この森のこと意外と知らないものだ()
基本、登場人物たちがどう動いているかは詳しくは書いていません。
心情を書きたいなと思い。
読みづらい所も多いでしょうが、私は書きやすいです(キリッ)
この異世界にきてから、9カ月、ドラゴンさんとあってから、半年。
長いようで、短い。そんな時間の流れたころ。
ドラゴンさんからの魔法講座もひと段落して、二人それぞれ本を読んでいたある日。何となく、俺は思い出した。
やっぱこの森で生き物見ないなぁ。
あ、人が滅多にこの森に来ないのは知ってたし、いいんだけど。
それ以外の、動物。虫とか鳥とかすら、この森では見かけない。んー、なんか急に気になりだした。
今が冬だからか?
前は、俺一人だったし、どうせ考えても答えなんて出ないし、他にやることあったし、で、考えるのを放棄していたが、今ここには、森の守護者さんであるドラゴンさんいるし、聞いてみようかな。
「な、ドラゴンさん」
「…ん?」
あ、意識は本に向かってる感じですね。すまん、邪魔した。ま、聞くけど。
「この森、虫見ないよな」
「ん?いるぞ」
「え?」
「ん?」
え?まじ?てか、こっち向かないのか。いいけど。邪魔するけど。
「鳥も見ないけど」
「いるぞ」
「え?」
「ん?」
あれれ。
「なんで俺見えないの?」
「お前が見ないようにしているからだろ」
「え?」
「ん?」
え?………え??
「俺が原因?」
「そうだろ?」
「えー」
「……ん?」
あ、やっとこっち向いた。相変わらず、その青い目と水色の髪きれいだなぁ。
って、現実逃避している場合じゃないぞ、これ。
えーっと。
「お前のそれ、もしかして無意識か?」
…?
「何が?」
「…なるほど」
「…だから、何が?」
「…お前アホだな」
「……いや、そうだけど、だから、何が??」
そうだけど!?なんでそうなった????
日々アホだなーって思うことはあるけれど。あるけれども!何がどうしてその結論に???
「…そうか、だから、魔法ヘタクソだったのか」
ぐっはっ!!
え、何今の。すごい衝撃。ここまで研究していたものを一気に否定された…。
…………泣いていいっすかね。
「お前、不器用だろ」
「…ま、そうだけど」
なんすかなんすか。確かに俺、不器用だけど。
「…魔力操作もそんな感じかと」
…ん?魔力操作?
「魔力操作って、魔法使うときの魔力の動かし方だよな」
「…あぁ。だが、それだけじゃない」
んん?
「教えて」
「…魔力操作は初歩の初歩だ。魔力操作とは、体内の魔力の操作以外に、体外に放出される魔力を抑える魔力制御というものをする必要がある。それができないと、体内に魔力が保存されず、普通は魔法が使えない」
「…ほう」
「…だが、お前は保有魔力量が普通じゃない」
「…」
…お?つまり?
「…普通は最初に体外放出量を抑えるところから始め魔法を行使するが、お前は抑えなくても魔法を行使できてしまった」
「なるほど」
確かに、最初にとりあえず魔法使ってみようってときも特に考えずに使えていたし、少しして使おうと思えば何となく体内の魔力っぽいものが感じられたから、これだろうと思ってやってたけど。
本や『最後の知性くん』も、体内の魔力を魔法に変えるには体に流れる魔力を感知してそれを変換し放出することって書いてあったし…。
「…普通は、普通はな。魔力制御するところから始めるんだ」
「…んで、俺はそれをしていないと」
「…ついでに魔力がどんなものか知っているか」
えーっと、確か。
「…多すぎる魔力は毒になるって」
「…弱い者にとってはな」
確かに、放出魔力量が多いところは強い魔物が集まりやすく、弱い者は入れないって…。
え。つまり、俺の体外放出魔力が多すぎて、鳥とか虫を見なかったってこと?
「…てっきりそういうやつらを見たくなくて故意に魔力放出しているのかとも思っていたが」
あ。
ああああぁぁぁぁああああぁぁぁ!
見ない理由、俺のせいです!!俺のせいでした!!!
なーにが、「森?国?世界?」だよっ!おれじゃん!!
まじかぁぁぁぁぁぁ!!!!
「……ドラゴンさん」
「ん?」
「…魔力操作、教えてください」
「…あぁ」
それから、俺は魔力操作という初歩中の初歩を学ぶことになった。
いつもでドでかい魔力操作でどうにかしていた俺は、最初全く感知できなかった。
ドラゴンさんから体内に魔力を流してもらい、それを感じ取るところから始まったんだが。
「…流してる?」
「…あぁ」
…わっかんねっ!いや、無理っ!
やり方を何度も変えて、ドラゴンさんと『最後の知性くん』からの情報で様々やってみたが、なかなかいい結果が出ず。
その日の最後に初心に帰り、もう一度ドラゴンさんから流してもらう。
すると。
「……あ、これ?」
「…これでやっと分かったのか」
徐々に体内に流す魔力量を増やしていって感知できる最小を測っていたらしい。
しかし、それでも。
「…多いな」
ですよね!…まじ、ごめん。
そして、ドラゴンさん、住み込み1週間。
「…きた、これだ」
「…あぁ。これでわかるなら」
と、OKが出た。よっしゃーいっ!
「あとはこれで放出量を抑えるようにするんだな」
あぁぁぁ~~~。そうだったぁぁ…。
「…俺はいいが、他の者はここに来れんぞ」
うぅ、ガンバリマス。
そして、やっと感知で来た魔力を毎日、抑えられるように特訓する事、一カ月半。
外に出ると。この日はなにか違った。空を見る。と。
「あっ」
と、鳥さんが飛んでる~~~~!!!!!
俺の頑張りがやっと目に見えて分かり、泣きそうに…。
と思って、油断した。
「…あ」
鳥さんが落ちてきた。
…!?!?!?え!??!??!
鳥さんっ!!!
魔力放出量の調整の必要性が一気に理解できた瞬間であった。
保護した鳥さんはのちに意識を取り戻し、ものすごい勢いで飛んでいきました。…ごめんって。
そして、衝撃の事実発覚から丸々二か月後。
いつも通りドラゴンさんが来た時。
「…お」
「いらっしゃい、今日何食う?」
「…魔力」
「…っは。もしや」
「おめでとう」
「ありがとうございます」
きました、合格点っ!!うっひゃーい!!!
ドラゴンさんの一週間に一度のチェックでやっと合格点っ!!
嬉しい…。なきそー。泣かないけどー。
それから、やっと俺の周辺でも、鳥をちょこちょこ見かけるようになったし、意識しなくても魔力を抑えていられるようになった。マジ良かった。
しかし、今の季節は、まだ冬で。なかなか生き物を見かけない。
もう少ししたら春になって生き物来るかな~って期待している。
そう。まだ客は(ドラゴンさんと鳥さん数羽以外)、来ていない。
季節としては
主人公が来たのが、春ど真ん中。
ドラゴンさんに会ったのが、夏ど真ん中。
鳥さん一号発見が、冬終わり際。
季節感あまり書いてないから、分からないですよねー。
次に人間を出すか、ほのぼの日常回にするか。悩みどころ、ムムッ。