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第1話 はじめての幽霊

時刻は男が気絶してより5分程の後、呼ばれた声に反応して意識を取り戻してきた。


「おぉ~い 起きてくれ」


「うぅ、呼んでる?誰だぁ?」


男は徐々に瞼を上げてゆき、視界が開けてきた。

辺りは真っ暗な橋の上、100m置きの外灯の明かりを頼りに周りを見渡す。


2m程離れた所に壮年の男性が立っていた。



寝ボケ眼のようなショボショボする目で男性を見つめると不自然な点に気付く。

壮年の男性は全体的に色が無く、あえて表現をするなら白いのである。

更に言えば、これは決定的であるが、背後が透けていた。


「………」



初めてみる人間?現象?に男は固まった。



その様子を見ていた壮年の男性?は呆れた顔をしたかと思えば、

「気絶したり固まったり、忙しいのぉ」

と声を掛けてきた。



改めて見つめてきた壮年の男性?は、

「初めまして。 会話は可能かの?」と問い掛ける。


「エッ!は?はい。可能です。」

と返事をしつつ、目は?マーク。

混乱の極みである。



そんな様子を確認しつつ、これ以上ダラダラするつもりも無い壮年の男性は勝手に進めていく。


「ワシは勝川(かちがわ) 正治(まさはる)

見た通り?の棺桶に半分突っ込んだ歳のじいさんだ。

まぁ本体は川の底だから、棺桶が必要では無いがのぉ」

と自虐ネタをぶっこんだ自己紹介をしてきた。



笑えねぇ~

と思いつつ、引き攣りながら返事の自己紹介を男がする。


「俺は三好(みよし) 瑞穂(みずほ)

女のような名前だけど、見た目通り男だ。」

と、こちらも自虐風な自己紹介をする。



この二人、世代や、生者死者等のような違いはあるが、どことなく似ているのかもしれない。



勝川 「珍しいが良い名前だと思うぞ!」


三好 「良かろうが悪かろうが、苦労した名前だよ。まぁ、ありがとうございます。」

と照れつつ返事をする。


勝川 「さて、三好君。色々お願いしたいのじゃが、宜しいかの?」


? お願いしたいこと?

自殺しようと夜中に橋の上へ行き、覚悟が決まらず幽霊にビビり気絶した三好には、今日は今から死ぬのは無理だなと諦めつつ、勝川に対して頷くのであった。


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