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第20話 娼館にはヒエラルキーがある

「きゃは! 本当に?」

「そうだよ。きっと気に入るよ」

「変なとこだったらお仕置きよ」

「そんなー」


おっ、新しいお客さんだ。

女子高生かな?

異世界に女子高があるのか知らないけど、なんかそんな感じの女の子が3人やってきた。

青髪少年と一緒に。


「店主っ、お客さん連れてきたよー」

「おう。ごくろうさん」


女子高生ぽい女の子が扉が店の中を覗き込んでいる。


「なんか、やすっぽいお店じゃん」

「そんなことないわ。すごい高級品があるお店よ」


ミッシェルさんが否定してくれた。

なかなか力強い味方だね。


「うわっ、綺麗なお姉さん。どこの方?」

「《アモーレ》よ」

「えっ、《アモーレ》! すごいっ」


《アモーレ》って言うだけで分かったということは。

やっぱり、娼館のお姉さんなのかな。


娼館のお姉さんを連れてくるって言ってたけど、女子高生を連れてきたのかと思っちゃった。

ちゃんと娼館のお姉さん3人組らしい。


「私、《アモーレ》に入るの夢なの。いいなー」

「私は無理かな。胸ないし」

「《アモーレ》の女になりたいわ」


3人が来てから、なんかミッシェルさんの感じが変わった。

さっきまで、笑顔がカワイイ女だったのに、急に上品な感じになったぞ。


「あなた達もがんばれば、きっと《アモーレ》の女になれるわ」

「「「はい、頑張ります!!!」」」


なんか、女子同士でお話が始まったぞ。

どうしたら、人気がでるかって話らしい。


「あのさ。その3人って、どこの子なの?」

娼館シャットのお姉さんだよ」

「いくらくらいなのかな」

「中級の下って感じのとこだから、大銅貨7枚くらいさ」

「おおー。ずいぶん安いんだな」


へぇ。こんな女子高生みたいなカワイイ女の子が大銅貨7枚の娼館にいるのか。

異世界って、すごいな。


「どう? 若い女性が好きと聞いたから、どうかなと思って連れてきたんだ」

「いいねぇ。あのミッシェルさんもいいけど、あの子達もいいな」

「よかったら、連れていくよ」

「うん、そのうちにね」


今日は大工の親方と飲むつもりだから娼館はパスだな。

連れて行ってもらうのが楽しみだ。


「じゃ、私は帰るわね。店主さん、いろいろありがとう」

「どういたしまして。また、来てくださいね」

「ええ。また寄らせてもらうわ」


背筋をしゃきって伸ばして、ミッシェルさんが出て行った。


「あんなすごいとこのお姉さんが来ているお店なのね」

「なんか高いお店なのかな。私達じゃ買えないかな」

「そんなことないよ。高級な商品が多いけど、買えるのだってあるよー」


青髪少年、いい感じでお店を紹介してくれているじゃないか。

いいぞ、いいぞ。


「じゃあ。初来店のお礼にこれどうぞ」

「「「これ、何?」」」


三角で大きいイチゴ飴をひとつづつ、3人の女の子の手のひらに載せてあげた。

飴って知られていないんだな。


「あ、僕もちょうだい。こうやって食べるんだよ」

「へぇ、何、これ甘いっ」「おいしー」「これ好きっ」


少年と女の子3人は、頬を膨らませてイチゴ飴をなめている。

そうなんだよね、大きいんだよイチゴ飴は。

子供の頃よく食べていたから、百均でみつけて懐かしくて買ってしまったんだ。


うん、カワイイ女の子がワイワイやっているのを見るのはいいね。

で、3人には口紅を勧めてみた。


「こいつがしているのが、この口紅なんだけどね」

「えー、こんな形しているんだ。不思議」

「どうやって使うの?」

「やってあげようか」


おっ、青髪少年、積極的だな。

サンプル用に使っているのを手渡すとひとりづつ、塗ってあげている。

うんうん、いいぞー。


「どうかなー」

「はい。鏡をどうぞ」

「うわーーー、すごいっ」


うん、俺もいいと思うぞ。


「これっていくらなんですか?」

「大銅貨5枚です」

「えー、いい値段するね」

「でも、私買うっ。これ使ってお客さんにアピールしちゃう」

「それなら、すぐに元が取れそうね」


うんうん。

お仕事に使える商品は、投資する価値があるよね。


「これちょうだい。あと、こっちのも」

「私、鏡欲しい。いくらなの?」


女性は化粧関係は喰いつきがいいな。

年齢関係なくね。


たくさん売れました。

その後も、青髪少年はお客さんを連れてきてくれた。


この日は、全部で15人。

売り上げは銀貨18枚にアップした。


よかったら、☆☆☆☆☆をクリックしてみてね。

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