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第39話 おらおらテンプレがいまごろ発生か?

「うわっ、お店が広くなっている」

「いいだろう。いままでセマセマだったからな」

「これならお客さん、一杯連れてきていいね」

「ん? なんで、君たちがいるの?」


青髪少年が、オレンジ色の髪少女と深みのある青い髪の少女を連れている。

ふたりとも、スラム娼館にいた少女で、13歳と12歳って言ってたな。


まぁ、ハーレム遊びをした5人のうち、一番目と二番目に上の少女だ。


こうやって比べてみると、青髪少年も似たような背の高さだな。

同じくらいの年齢なんだろう。


「このふたり。僕の手伝いをさせていいかな」

「客引きの?」

「うん。どうせなら、もっと多くのお客さん呼びたくて」

「いいぜ。じゃあ、お前がリーダーだ。3人チームの」

「やった。雇ってくれるってよ」

「「わーい」」


そういえば、こいつもスラム脱出組だ。

夜はスラムに帰っているけど、仕事はスラムの外だからな。


「条件はいままで通り、連れてきたお客さんの売り上げの1割だ。もちろん、リピートの時の売り上げを含めてだ」

「はい」

「3人の誰が連れてきても割り戻しは、リーダーのお前に渡す。分配はリーダーのお前が決めろ」

「そうなの? 別々になると思った」

「お前はリーダーとしての仕事をしなければいけない。自分がいかにお客さんを連れてくるか、ではなく。チームで連れてくるお客さんが多くなるように考えろ」


まぁ、人が増えてくると管理が大変になる。

俺が直接対応するのは青髪少年だけにしておけばシンブルだ。

それ以上のことは青髪少年が考えて、うまくやってもらいたいからな。


「じゃあ、お客さん連れてくるね。最初は3人で一緒にいくよ」


うん。いいな、リーダーぼくて。

まぁ、客引きに慣れていない少女たちは言うことを聞いてくれそうだし。


青髪少年に、橙髪少女。

それにカワセミみたいな綺麗な青い髪の少女。

そうだ、瑠璃髪少女って呼ぼうか。


名前って覚えるのが苦手なんだよな。

まぁ、そのうち覚えるかな。


そんなことを考えていると。


「おい! そこのお前!」


おー、すごいぞ。

真っ赤な髪を逆立てた青年が立っていた。


「何か?」

「ここは、お前の店か?」

「そうだが」

「このあたりはな。コブラ一家の縄張りなんだよ。なんの挨拶もせずに店を開いてるのか」


おー、あれか。


おらおらテンプレっていう奴。

普通なら冒険者ギルドに最初に行ったときに発生するイベント。


まぁ、冒険者ギルドにはいかないから、向こうから来たって感じだな。


「いやぁ、常識に疎くて。すいません」

「ん? なんだ、従順だな」


あ、いけない…テンプレだと、俺がイキがるところなのか。

しかし、正直言って腕力は自信ないしな。


「コブラ一家というのは、このあたりをしきっている、なんていうのかな」


ヤクザとか暴力団とか。

それともマフィアとか。


そんな言葉を出したら怒り狂うかもしれないな。


「ああ。このあたりをテリトリーにしているギャング団だ」


よかった、自分で紹介してくれたよ。

ギャングなのか。


「それで、コブラ一家さんがどんなご用件で?」

「そんなの分かるだろう。みかじめ料だよ、みかじめ料」


うん、それはありだな。

別に冒険者ギルドも、それ以外のギルドにも入っていない俺。


まぁ、このあたりを根城にしているギャング団なら、みかじめ料を払うくらいは必要か。

額にもよるけどな。


「あれ。もしかして、スラム出身かな」

「ああ? なんだ。スラム出身だったら、なんだと言うんだ」


当たりみたいだ。赤い髪もスラムで見たし。


「スラムから出て頑張っている人をみたら、応援したくなるじゃない」


最近、スラムの人とつるんでいることが多いからな。

つい、そっちの目線で見るようになっているな。


「へっ、応援だ? そんなことを言ってみかじめ料は値切らないぞ」

「みかじめ料は払うよ。無茶な金額じゃなければね。スラム出身の人達のためになるんならね」

「まぁ、コブラ一家も含めてギャング団はほとんど、スラム出身さ。そうじゃなきゃ、こんなことしてないさ」

「で、みかじめ料はいくらかな」

「まぁ、小さい店みたいだし、週に銀貨1枚でどうだ」


あー、確かに小さい店だな。

勝手に壁を借りているだけだし。

あまり売り上げがないようにみられた気がする。


「いや、それはダメだな」

「なんだぁー。スラム出身者を応援するとか言って、金は出さないというのか!」

「いや、銀貨1枚じゃなくて銀貨3枚でどうだ? 週にな」

「なんで値切らずに、値上げしているんだ? 調子が狂うな」


いままで、バリバリと出していた威嚇のオーラが急に緩んだな。


「だから、スラム出身者を応援したいいったろう」

「お、おう」

「だけど、条件がある」

「なんだ?」

「これから、何か店に妨害が入ったら、調整してほしい」


金を以上、ちゃんとメリットの確認もしておかないとな。


「もちろんだ。コブラ一家にみかじめ料を入れている店邪魔する奴はコブラ一家がだまっちゃいないぞ」

「うーん。だけど、どのくらいの戦力があるのかな。コブラ一家は?」

「うちの構成員は10人くらいだが。スラム出身者をなめてもらっては困るぞ。誰が死ぬ気で守るぞ」

「だけどさ。冒険者で上位な奴とかににらまれたりしたら。無理だよな」

「もちろん、上位冒険者は強いな。だが、コブラ一家だって、スラム出身の冒険者とのつながりがあるぞ。そういう場合は冒険者同士で話をさせるさ」


おー、そんな手があるのか。

力で押してくる奴らなら、大丈夫らしいぞ。


もっとも、貴族とか商人とか。

権力や金で押してくると難しいだろうな。


それはそれで後ろ盾をみつける必要がありそうだ。


「あっ、コブラの兄ちゃん」


おや、コブラ一家の彼は、青髪少年と知り合いか?


「なんだ、お前。こいつと知り合いか?」

「うん。今は、店主のとこで働いているんだ」

「おー、スラム出身者を雇用しているのか。応援したいというのは本当なんだな」

「まぁ、雇用といえるのかどうか、微妙だけどな」

「へへ。ちゃんと給料をもらっているんだ。それもなかなかいい額を」

「それはすごいな。いいか、この店はコブラ一家の仲間になった。困ったことがあったら、言ってこい」

「うん。わかった」


そうか。青髪少年の知り合いか。

それなら連絡係は青髪少年でいいな。


「あ。それよりもさ。ふたりがお客さんを連れてくるからさ。ちょっと準備をしてほしくて」

「おー、分かった。では、これが今週の分」


銀貨3枚を渡すと、にかっと笑って帰っていった。


ここからは商売だ。

どんな準備がいるのか青髪少年と打ち合わせだ。


そろそろ、ブクマしていない方、ブクマしてみるのもいいかなと思うんだけど。

まぁ、ブクマしなくてもあまり困らないっていうも分かるんだよね。


だけど、ブクマしてくれると、とっても嬉しいんです。はい。

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