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序章:ある図書館にて・・・
えー、これは私が体験したお話で…にわかには信じられない人もいるでしょう。(実際私も未だに信じられません。)でも、現実の出来事 (らしい)ので、疑わず(とまでは言わずとも)聞いてくれると嬉しいです。
これは、今から少し前の話です。きっかけはある図書館で…
◇
「はぁぁぁぁ、なんてここは最っ高なのぉぉぉぉ!」
片田舎出身の私は、友人に誘われてとある都市の大きい図書館に来ていました。
「そんなはしゃぐなんて…さっすが物の語り子ちゃんね」
あ、「物の語り子ちゃん」は私のあだ名。いつも本を何冊も持ち歩き、暇さえあればひたすら読んでいたから、周囲からつけていただきました。
個人的には気に入っています。
「もっちろんろん〜♪ こんなおっきい図書館初めてなんだから!」
周囲の目線? 少々痛いけど、問題なし!
地元の図書館にある本を全部読み切り、物語に飢えていた私にとっては天国のような場所で…テンションがとにかくアガっていました…
「じゃあ、またあとでね。くれぐれも、騒がないように」
「はーい」
…なんてやり取りの後、私は図書館の本棚を捜索し始めました。