第3話 美少女ラーメン店を作った人って?
「今日は150杯か。いいペースだね」
「はいっ。みんながんばってくれています」
俺は店長の報告を聞いて、大きくうなづいた。
やっとだな。
来店150人で客単価2200円。
売り上げ、33万円。
その中には1000円飴代も入っている。
VIP室は別勘定だがな。
美少女ラーメンのメンバーは、バックヤードも含めて30人。
一人当たり1日、1万円ちょっと。
もう少し、上がっていくかもな。
まだ1週間だから可能性は無限大だ。
ここまで来るのに、大変なんとも大変だった。
なんと言っても、異世界で作られた物は俺が現代に持ち出せないという制限があったのはきつかった。
現代で作られた物であれば、異世界の人達に広げるのは簡単だ。
技術レベル、科学レベルが全く違う。
ちょっと試してみれば、何が売れるのか簡単に分かってきた。
現代日本の価値を異世界の価値に変換するのは簡単だ。
その気になれば、100倍にだってすることができる。
しかし、その逆は苦労した。
異世界の物を現代日本で売るとなると販売力が必要になる。
物余りの日本だからな。
最初は自分の貯金を下ろして、日本で物を買って亜空間ショップで売っていい気になっていた。
物価の違いもあって、贅沢し放題だった。
だけど、貯金は有限だ。
貯金がなくなってからは異世界での贅沢な暮らしは全くできなくなってしまった。
しかし、異世界なら何の資格もなく出来る冒険者として金を稼ぐなど不可能だ。
怪我するだけで大騒ぎの俺など、死さえ当たり前の冒険者達にバカにされるのは当然だろう。
だからと言って、日本で稼ぐのも嫌だ。
日雇いの仕事なら、最低賃金より少しはいい時給で働けるだろう。
肉体労働なら人が足りなくて募集はいくらでもある。
そうして手に入れた金で買った物を異世界に持ち込んで贅沢をする。
それは限界がある。
異世界での贅沢を知ってしまった俺にとって、日本での底辺労働はキツさ10倍だ。
なんとかして、異世界での価値を日本の価値に変換できないだろうか。
異世界では価値がないと評価されている物を日本で価値があると認めさせる。
それができれば、価値が循環して俺は苦労せずに金を手に入れられる。
異世界で贅沢し放題。
もしかしたら、日本でも贅沢し放題が実現するかもしれない。
そんな夢を叶えるのが、この美少女ラーメン店だ。
まだ1週間だから、完璧に成功かと言われるとちょっと疑問がある。
しかし、すでに完食スタンプ3個貯めてVIP室に入るまでになった常連が10人を超えた。
まだ1週間だから、これから増々増えていくだろう。
楽しみなことだ。
今日も売り上げの半分の15万円を使って100円ショップで仕入れをしていくか。
税込みだと110円だから、全部で1300個くらいだな。
やっと、ここまで来たな。
最初はどうなるかと心配したものだったが。
そう、あの部屋でいきなり目覚めたあの時は。
やっと主人公がでてきたぞ。
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