第57話 スラム支店は大繁盛
「いやー、すごかったな」
「本当にすごい」
《ビッグ・アマゾーン》スラム支店は、開店15分で売切れになってしまった。
そもそも、先に買った女の子達が相当自慢したみたいだ。
開店前から10人以上が並んでいたぞ。
若い子が半分、おばさんが半分。
開店してからは、続々と集まってきて商品の取り合いになってしまった。
全部で150枚もあったのに。
「今日は売り切れです。明日又、売り出します」
もう商品はないのかと騒いでいるお客さんたちを無理やり追い出して、店を閉めた。
青髪少年とふたりになってやっとおちついて話ができる。
「ふう」
「明日も同じだけ売るのか?」
「ああ。また、女の子達を仕分けに手伝ってもらおう」
「別の女の子にしよう」
「えっ、なぜ?」
「昨日、仕分けに参加しなかった女の子達に怒られてるんだ」
「あー、先に買ってたもんな」
「そう。ずるいって」
まぁ、別の女の子でもいいか。
やり方は昨日と一緒で、青髪少年が理解してくれている。
「じゃあ。今日は別の3人の女の子とおまえでやってくれ。俺はいなくて大丈夫か?」
「はい。もちろんだよ」
この調子だとあっと言う間に220㎏ある服が売れてしまいそうだ。
もっと買えないか、相談しないとな。
45㎏で6000円出せば買えないことはないだろう。
友人に相談しないとな。
☆ ☆ ☆
「どうだ? 転売はできたか?」
「それが、今、売れた分でトントンくらいだな」
「あー、あまり儲かってないのか?」
「お前の買ってくれた分があるからトントンになっている。全部売れたら、仕入れの倍くらいになるんだがな」
微妙な結果だな。
まぁ、まだ、フリマアプリとオークションで売り出して3日だというからな。
まだ、可能性はあるんだろう。
「じゃあ、また、仕入れたりしないのか?」
「もうちょっと売ってみてからかな。何が売れるのかを把握しないと儲かりそうもないしな」
うーん、そうなるのか。
こっちはあと3日で商品が底をつきそうだが。
「もっと売れそうもない古着が欲しいんだが」
「えっ、もう、あんなにあった古着を売ってしまったのか?」
「まぁー、もうちょっと、ってとこかな」
「すごいな。それなら、仲間に声を掛けようか」
「おっ、そうか。他にも古着を仕入れた仲間いるのか!」
「ああ。売れそうもないのを抱えて困っているよ」
「それ買う!」
うん。1㎏50円でまだまだ古着が手に入りそうだ。