第17話 ミッシェルという女性
異世界はナイスバディな女性がモテる。
それか間違いないらしい。
ミッシェルも自分のこと、ナイスバディだと思っていた。
だけど、スカウトされて《アモーレ》に入ってから自信を無くしていた。
一緒に働いているのが自分よりずっとナイスバディだったから。
いつもは選ばれるはもっと遅くなって、あんまり並んでいない時だけ。
仕方ないように、自分が選ばれる。
まだ始まったばかりで、一番女性が多いときに指名されたのは初めてと驚いていた。
「僕はミッシェルのような女性の方が好きなのさ」
ちょっと気取って言ったら、嬉しそうに抱き着いてきた。
それから恋人みたいな熱烈なエッチになった。
とっても気持ちが良かったです。
異世界ばんざーい。
「ふう」
「どうだった?」
一通り終わって《アモーレ》を出たら、青髪少年が待っていた。
ずっと待っていたのかと聞いたら、そろそろかなと思って待っていたようだ。
「いやぁ、最高だったぞ。極楽だった」
「だろう。あの店は高いけど評判がいい店だからな」
「そうだな。だけど、もうちょっと若い女性がいるとこの方がいいかな」
「えっ、なんで?」
あれ、おかしいな。
女性は若い方がいいというのは、世界共通だと思っていた。
異世界は違うのかな?
「あそこは俺と同じか少し上くらいの年齢の女性しかいないしな」
「だけど、スタイル良かったでしょ」
「ああ、だけど、あそこまでスタイルは重視しないからな」
実際、選んだミッシェルはスタイルが良くなくて悩んでいたみたいだしな。
それでも、いい方だと俺は思うけどな。
「そうなのか……お客さんのこと、ちゃんと把握できていなかったみたい」
「あ、俺も言わなかったからな、自分の好みを」
「じゃあ、教えてよ。詳しく」
「また今度な。今日は満足だしな」
青髪少年は商売熱心だな。
まだ子供なのに、すごいな。
俺が10歳くらいの頃は、ゲームとアニメのことしか考えていなかったな。
あ、ちょっとだけ勉強のことも考えていたか。
「それで、明日売る商品のヒントはもらってきたの?」
「あっ!」
エッチに夢中で、お客さんになる女性のこと全然聞かなかった。
もちろん、触れ合いは十分したけど、身体の触れ合いだけじゃん。
「やっぱりね。ただのスケベじゃん」
「そう言うなって。男なんて、そんなもんだろ」
「知らない~」
少年よ、大人になったら分かるって。
綺麗な女性がいて抱き着いてきたら、頭で考えるより本能に従うだけになるって。
「まぁ、明日も客引きよろしくな」
「分かったよ。明日も似たようなお客さんを連れていけばいいんだよね」
「ああ、そうだ。今日と同じ商品は仕入れておくから」
「じゃあ。今日よりたくさんのお客さんを連れていくよ」
「おぅ、がんぱってくれ」
こいつが大人だったら、これから一緒に飲みに行くってこともできてんだけどな。
子供だから、そうもいかないな。
明日は飯が美味くて、酒が飲める店を紹介してもらおう。