第5話 練習とお宅訪問
昼過ぎ。
ビジネスホテルの一室に三好の姿はあった。
深夜から明け方に掛けて怒涛の展開?を過ごした三好は疲れを取るため近場の安いホテルで宿泊。
疲れが取れ、伸びをする三好。
三好 「勝川さん、おはよう。」
一晩立ち、憑依等の濃い経験を共有した勝川へ親近感を少しずつ感じつつ、三好の中へ声を掛ける。
(三好君、おはよう。
憑依が続いとるが体調はどうかね?)
三好 「はい、大丈夫そうです。お気遣い、ありがとうございます。」
まだまだ固い三好であった。
☆☆☆
(三好君、少し練習をしよう。)
三好 「練習ですか?」
(うむ。現状、三好君はワシに話す場合、声を出すじゃろう?
それだと傍目からは独り言の気味悪い男だからのぅ。
心の中で話し掛けてみてくれ)
三好 「あー確かに。そんな目で見られるのは勘弁ですね!」
(三好君の練習のついでに、孫の確認の打ち合わせをしようかのぅ)
三好 (了解です。)
こんな感じかなぁ?と微調整しつつ、この日は打ち合わせと練習で過ぎて行くのであった。
☆☆☆
翌日の昼過ぎ。
宿泊したビジネスホテルから1時間程離れた町の中の一軒家。
ピンポーン
中から「はーい」とご高齢の女性の応答の声が響く。
玄関に立つは、勝川憑依中の三好である。
勝川の記憶通り、この時間帯は勝川の奥さん、聖子さん一人のようだ。
一歩間違えばオレオレ詐欺の受け取りに来た人や、訪問販売のセールスマンに間違われたり等、危険と隣り合わせである。
三好の背格好は中肉高背、ワイシャツにチノパンのような格好である。
身だしなみは極力ホテルで整えて来た。
緊張しながら少々待ち、ガラガラッと玄関のガラス扉が開く。
玄関を開けて現れた、ふんわり雰囲気のお婆さんに、三好の中の勝川がジーンと震えており、走馬灯のような映像が三好にも共有される。
勝川の映像に頬が赤くなるような、感覚共有で三好の眼の端に光るものがあるような、そういった物を抑えつつ、声を発する。
三好 「初めまして。三好と申します。」
特にストック等、ありません。
書いて確認、投稿、の流れです。
実は行き当たりばったり。