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第4話 憑依実験と報酬詳細

設定話になります。

描きたい事いっぱいで長くなりました。

夜中の山奥、川に掛かる橋の横の駐車場で三好の驚き叫び声が響き渡る。

当然、周りには誰も居ないので問題はない。



三好 「か、勝川さんどこ行っただ?」

驚きで口調の崩れた三好。

そんな三好を内側から楽しむ勝川。


(ほほぉ~。無事に成功したようじゃな。)


やっぱり内側?頭の中に響くように勝川の声が聞こえる事を確認しながら、三好が問い掛ける。



三好 「勝川さん。俺の中ですか?」

独り言としてはなんだか危ない発言である。


(うむ。お前さんの中に入れたぞ。

お前さんを一目見た時からピキーンと来ておったのじゃ)



ピキーンってなんだよ?と思いつつ、自分の体を確認する三好。

手足は動く。意識も大丈夫。目も見える。味は…車の中のペットボトルのお茶で確認、うん、大丈夫。



と、自分の身体確認をしている三好の中から、勝川の嬉しそうな声が響く。


(ほほぉ~。久方振りの感覚じゃのぅ。

幽体じゃ何も感じぬからのぅ。)



どうやら三好の感覚を勝川も連動で感じているようだ。

勝川の声をスルーしつつ、確認を継続していく三好。


車から降り、歩く、しゃがむ、走るは問題なさそうだ。

試しに勝川に声を掛け、幽体の出入りも確認したが、それも自由に、問題ない。



次は、と思い立ち、車から離れる三好(勝川憑依)。

離れながら三好は勝川に声を掛ける。


三好 「勝川さん。憑依は初めてだよな?」

(もちろん初めてじゃ!)


三好 「そうか。憑依したまま、地縛霊の領域は出れると思うか?」

(うん?うーむ、まぁ出れるじゃろうなぁ)


勝川は幽霊になってからの、何となくの感覚が備わっているようで直感で答えてきた。

その直感は三好にも憑依状態の為、伝わってくる。



憑依したまま歩き続け、500mを十分越えてから話しかける。


三好 「地縛霊の領域、越えたな。」

(そうじゃの。そうじゃのぅ~。)


勝川の心の震え?感動のような物を感じつつ、勝川が落ち着くのを待つ三好。



☆☆☆


1年振りに川沿いから離れる事が出来た勝川が感動したのを、落ち着くのを待ってから少々。

落ち着いた勝川が話し掛ける。


(待たせてすまんかったのぅ。

やっと川沿いから離れれる事に年甲斐もなく嬉しくってのぅ。)

三好 「いやいや、気にしないでくれ。

勝川さんの役に立てる確証が得られて良かったよ。」


三好は勝川を憑依しながら、孫の現状を確認に行ける算段がついて安堵の息を吐く。



三好 「勝川さん。実験の続きなんだが、地縛霊の領域外で憑依を解除したらどうなる?」

(ふむ。やってみよう。)

と早速三好の体から出る勝川。

すると勝川は磁石で引っ張られるように川の方へ飛んで行く。

勝川 「ぬわぁっ」


川へ飛んでいく勝川を見つつ、納得の顔を浮かべる三好であった。



☆☆☆


駐車場へ歩いて戻ってきた三好。

勝川はぐったりした顔で車の所で待っていた。

自分で飛ぶのは良くて、引っ張られるのは慣れないらしい。

車酔いと似たような物か?と考えつつ、ぐったりした勝川へ声を掛ける三好。


三好 「勝川さん。大丈夫ですか?勢い良く飛びましたね!」


勝川 「あんな経験、こりごりじゃ」

幽霊のぐったり顔なので中々の迫力だ。



時間を置きつつ検証を続ける三好と勝川。

結果として分かったのは、

憑依した状態なら勝川は川から離れれる。

憑依中、三好の感覚を勝川も共有出来る。

領域外で憑依解除すると、勝川は川へ飛ばされる。


これらの事柄は上記の実験で判明した。

更なる実験で判明した事柄もある。


憑依中、勝川がイメージした記憶や映像を三好も読み取れるようである。

お陰で、勝川の家族の顔や情報等も共有出来た。

更に、意識する必要があるが、どうやら勝川の視覚も共有出来るようだ。


共有したとたん、三好は「ウッ」と呻いて視覚共有を切った。

勝川の視覚ではどうやら、幽体も見放題のようだ。

こんなに多く、なおかつバリエーションがあるとは思わなかった三好は、なんとか呻くに留めたのだった。


☆☆☆


三好 「勝川さん。憑依についてはある程度実験出来ましたが、これが報酬に繋がるのですか?」


初憑依から3時間程経過し、辺りもだいぶ明るくなってきた。

そろそろ話の締めかと問い掛ける。


(ふむ。お前さんの中に入った感覚で確信へと至ったのじゃ。

ワシが成仏する時にのぅ、お前さんに憑依しとけばワシの経験や能力をお前さんに遺せそうじゃ!)


三好 「経験や能力を遺す?それは凄いのか?」

(暢気やのぅ。例えば経験とはワシの場合商才じゃのぅ。まぁまぁ自信はあるぞ)


三好 「ふーん、成る程。勝川さんの経験をゲットかぁ」

手持ちの資本の無い三好はピンと来ない様子。

スタートの資産が無ければ商売は難しい。

商才だけ有っても宝の持ち腐れである。



(まぁ追々驚くと良いのぅ。

後は能力なのじゃが、例えば幽体を見れる目や、幽体としての能力も多少は残るはずじゃよ)


三好 「ほぉ!まだそっちの方が分かりやすい。幽体を見て何が出来るかは要検証だな」




こうしてはじめての幽霊の依頼が始まったのである。



ここまででまだ、三好、勝川、勝川奥さん、勝川孫の話しか出てない。

次の話で勝川家訪問したいです。


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