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葉子、逝く

やわらかな朝の日差しが差し込む病室で、葉子は自分の最期が近いことを悟っていた。


大きな病気もなく、このまま年相応に体が衰えていくんだと思っていた。

多少の不調は振り払って必死に働いて子育てをすることが身に染みついていた。

半年前に突然倒れ、病気が発覚した時にはもう末期。

そのまま階段を転げ落ちるように体が弱っていった。


長男次男と長女、そしてその家族が絶えず見舞ってくれ、

辛い気持ちもあれど、それ以上に幸せな気持ちに満たされた日々だった。


若くして結婚、出産をした葉子は子どもが子どもを産むなんてと後ろ指刺されながらも、誰にもに恥じることのないよう必死に生きてきた。

結婚5年目にして夫の不倫が発覚し、すったもんだの末に離婚してから35年。

シングルマザーで3人の子どもたちを育て上げ、

結婚しても同居してくれる長男夫婦とその孫たちとの生活は山あり谷ありで慌ただしかったが、

辛いことも今思えばすべて楽しい思い出に感じられるから不思議だ。


来年には一番上の孫は高校を卒業になる。その姿を見られないのが多少心残りだが、

あの子も他の孫たちも立派な大人になっていくだろう。


窓の外はじわじわと日差しが強くなってくる。

もう少しで血圧測定と検温の時間だ。でも、とても眠い。腕も上がらない。

私が逝くと彼らは悲しむだろうか。

病気が発覚してから、「私が逝ったあといつまでもめそめそしてたら化けて出るからね!」と口酸っぱく伝えてきた。

つまらないことで泣くよりも、楽しいことをして笑顔でいてくれたらいいと思いながら、

葉子は目を閉じた。

気のむくままに書いていきます。初期タイトル「おかん転生」。タイトルだけ思いついて2年寝かせたのでそろそろ供養してあげたい!パソコンがリビングにあるので背後に気を付けながら……。

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