第31話 モラル崩壊からの…
「あー」
なんだかんだ言って、あんな小さな子達としてしまった!
真正ロリコンだったのか?
たしかに、魔法少女物は好きだ。
だけど、あれはアニメであって実写じゃない。
ハーレムだってそうだ。
異世界物でハーレムが出てきてもドキドキしないぞ。
ひとりの恋人もいない俺としては、そんなたくさんの女性を相手するなんて、無理にきまっている。
妄想すらできない。
それなのに…。
あー、やってしまったことを悩んでも仕方ない。
もう、ああいったことはするのはやめよう。
青髪少年の提案にも気を付けないと。
何が起きるか、分からなすぎだ。
さて、今日は何をするか。
店の仕入れは、大丈夫かな。
まだ商品はたくさん残っている。
数日で品薄にはならないだろう。
だけど、新商品は開発しないとな。
似たような商品だけだと飽きられてしまうだろう。
今は娼館のお姉さんがメインのお客さんだ。
もっと、綺麗になるものとか。
探さないといけないかな。
よし、行くか! 百均ショップへ。
☆ ☆ ☆
「うーむ。どうなんだろう」
このマニュキュアを買うべきかどうか。
全部で30色もあるらしい。
これを1本づつ買って、棚に並べたら派手になるよな。
でも、異世界では爪に色を塗る習慣あるのだろうか。
いままでベッドを共にした女性はマニュキュアはしていなかったな。
もしかして、そういう習慣なかったりすると、また不良在庫になってしまうしな。
あと、他の化粧品を買うって手があるんだけど。
しかし、このルースパウダーってなんだ?
おしろいみたいなものか。
参ったな……メイクの知識がなさすぎだな、俺。
これは女装家にでもなれってことか?
「何してるの?」
「えっ」
振り返ると美女がいた。
ばっちりメイクを決めた美女。
と思ったら、なんか変だ。
縮尺がおかしい。
俺の目線よりずいぶん下に顔がある。
身長130センチくらいじゃないのか。
それなのに、コーディネイトばっちりな服を来て、美女メイクをしている。
「えっ、子供?」
「失礼ね。レディよ」
いや、子供だろう。小学4年生くらいか。
よく見ると、幼い顔つきだ。
とっても背が低い成人女性なんかじゃない。
「しかし、メイクうまいな」
「ありがとう。メイク大好きなの」
もしかしたら、異世界のオレンジ髪の少女と同じくらいの歳かもしれないな。
この女の子と同じくらいの子としちゃったのか…いかん、そんなこと考えちゃダメだ。
もっと前向きに考えなきゃ。
この子は、異世界ショップの商品選びに迷っている俺に神様が使わしてくれた天使なのだ。
そうに違いない。
「もしかして、天使?」
「何言ってるんだ。ナンパかよ、おっさん」
ぜってー違う! 天使なんかじゃない。
だけど、たぶん俺が知りたい知識を持った女の子だろう。
「おっさん、CUTEGALって雑誌知ってる?」
「知らんな」
「見せてあげる、ほらここ。私が出てるの」
小学生向けファッション誌だぁ?
いつのまにそんな雑誌が出ていたのか。
「おー、すごいな。読者モデルってやつか」
「そんなんじゃないわ。まだね」
まだ、と来たか。そのうち読モで、いつかはスーパーモデルってか。
「あー。ちょっと聞きたいんだが」
「何?」
「この、ルースパウダーってなんだ?」
☆ ☆ ☆
俺は今、錦糸町に来ている。
なぜ、ここに来たかというと都内最大の売り場面積のある百均ショップがあるから、なんだ。
そのうち読モの女の子にいろいろとメイク用品は話を聞いていたら、もっと商品が豊富なとこにいかなきゃと説得された。
それが錦糸町というわけだ。
「これが今ね一番人気の百均ブランド『裏グラン』なの」
「なんだ、これ。すごいな、これも100円なのか」
いままで異世界で売るために百均コスメは詳しくなったつもりでいた。
一番人気は4色のアイシャドウパレットだと思っていた。
それ以上のが、そこにはあった。
「3年前から始まった『裏グラン』を知らないなんてもぐりね。小中学生御用達のブランドよ」
なんでもグラン・クラスのコスメ用品を品質とデザインをそのまま百均で出すというポリシーのブランドらしい。
もう、女子使小学生から高校生まで、新しもの好きな女の子はすぐに飛びついた。
そのうちOLさんも、これはすごい、と人気が飛び火したそうな。
「その中でも神アイテムって呼ばれているのがこのシリーズね」
神アイテムは、やっぱりアイシャドウパレットだった。
しかし、それは4色じゃなくて9色!
3X3の配置になっていて、すごくおしゃれ。
それも『UraGran』のロゴまでプリントされている。
これ、ヨーロッパにでも持っていったら、日本製高級品って言うとだまされるんじゃないかな。
もちろん、異世界だとそう思われるに違いない。
値段が倍になっても、買う人いるんじゃないかな。
「あとこのシリーズも人気ね」
24色が揃ったリップオイル。
アクリルぽい四角柱になっていて、それをくり抜いて綺麗な色のオイルが入っている
プラチナカラーの大きめ蓋とセットになっていて、すごくおしゃれな逸品だ。
「まだ、裏グランはあまり生産されていなくて、置いてある百均は限られているの」
あー、だからアパートの近くにはなかったんだ。
まぁ、そのうちアパートも引き払うし、今度は錦糸町を仕入れの中心にするのもいいな。
「それでだな」
「何かしら?」
「このリップオイルってなんだ?」
やっぱり聞いたことがないぞ。
綺麗なのはよくわかる。
これを24色揃えて、《ビッグ・アマゾーン》に置いたら映えるのは間違いない。
だけど、異世界では使われない物だったら嫌だし、ちゃんと使い方を勉強しておかないと。
「これの使い方を教えてくれないか?」
「いいわよ。じゃ、これとこれ。あと、これも買ってね」
「いいよ。どこでだと、それ使えるのか?」
「ファミレスがいいな。サイザリアにしよう。すぐそこにあるから」
「ついでに、ルースパウダーもいいか?」
「じゃあ、いろいろ買って、みせてあげるね」
結局3千円くらい使ってしまった。
まぁ、安いと言えば安いんだろうけど。
300円商品に手を出そうとするから、「それはダメだ」と止めた。
数は多くてもいいから、100円商品限定にした。
仕入れの関係もあるからな。
新キャラ登場…って、JSじゃん。それも異世界じゃないJS。駄目だよ、手を出しちゃ。捕まるよ。
危ない話がつづきますが、よかったら↓で☆評価してくださいっ。