題を押し付けられたことも一度や二度ではない。

 だけどそれは一年間、俺を立派な冒険者として育ててくれるための修行の一つだと思っていた。


「お世話になったのは確かですけど、その分俺も皆の世話をしたじゃ無いですか」

「なんだと?」

「毎日毎日朝から晩まで炊事洗濯荷物持ち、夜の見張りに後方確認。他にも沢山やりましたよ」

「それが見習いの仕事だろうが」

「ええ、そうです。仕事です。そして仕事にはきっちりと報酬があるべきでしょう?」


 僕がまくし立てるとファングの面々は僅かばかりの間口をつぐみ、お互いの顔を見合ってから――


「それじゃあよ」


 ダリオが口の端を上げた嫌らしい表情で口を開いた。


「俺たちがお前のためにしてやった『新米冒険者を育てる仕事』の報酬も貰わなきゃいけねぇよなぁ」



     ☆     ☆     ☆     ☆




「何をするんですかっ!?」


 ドガッという音と共に、俺は自らの部屋のボロベッドに体を叩き付けられた。

 ベッドから軋むというより割れるような音が伝わってくる。


「何って、お前が俺たちから『盗んだ』報酬を貰いに来ただけだぞ」


 町外れのボロ屋の入り口から入ってきたダリオが、俺の言葉にそう返事を返した。

 続いてジャコモとガレリオが入ってくるとダリオに続けるように口を開く。


「そうっすよ。依頼中に俺たちが必死で魔物と戦ってる間に魔石とか素材を拾い集めてたのは知ってるっすよ」

「依頼中に手に入れた素材はパーティの共有財産でもあるというのに。まったく躾が成ってしませんね」


 そんな話は聞いたことが無い。

 それに俺が拾っていたのは、彼らがいつもゴミだと言って見向きもしない『クズ素材』ばかりだ。

 だがまともに報酬も貰ったことが無い俺が生活する、そんなクズ素材でも集めて売るしか無かったのである。

 そして彼らもそんな俺の生活を知っていたはずなのに、今になってこんなことを言い出すなんて。


「なんだいその目は? 何か文句でもあるのかい?」

「……」


 パーティの紅一点であるジーニが一番最後に入ってくると、ベッドに腰を打ち付けて倒れている俺を見下す。

 そして部屋の中を見回して「ボロっちぃ部屋だね。こんなとこに金目のものなんてあるのかい?」とダリオに問いかけた。


「何も無さそうだが、とりあえず此奴に現実ってモンを教えておかないといけねぇからな」

「そうですね。きちんと先輩冒険者に帯する礼儀を躾けておかないと」

「しっかし本当に何にも無いっすよ。あったのはこのうす汚ぇ女神像だけっすわ」


 いつの間に部屋中を漁っていたのか、ジャコモが一体の木で出来た女神像を両手でお手玉するように弄んでいた。


「おいっ、それに触るなっ!」


 余りにも雑な扱いに、俺の心は一瞬で怒りに満たされて腰の痛みも忘れ立ち上がるとジャコモに向かって飛か掛かった。

 が、しかし。


「馬鹿がっ」


 ガスッ。


 飛びかかろうと、ダリオの横を通り過ぎる瞬間。

 俺の腹にダリオの膝が蹴り込まれた。


「うがあっ」


 そして元のようにベッドに叩き付けられてしまった。

 蹴られた腹を中心に、体中に痛みが走る。

 口の中に広がった血の味は、口の中を切ったせいか、内蔵を痛めたのか。


「はっ、弱ぇな。一年間俺たちから教わっておいてこれかよ」


 今思い返しても俺はずっとこいつらに小間使いのように扱われていただけだった。

 何も教わってなんかいない。

 教えようとすらしなかったくせに。


「まったくもって、こんな劣等生を押しつけられたこちらが迷惑です」

「正規にギルドの会員になっても、すぐ死なれでもしたらそれこそファングの顔に泥をぬられるようなもんだね」


 ジーニの呆れたようなその口調を聞きながら、俺は口の中の血を唾と共に吐き出す。

 そんな俺を見下ろしながらダリオは嗤う。


「というわけで俺たちはお前を冒険者とは認めねぇ。なんせこそ泥だしな」

「どういう意味ですか」

「はぁ? お前聞かなかったのか?」

「だから何をだって聞いてるんですよ!」


 ファングの四人は全員そろって「やれやれだ」といった風に顔を見合わせると、ジャコモが鞄から一枚の書類を取り出す。

 そこには『冒険者認定報告書』という文字が書かれていた。


「あっ……まさか……」

「思い出したか? そうだよ。お前がギルドに冒険者として登録されるためには、俺たちがこの書類にサインして提出しなきゃならねぇ」


 一年間の先輩冒険者との研修は、経験を積ませるだけのものでは無い。

 逆に先輩冒険者から見て『冒険者として相応しくない』と思われる者を選別する期間でもあった。

 通常、相応しくない者に関しては、数度の冒険で素質や素行を見て落とされるのが普通だった。

 なので一年きっちり期間を終わらせた上で落第はあり得ないと思って、俺はすっかり失念していたのだ。


「おいおい、冗談でしょ?」


 一年だ。

 俺はこの一年、ひたすらに冒険者になるために頑張ってきた。

 横暴に思えたが、それも俺を一人前の冒険者として彼らファングの皆は鍛えてくれているのだと思って耐えて。

 依頼報酬が分け与えられないのも、見習いだから仕方が無いと極限まで節制して生きてきた。

 なのに、その全てが、こいつらの胸先三寸で無かったことにされる。

 いや、むしろそれ以上に悪い。

 なぜなら見習い期間中に、研修先の冒険者パーティによって『不適格』とされた者が、再度研修を受けて合格したという話はほとんど無いからである。

 なにより一度でも『不適格』とされたような見習いを再研修に加えてくれるような酔狂な冒険者パーティがいないのだ。


「冗談だと思うか?」


 ダリオが腰をかがめて、俺の顔をいやらしい笑顔を浮かべながら覗き込んでくる。

 俺はその問いかけに力なく頷いてみる。

 だが、それに対する答えは俺が思っていたよりも悪辣なものだった。


「冗談にして欲しかったら、有り金と金目のものを全部よこしな」

「えっ?」

「聞こえなかったのか? お前の全財産を『一年間世話をした教育費として』俺たちに渡せって言ってんだよ」

「そんな、横暴な」

「横暴? 俺たちは親切で言ってやってんだぞ? それだけでコソコソと素材を盗んでいたお前の罪を見逃してやるんだからな」

「あれはクズ魔石とかクズ素材だから要らないって皆が――」

「要らないからって持って帰って勝手に売って良いわけないだろ? しかも、そうやって小銭を稼いでるくせに俺たちに金を寄越せって言ってきたのはお前が先じゃねぇか」


 確かに俺はダリオたちに依頼報酬の一部をくれと言った。

 だが、それはギルドの受付嬢に教えて貰った正当な取り分だ。

 それに比べて彼らの言うことは完全にいちゃもんに過ぎない。


 俺は無言でダリオを睨み付ける。

 すると、そんな俺の表情を見たダリオは呆れたような顔をすると、後ろに立つ三人に声を掛けた。


「おい、お前ら。金目のモンを探せ。徹底的にだ」

「はいはい」

「素直に出せばよいものを……まったく面倒ですね」


 ジーニとガレリオは面倒くさそうに答えると、部屋の中を物色し始める。

 のこったジャコモは、俺の大事な女神像をダリオに手渡すと「それはどうします?」と尋ねた。


「こんなボロボロのうす汚ぇ木像なんて金になるかよ」

「やっぱそうっすよね。それじゃあオイラも部屋の中探して他のものみつけるっす」


 ジャコモはそう言うと、頭を掻きながら他の二人同様に部屋中を荒らし始める。

 部屋中をどれだけ探してもたいしたものは出てこないというのに。


「所でよ、お前」

「……」

「このボロい人形をやけに気にしてたじゃねぇか? 何かあんのか?」

「……それは俺の両親の形見だから……」

「形見? こんなボロボロのゴミみたいな人形が?」


 ダリオは俺の言葉が信じられないのか、女神像をくるくると回しながら眺める。

 その女神像は確かに俺の両親が残してくれた唯一の形見である。


 十年前、両親がこの女神像を俺の誕生日にプレゼントしてくれた時のことは今も忘れられない。


『この女神様はね。この地方に伝わる十年女神様と言って十年間願い事を祈り続けると、その願いを叶えてくれるって言い伝えがあるの』

『今から十年だと、ちょうどお前が成人を迎える頃だと思ってな。それでこれをお前にプレゼントすることにしたんだ』

『十年……そんなに掛かるの? 僕、すぐにでもお願いしたいことたーっくさんあるのにっ』

『昔からどんなことも十年やり続ければ一流になれるって言われてるだろ? だから願いも十年でやっと一人前になるのさ』

『そうなんだ』

『十年後、エルはどんな大人になっているかしらね』

『お嫁さんとか連れてきて、俺たちの後を継いでこの村を守ってくれてたりしてな』


 父はこの町から遠く離れた山奥の村に派遣された警備兵だった。

 母とそこで出会い、そのまま結婚して専属となり村を時々現れる魔物から守る仕事をしていた。


 山奥と言っても近くにダンジョンや魔物の巣も無い穏やかな場所で、現れても村を警備する男衆だけで簡単に撃退できる魔物ばかりだった。

 しかし、あの日。

 僕に――俺に女神像をくれた翌日……村は突然現れた強力な魔物によって全て破壊され、燃やされ、村人は殺されてしまった。

 瓦礫の下で母に抱きかかえられるように倒れていた俺一人だけが、その村の生き残りだった。


「リーダー、何もありませんぜ」

「売っても碌な金になら無さそうなモンばっかりだわ」

「どこかに正規会員になってから装備を揃えるためにお金をため込んでいると思ったんですが、ハズレですねこれは」


 部屋中を荒らし回り、ベッドや家具も壊して念入りに探した後、三人は疲れをにじませた声でそう報告をする。

 あたりまえだ。

 お前たちファングから報酬を別けてももらえず、クズ素材を売って日々をしのいでいた俺に、そんな金を貯めるだけの余力なんて無かった。

 だがダリオはそう思わなかったらしい。


「本当か? もしかしたらどこかにわからないように隠してるんじゃ無いか――」


 ダリオはそう気持ち悪いまでに胸糞悪い表情を顔に浮かべると、僕に向けて差し出していた拳を大きく振り上げる。


「何をする気だよっ!」

「何をって。これだけ探しても見つからないのなら、一番怪しいのは必死にお前が守ろうとしてたこの像しかねぇだろ?」

「それは普通の像で、中は空洞でも何でも無いんだ! 中になんて何も入ってないっ」

「必死だな。ますます怪しくなってきた――ぜっ!!」


 そう口にすると同時だった。

 大きく振り上げた像を握ったままの拳が勢いよく振り下ろされたのは。


 バグアッ。


 床に勢いよくたたきつけられた形見の女神像は、そんな音と共に木片を飛び散らした。


「うわあああああああああああああっ」


 一体何が起こったのか、その瞬間僕の頭は真っ白になって、床に散らばった女神像の欠片を拾い集めて抱きかかえるようずくまった。

 しかしそんな俺の体はあっさりとダリオたちに床から引き剥がされると、部屋の脇に放り投げられる。


「ったく。うっさいわね」

「近所迷惑も甚だしいですね」


 自分たちのことは棚に上げて、そんなことを吐き捨てる二人。

 その横でダリオとジャコモは僕がかき集めた女神像の欠片をつまみ上げる。


「なんでぇ。本当に何も入ってねぇじゃねぇか」

「期待して損したっすね」

「今までの奴らはそれなりに溜め込んでたってのによ。こいつは本当に何をやらしてもダメな奴だったってことか」


 つまんでいた女神像の破片を、興味を失ったのか部屋の隅に投げ捨てるとダリオは立ち上がって俺の前まで歩いてくる。

 しかし俺はそんな奴の顔よりも、破壊されて原形を失った女神像から目が離せなかった。


 十年前。

 あの惨劇から持ち出せたのは形見である女神像だけであった。

 一時期孤児院に入り、独り立ちの年齢となって今までずっと俺は女神像と一緒にいた。

 なのに、今その女神像は修復不可能なまでに壊されてしまった。


「ちっ、仕方ねぇ。それじゃあこうしようじゃねぇか」


 ダインは俺の顔を無理やり上げさせると、口から臭い息を吐き出しながらこう言った。


「俺たち今度ランクアップ祝いのパーティをするからよ。そのパーティ資金だけ作って持ってこい」

「パーティ?」

「ああ。俺たちは今回の依頼達成でパーティーランクのアップ条件が満たされたからな」


 そういえば聞いていたような気もするが、パーティメンバーでも無い俺には関係ないことだと詳しい話は聞かされてなかった。


「四日後だ。四日後の朝、集金に来てやる。その金と引き換えで証明書にサインしてやらぁ」

「それまで必死で金を集めてくるっすよ」

「はした金だったら証明書はナシだかんね」

「死ぬ気でやれ。それが無理なら金貸しでも回って金を集めてくるんだな」


 ファングの面々がそれぞれ吐き捨てるように言い残すと部屋を出て行く。

 最後に残ったダインは、うつろな目をして話を聞いていた俺の肩を叩くと立ち上がった。


「それじゃあ四日後までに金を出来る限り用意しておけ。逃げんじゃねぇぞ」


 床に唾を吐いてから出口に向かい、ダインは最後にこう言い残し部屋を出て行った。


「ったく。こんな情けない奴が俺に逆らうとか『十年早い』ってんだよ」


 散々荒し尽くされ、床には粉々になった女神像の破片が飛び散った部屋を眺めながら絶望に心をむしばまれ……俺はそのまま意識を失ったのだった。



     ☆     ☆     ☆     ☆



『……なさい……』

「ん?……誰だ?」


 誰かに呼ばれたような気がして、俺はゆっくり目を開ける。

 多分、目は開けているはずなのに何も見えない――闇だ。


『……目覚めなさい……』

「誰だ!?」


 確かに聞こえたその声は女性の声だった。

 と同時に、指先さえ見えない闇の中に一本の光の筋が闇を真っ二つに裂くように現れた。


「なんだ、あれは」


 俺がその一本の細い光の糸に気がつくと、それを待っていたかのように細い糸程度だった光が一気に広がり始め。


「うおっ……眩しいっ」


 広がった光に飲み込まれたと思ったその時、また先ほどと同じ女の声が聞こえた。


『目覚めましたか、エルネスト』

「誰だ? ここは何処だ……俺は確か部屋で……うっ」


 頭の中にダリオたちに荒らされた部屋と、散り散りになった女神像の破片が浮かぶ。

 そうだ、俺はあのまま気を失って――


『ここは願いの空間』

「願いの空間?」


 少し痛む頭を抑えながら、光に慣れてきた目で周りを見回す。

 そこは真っ白く何も無い場所で、空も地面も区別が付かない不思議な場所であった。


「夢じゃ無いのか? それにアンタは誰だ? どこにいる?」


 こんな非現実的な景色は見たことが無い。

 それに遮るものは何も無い場所なのに、当の声の主の姿が見えないのが不思議だった。


『私は女神ルティスと呼ばれる存在です。声だけでは不安がらせてしまうようなので、貴方たちが知る姿を作りましょうか』


 女神ルティスと言えば、俺が大事にしていた女神像のモデルになった神様の名前だ。

 信仰されている土地はそれほど多くないため知る人は少ないが、俺が生まれた村ではこの国の主神である『ゼリス神』と共に大事に奉られていたのを思い出す。


「あ、ああっ」


 俺の目の前で光が集まる。

 そしてその光が一人の女性の姿に変化していった。

 その姿は、かつて村長の家で見た女神ルティスの絵に似ている。


『これならいかがですか?』

「ほ、本当に女神様なのか……なのですか」

『はい』


 どうして女神様がという思いと同時によみがえるのは、あのバラバラに破壊された女神像の姿だった。


「すみませんでした!」


 俺はその場に座り込むと頭を女神様に向けて勢いよく下げ謝罪する。


「俺は、女神様の像を守れませんでした」


 多分これは夢に違いない。

 女神像を壊された俺が、都合の良いように作り出した夢だ。

 女神像が壊されたことを信じたくない俺が作り上げた幻だ。


『あれは貴方のせいじゃありません。頭を上げて下さい』

「ですがっ」


 本当に都合の良い夢だ。

 俺はこの夢で謝ることで女神様に……そして像をくれた両親に許して貰おうと心の中で思ってしまったんだろう。


『貴方は本当に優しい人なのですね。ですがここは願いの空間。貴方が懺悔をする場所ではありませんよ』

「……俺は優しくなんてないです。今だってダリオたちを殺してやりたいとすら思って……」

『それ以上はいけません。本当に闇に飲み込まれてしまいますよ』


 女神様は優しくそう言うと、俺の両肩に手を置いた。

 同時に両肩から伝わってくる温かな何かが俺の中を満たしていく。


「女神様」


 俺が顔を上げると、そこには神々しい輝きを放つ女神るティアの慈愛に満ちた顔が僕を優しく見つめている。

 その顔を見ていると、先ほどまで心の中にあった後悔や恨み、怒りの感情が薄れていくのを感じた。


『十年です』

「はい?」

『貴方は十年、私に願いを届けるために祈り続け、そしてその願いが届きました』

「……」

『そして私はその貴方が込めた十年の願いを叶えるためにここにやって来たのです。決して貴方の懺悔を聞くためでは無く』


 俺は彼女の言葉を信じられない思いで聞いていた。

 確かに両親から女神像を手渡された時に、十年間願いを込めれば叶うという話は聞いていた。

 だけどそれが本当だとは心の底から信じていたわけじゃ無い。

 ただ、両親が最後に残してくれた形見だったからだ。

 十年、本当に両親が言ったように祈りを捧げることで両親や村の人たちへの供養になる。

 そう思って続けてきただけなのだ。


「やはり夢か」

『夢ではありませんと言っているでしょう』

「じゃ、じゃあ願いが叶うのですね!?」


 俺は半信半疑で女神様に詰め寄った。

 後で考えると失礼極まりない態度だったが、女神様は特に不快な顔もせず答えてくれたのだった。


『はい。といっても貴方の願いはとても種類が多くて、どれか一つを選ぶことが出来ませんでした』

「す、すみません」


 たしかに女神像に祈りを捧げる時、毎回のようにその日「こういうことが出来たら良いな」「こうなりたいな」と思ったことを願いにしていた。

 優柔不断というか一つに決められない性格は、自分自身時々嫌になってしまう。


『ですので貴方に一つの能力を授けることにしました』

「一つですか」

『不満そうですね』


 内心が顔に出ていたのだろう、女神様は俺のそんな態度を見て優しくわらうと話を続ける。


『安心して下さい。これから授ける能力は、貴方の色々な願いを叶える力になるでしょう』

「それって」

『私から授ける能力、それは――』


 女神様はそう言いながら座り込んだままの俺の頭に優しくその美しく綺麗な手を置くと、こう言った。


『スキル【十年早い】を貴方に授けます』


 その言葉と共に女神様の手から俺の体に光が流れ込む。

 そして一瞬体全体が眩しい光を放ったかと思うと、俺の中で何かが『生まれた』ような気がした。


「これが……神の力……」

『はい。ちなみにスキルの名付けは私では無くゼリスのセンスですので苦情があればそちらへおねがいしますね』

「ゼリスって主神の?」

『はい。スキルを作る時にゼリスの許可が必要なのですが、名付けをさせろといつも五月蠅くて』


 なんだか突然フランクになった女神様に戸惑いながら、俺は肝心なことを尋ねるために口を開く。


「それでこの【十年早い】というスキルはどういう能力で、どう使えば良いんでしょう?」


 せめて【火の玉】とか【俊足】とかいう名前なら能力は想像出来るが【十年早い】と言われても訳がわからない。


『そのスキルは、わかりやすく言えばどんな人にもなれる能力なのです』

「どんな人でもですか?」

『はい。といってもその種族の最大値までという限界はありますが』

「最大値?」

『最大値と言ってますが数字に表せるものでは無いのでわかりやすく言葉にしただけですが、例えばあなたは今まで『十年早い』と言われたことはありますか?』


 十年早いか。

 確かに今までの人生で何度も言われた言葉だ。


 魔物を操り、世界を我が物にしようとした魔王から世界を救ったと言われる伝説の偉人ゼルリアスが口癖のように使っていた言葉で、どんなことも十年やり続ければ一流になれるという意味なのだそうだ。

 彼の伝記によれば、実際セルリアス自身が十年間剣の修行を続けて世界を救うだけの力を得たらしい。

 今でもその伝記は世界中で子供の寝物語になっている。

 そのおかげで誰もが自然に使ってしまうのだ。


 そう、部屋を荒らして帰って行ったダリオが最後に言い残していったように。


「何度もあります。ついさっき、気絶する前にもそう言われた所です」

『それはちょうど良かった!』


 女神様が嬉しそうな声をあげて小さく飛び上がると、その綺麗な両手をパチンと打ち鳴らす。

 何が嬉しいのかと訝しげな視線を送っている俺に気がついた女神様は「あっ、説明しますね」と、少し乱れた裾を直しながら教えてくれた。


『私が授けたスキル【十年早い】は――』



     ☆     ☆     ☆     ☆



「よぉ、エル。金は用意出来たか?」


 あれから四日。

 ダリオとの約束の日の朝、俺はファングの使いでやって来た男から教えられた町外れの廃倉庫にやって来ていた。

 案内の男はそこで待ち受けていたジャコモに小遣いを貰うと、そそくさと町の方へ逃げていき、俺だけがジャコモに連れられて倉庫の中に案内された。


「聞いた話だとお前、ずっと部屋に籠もってたらしいじゃないか?」

「金策もせず何をしてたんだか」

「どうやらこの証明書は要らないらしいっすね」


 ジャコモが鞄から冒険者認定報告書を取り出して、ひらひらと揺らしてみせる。


「もしかしてギルドに告げ口でもするかと思いましたが、それすらもしないとは。ここまで腰抜けだと泣けてきますね」

「まぁ、ギルドに駆け込んでも意味は無いがな」

「今までも何人かそういう馬鹿がいたけどねぇ。今はこの町の何処にもそいつらはいなくなっちまったわね」

「どういう意味か、お前のような無能でもわかるっすよね?」


 もしかしてとは思っていた。

 こいつらの言動や行動からして、俺が初めての被害者では無いのではと。

 だが、どうやら思っていた以上にこいつらは――


「金も作れねぇ無能に金を作らせるにはどうしたら良いか知ってるか?」


 嗤いながら近寄ってきたダリオが、俺の襟首を掴みながら顔を近づけて来る。

 そして臭い息に眉をしかめた俺の首を締め上げるように持ち上げる。

 若い頃から格闘技を学んで来たダリオと俺の体格差はかなりあるため、俺の足が宙に浮きかけた。


「知りませんね。それより口が臭いんで離れて貰えます?」


 そんな状況でも俺は恐れもせずそう口にする。

 四日前の俺では考えられなかったことだ。

 だが、ダリオたちはそんな俺の言葉を強がりだと勘違いしたらしい。


「口の利き方も知らねぇお前に教えてやるよ。奴隷商人に売るんだよ!」


 唾を飛ばしながらそう叫ぶダリオに追従するように、ファングの面々から嘲りを含んだ声が投げかけられる。


「あんた見たいにヒョロッとした役立たずのガキじゃあ、たいした金額にゃならないだろうけどねぇ」

「くひひっ。でも昨日奴隷商に聞いたら、こういうのが好きな金持ちも居るって話でしたぜ」

「前回の子は高く売れましたが、コレはそこまでの価値はないでしょう?」


 どうやら俺の前にも同じように奴隷商に売られた人が居るようだ。

 その彼も……いや、彼女かもしれないが、多分今の俺と同じ位に悔しかったろう。

 哀しかったろう。


「……お前ら、一体どれだけの人を食い物にしてきたんだ」


 俺は襟首を掴むダリオの手首を握ってそう尋ねる。

 だが、彼らから帰ってきたのはそんな俺の言葉を馬鹿にするものばかりだった。


「そんなの覚えてるわけねぇだろ」

「お前は今まで売った魔石の数を覚えているか?」

「三人目までは覚えているけどねぇ。忘れちゃった」

「たしかこいつで五人目っすよ。あっしは物覚えが良いんで」


 俺で五人目。

 つまり今までこいつらは四人もの人の人生を狂わせてきたということか。

 いや、奴隷商に売られたのが四人で、他にも数多くの被害者はいるかもしれない。


「わかった。お前たちはやはり許してはおけない存在だ」

「何を言ってるんだお前? 誰が誰を許すって?」

「ダリオ、お前は格闘技を何年修行した?」

「何だ突然?」

「いや、聞かなくてもわかる。お前はどうせまともな基礎も学ばずに自らの体の強さだけで今までやって来れただけだ」


 そこまで言ってから俺は伏していた顔を上げて、目の前のダリオを睨め付けて叫んだ。


「俺は十年だ! 十年間、毎日休まず修行をした!」


 ゆっくりと。

 ゆっくりとダリオの手首を掴んだ手に力を込めていく。


「は? お前何を言ってるんだ?」

「そいつ、自分が売られるって聞いて頭でもおかしくなっちまったんじゃないっすかね」

「そうかもしれねぇな。こいつが格闘なんて出来るわけ――ぐぎゃあっ」


 半笑いでそう口に仕掛けたダリオの口から、悲鳴が上がる。

 と同時に、ボキッという鈍い音が倉庫に響き渡った。


「ダリオ?」

「どうしたっすか!?」


 突然俺の目の前に手首を押さえてしゃがみ込んだダリオの姿に、ファングの面々が戸惑いの声を上げた。

 悲鳴の理由は俺だけが知っていた。


「てめぇ……何しやがった」


 僅かばかり目尻に涙を浮かべながらも、強い殺意を込めて俺を睨み上げるダリオ。

 俺はその目を真っ直ぐ見返し「何って? 手首の関節を外しただけだけど?」と、乱れた襟元を直しながら答えてやった。


「手首の関節だと……」

「ああ、さすがに臭い息だけじゃ無く唾まで顔に飛ばされちゃね。君たちもよくこんな男の下についてるよね?」


 今度は俺が馬鹿にしたような声で、ダリオの後ろで殺気を放っている三人にそう告げる。

 すると三人は一斉に俺の周りを取り囲んだ。

 慣れた動きは、さすがに何年も同じパーティを組んできただけはあると感心する。


「四人がかりですか? いいですよ。どうせ全員ここでぶち倒す予定でしたから」

「くっくっく。俺の油断を突いて偶然手首を外せたからっていい気になるなよ」

「偶然?」

「ずっと部屋に籠もって何をしてたのかと思ったら、格闘の本でも読んで関節外しの練習でもしてたんだろうが、だがそんな付け焼き刃な技じゃ役に立たねぇんだよ」

「実際役に立ってるじゃ無いですか。現実を認められないとはね」


 そんな簡単な挑発に、日頃から馬鹿にされることになれていないのだろう四人の殺意が一気に膨れ上がるのを感じた。


「奴隷商に売るのはもうやめだ。今からこいつをぶっ殺す」

「賛成っす」

「あたいも賛成だね。こんな奴を売ったってどうせはした金にもなりゃしない」

「はぁ。後始末も大変なんですからね」


 それぞれ得物を構えながらそう言うと、四人は目配せをし合う。

 そして――


「殺っちまえぇぇ!!!」

 

 ダリオの号令と同時に四人が四方から同時に襲いかかってきたのだった。



     ☆     ☆     ☆     ☆



『私が授けたスキル【十年早い】はですね。誰かに十年早いと言われたら、十年間修行をしてそれを身につけることが出来るスキルなんです』

「意味がわからないんですけど」

『あなた、そのダリオとかいう男に『俺に逆らうには十年早い』って言われたんですよね』

「はい、言われましたけど」

『だったら十年間修行をしてから逆らえば良いんですよ』

「何を言っているんですか女神様。今から俺に十年修行しろと? アイツが金を取りに来るのは四日後なんですよ?」

『四日もあれば十分です』

「いや、十年修行しろって言いましたよね?」

『ええ、十年修行すれば大抵のことは出来るようになりますからね』

「でも四日しか無いんですよ? 聞いてました?」

『もちろん。ですから四日で十年分の修行をすれば良いんです』

「は?」

『正確には三日間ですね』

「いやいやいや。三日と十年分の修行とか無理ですって」

『いいえ。このスキル【十年早い】があれば可能です。なぜならこのスキルは三日間で十年分の修行が可能になるスキルなんですから』

「それは本当ですか?」

『女神、嘘つかないですよ。ついたら天界を追放されちゃいますし』

「でも修行ったってどうすれば。スキルを発動しろって念じてから運動したらいいんですかね?」

『違います。スキルが発動すると貴方の意識と体は修行場へ飛ばされるので、そこで修行をして貰うことになります』

「修行場ですか」

『ひあ。その修行に必要な道具とかものが全て揃っている上に、なんと今回は修行をしてくれる先生も付いちゃうんです!』

「先生もですか。それはありがたいですけど、その人もどこかから連れてくるんですよね? 三日間も勝手に連れてこられたら怒るんじゃ……」

『大丈夫ですよ。先生になるのは天界の神々ですから』

「えっ、今なんて?」

『天界の神様たちですよ。皆、十年間女神像に願いをし続けた人間なんてゼルリアス以来だって興味津々で』

「ゼルリアスって、もしかしてあの伝説の?」

『そういえば彼、地上では偉人になったんでしたね。あの時確か彼に与えたスキルは――』

「やります。修行、やらせていただきます!」

『突然やる気になりましたね』

「そりゃあの伝説のゼルリアスと同じになれるなら誰だってやる気になりますって」

『でも彼に授けたのは――』

「それで、どうすれば【十年早い】スキルは発動できるんですか!?」

『……はいはいわかりました。それじゃあ目を閉じて頭の中に自分が十年早いと言われた場面を思い出すの』

「はい、思い浮かべました」

『それから十年間、何を修行すればその『十年』に追いつけるのかを想像してからこう言うの――』


 女神様は俺の耳元にみずみずしく美しい唇を近づけて囁いた。


「わかりました」


 俺はそう返事をすると大きく息を吸い込んでから


「十年早いんだよ!!!!」


 女神様に教えて貰ったその言葉を俺は叫ばなくてもいいのにそう叫んだ。


 次の瞬間、俺の心の中に女神様の声が聞こえてくる。


『十年の修行は大変だけど、がんばってね』


 そして、目を開くとそこは女神様が言っていた『修行場』らしき場所に変わっていたのである。

 広い地平線と雲一つ無い青空。

 明るいのに陽は昇っておらず、いったいどこから光が差してくるのかわからない不思議な空間。


 周りを見渡すと小さな家が一軒だけぽつんと建っていて、その前には何に使うかはわからないけれど、人目で今回の修行に使うのであろうと思われる器具が何個も置いてあった。

 そしてその家の前に一人の男が仁王立ちでこちらを見ている。


「もしかしてあの人が修行をしてくれる神様なのかな」


 僕は急いで家に向かって走ると、その立派な体躯をした男神の前に立ち腰を九十度曲げて挨拶をした。


「神様、今日は俺の修行のために来ていただいてありがとうござい――」

「まて」

「はい?」

「俺のことは神様ではなく『師匠』と呼べ。そしてこれから先お前を担当するであろう奴らもそう呼ぶのだ」

「し、師匠」

「うむ、それでいい。ではさっそく修行に取りかかろうか」

「えっ、もう始めるんですか?」

「当たり前だ。たった十年でお前を仕上げねばならないのだからな。遊んでいる暇は無いぞ」

「たった……」

「それではまず基礎体力作りからだ! 走るぞ!!」

「ええっ!?」


 それからの修行の日々は、簡単に言えば地獄だった。

 十年間鍛えに鍛えられ、厳しい修行に逃げ出すことを考えたのも一度や二度では無い。

 だけど、その度にダリオやファングの連中の顔と、粉々にされた女神像の姿が頭に浮かんだ。


「今日で十年目だ。よく頑張ったな」

「はい! 師匠」


 最初はすぐに倒れ込んでていた修行内容も、今では息一つ切らさず終えることが出来る。

 十年前の俺とは明らかに違うのを実感する。


「では最後に私と戦って修行の終わりとする」

「胸を借りさせていただきます」


 俺は、今持てる力の全てを振り絞って師匠に戦いを挑み――負けた。


「さすが師匠です……」

「はははっ、私も神だからな。そう簡単に負けるわけにはいかないのだ。しかし、今のお前ならあのダリオとかいう者には負けはせぬよ。保証しよう」

「神様の保証ですか。それは心強いですね」

「神の言葉は重いぞ。もしお前が万が一負けるようなことがあれば俺は嘘つきと言うことになってしまうわけだからな」

「それは大変ですね。絶対に負けるわけにはいかなくなりました」

「はっはっは。なら負けるな。勝てよ」

「はい! 師匠!」


 俺は師匠に倒されて大の字になったまま目を閉じた。

 体中が心地よい疲れに満たされていく。


 そして目覚めたのが昨日の夜。

 女神様から話を聞いてから三日後のことだった。


 俺は確かに三日間で十年分の修行を終えたのだ。


「十年……か。本当に十年修行をすれば俺でもこんなに強くなれるんだな」


 廃倉庫の中。

 ボロボロになり、曲がってはいけない方向に関節を曲げた状態でうめき声を上げているファングの四人を見下ろしながら俺は思い出していた。


「さて、そろそろ全員目を覚ましたみたいだね」


 俺は腰掛けていた木箱から立ち上がると、ファングの四人に向かってそう言った。

 これからこいつらの侵してきた罪を洗いざらい吐かして、その証拠も差し出させた上でギルドに引っ張っていくつもりだ。

 あそこにはこの町の治安を守る警備兵の詰め所もあるし、何よりこいつらに食い物にされた冒険者についてギルドの力でなんとか出来るならやって貰わなければならないからだ。


「それじゃあ、洗いざらい話して貰うよ。お前たちが今までやって来たことを全てね」


 俺は出来るだけ冷たい声を心がけながらそう告げる。

 きっとこいつらだけじゃ無い。

 夜に行われるパーティに呼ばれているであろう奴らも碌な奴らじゃ無いはずだ。

 出来ればそいつらも道連れにしてやる。


「ダリオ。まずはお前から話を聞かせて貰うとするかな」

「ひいっ」


 完全に逆らう気力も無さそうなそんなダリオの顔を見下ろしながら俺は思った。


 今夜のランクアップパーティが楽しみだ。


思ったより長くなってしまいましたが、当初の予定通り主人公がスキルで解決するまでなんとか書き切ることが出来ました。


もし面白いと思っていただけましたら、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして評価を頂けますと幸いです。

面白くなかった。もう少し頑張れ等と感じた場合は★や★★などで意思表示して貰えば次回作の反省材料とさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

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